「今日、京子ちゃんが…」
「今度、京子ちゃんと…」
ツナの幼馴染みである私は、中一の頃からそんな話ばっか聞いてきた。だけど、私は小さい頃からツナが好きなのである。情けないけど、いつでも手を差しのべてくれていたツナが、恋愛対象として好きだった。
だから、まあそういう話聞いてんのも楽ではないわけで。
「そっか、…良かったね」
話を聞く度に京子ちゃんに嫉妬した。
でも、私なんかが京子ちゃんに敵うわけないって分かってる。だから、この気持ちは胸の奥にしまってツナを応援するって決めたんだ。
俺は、幼馴染みのなまえが好きだ。
最初は京子ちゃんが好きで、それになまえが協力してくれていた。
だけど、そうしているうちにいつの間にかなまえのことを好きになっていて。
でも、なまえは山本と仲がいい。
「あ、武じゃん!」
「お、なまえ!」
あんなに楽しそうに会話してるんだから、なまえと山本は両想いなんじゃないかって思う。
だから俺は京子ちゃんのことが好きなフリして、この気持ちは閉まっておくんだ。
通じない
通じない