02
「ちょっと、それ昨日私が買ってきたお菓子なんだけど」
「うるせーな、別にいいだろ。太るぞ」
「…また始まったんだけど、どうにかしてよヒロト…」
「…俺にもどうすることもできないと思う」
…また始まった、あいつの嫌がらせ。このお菓子、後で玲名やマキたちと食べようと思ってたのになぁ…。ていうか、私が体重最近気にしてんの知ってるのに、なんでこういうこと言うかな。
「あのさ、何であんた私には特別態度悪いの」
「…そりゃ、他の奴よりからかったあとの反応がうけるからだろ。 キーキー言ってるとことかまじ俺のS心をくすぐるわ」
「なによ、さっきから! 私じゃなくても、風介とかいるじゃん!」
「あいつは、仕返しがやり過ぎてるときがあるんだよ、」
「じゃあ私なら仕返しも大したこと無いからいいってか、ふざけんな!!」
「うるせえ、黙れ!」
絶対私のこと嘗めてる。
でも、小さい頃は全然そんなこと無かったのに。いつから変わっちゃったんだろうか。
「…ねえ、いつからそんな風になっちゃったの? 小さい頃は、もっと優しかったじゃん」
だけど、急に歪んだ晴矢の顔。
「…別に#2#には関係ないだろ」
「え、ちょ、」
談話室のドアを荒々しく開けて出ていった晴矢。
急いで私もその後を追ったけど、晴矢の部屋には鍵がかかっていた。
「え、はるや…?」
そんなに酷い言葉を言ったつもりではなかったけど、晴矢にとっては傷を抉るような言葉だったかもしれない。
そう考えたとき、小さい頃の思い出が頭に浮かんだ。
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