「ありがとうございました!」
6時になって、ようやく部活も終わった。まだ春先だということもあって外はもう薄暗かったから、真由香ちゃんと急いで着替えてラケットも戻しに行った。
「ダブルス、もう少しだね」「うん…、負けたらごめん」「なんで謝ってんの、大丈夫だよ!絶対勝つ」
「、うん」
真由香ちゃんは、『絶対勝つ』なんて言ってくれてるけど、本当に大丈夫なのかな。私だっていつもは絶対勝つっていう思いを持たなきゃ勝てないってわかってるけど、今の私には絶対勝てる自信なんて微塵もない。
「じゃあ、そろそろ私帰るね」
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