03


私がおひさま園に来たのは、小学校一年の夏だった。親が事故にあって亡くなって、親戚も急なことで葬儀の手配でいっぱいだったから私を引き取る余裕もなくて、まだ小さかった私はよくわからないままただ泣きわめくことしかできなかった。そんな時、引き取るかわりにと親戚が連れていってくれたのがおひさま園だった。

だけど、いきなり親を両方とも無くした事が悲しくて、不安で、ずっと泣いてばかりだった私に話しかけてくれたのは、晴矢だった。



「おい、お前いつまでないてんの?」

「へ、」

「そんなに泣いてたってつまんねーだろ、俺たちといっしょにあそんだほうがたのしいぞ!」

「…いっしょにあそんでも、いいの?」

「ああ!いいぜ!」


晴矢に手を引かれて連れていかれたのは同い年ぐらいの子達が沢山いる場所で、中には女の子も沢山いたから、こんなに私と同じように親がいない子がいるんだ、ってびっくりした。
だけど、小さかった私が一番気になったのは、自分がしっかりこの皆と仲よくできるかどうかだったから、本当は怖くて、不安で、仕方なかった。


「だいじょうぶだから心配すんな!」

「え、ちょ、」

「みんな、こいつ新しく入ってきたやつなんだけど… 俺、いっしょに遊びたいんだけどいれてもいいか?」

「うん、いいよ! こっちおいで!」



晴矢がいつでも助けてくれた。
いつでも私を気にかけてくれた。




「#2#、食堂いこー!」

「あ、マキ!」



そうしているうちにマキや玲名、杏たちと仲良くなった。
もちろん、晴矢との仲も健在で、いつの間にかマキ、玲名、杏、風介、ヒロト、リュウジ、…そして私の8人でいることが多くなっていた。


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