導師様と初めて海で遊ぶわたくし

目の前に広がるのは太陽の光に照らされて綺麗に映る海。その中を楽しそうに泳ぐ人間。浜辺で遊ぶ人間。人間だけではなく、霊応力がある人間ならば知覚出来る天族も海で浜辺で密かに遊んでいた。
そしてその中に混じっているのは導師御一行。海に相応しい水着を着て各自それぞれ楽しく遊んでいた。…ただ一人の天族を除いて。


(…早く今日一日が終わらないかしら…)


導師御一行の一人。黒髪に同じ瞳を持つ天族、名無し。彼女は水着ではなく、いつも着ている服装に似た服を身につけて仲間が建ててくれたパラソルの下にシートを敷いて座っていた。普段よりも薄い服装だが何があっても泳がない、肌を見せないという意味を込めてこれを着ているのでしょ、と一人に指摘されて否定出来なかった所、そうらしい。無理もないだろう。露出するのを頑なに断る名無しが好きでこの場所に来るはずがないのだから。


(大体何故女の人はあんな恥ずかしい姿で遊べるのでしょう?それに、お、男の人なんて…!)


チラリと遊んでいる人々を見て名無しは直ぐ様顔を下に向ける。
理解出来るはずが無かった。何故女はあの様な露出が高い水着を着て平気で遊べるのか。何故上半身がむき出しでほぼ裸同然な男がいるのにも関わらず何も思わないのか。寧ろ何故一緒に遊べるのか。
地獄な様な光景に名無しはただただ下を見る事しか出来ない。唯一の救いは自分が天族だから何か言われたり見られたりされる事は早々無いという事。


「名無しさん。一緒に遊びませんか」

「…いえ、わたくしの事など気にしないで下さい。心配せずともここから一歩も動きませんので」


同じ天族であり、導師御一行の一員であるライラが気遣って声をかけるが顔を下に向けたまま断る名無し。態度が悪いなど充分に承知しているが、上げる訳にはいかない。ライラ以外に視界に入れたくないのが映るから。
そもそも何故名無しが街で待機せずこの場に留まっているのか。勿論海に行くのに承諾などするはずもない名無しは行きたくないと断った。例え行ったとしても違う場所に行くと意地でも海の近くには行かないと拒否した…のだが。


『オレは名無しに来てほしいけど…やっぱり駄目、だよな。ごめん、無理言って』


導師であり、名無しの想い人でもある男…スレイが渋々と言った表情で言ってきた。が、納得はしていない為明らかに落ち込んでいる彼を見て名無しは何度も何度もどうするか悩んだ結果、今に至る。但し絶対に水着は着ないという条件で。その件に関しては了承されたのだが、違う場所に行くのは駄目だと強く言われてしまった。万が一敵に襲われた時一人だったら危ないからだ。最もな事を口にされて反論出来ず、日も当たらずなるべく皆に自身の姿が見える範囲内のパラソルの下にいた。


「砂遊びなら出来るじゃん。一緒にする?」

「結構です。皆さんが楽しければわたくしは充分ですから」


続けて来たロゼとデゼル。ロゼの誘いをハッキリと断り、なんとか上げた顔で笑う名無し。彼女なりに心配しなくていいという意味を込めたのだろうが、ライラ達からすると逆効果だった。尚更どうしたものかと悩むライラとロゼだが、一人だけ名無しを刺激させる発言をした者がいた。


「放っておけ。箱入りのお嬢様だから泳ぐ事もそういう事も出来ないのだろう」

「…デゼルさん。どういう意味ですか?」


そう、風の天族であるデゼル。彼の発言に名無しが不機嫌丸出しの表情に変わったのを見てロゼとライラはため息をつきたくなった。元々名無しとデゼルは何かと言い合いする事が多い。きっかけは名無しがそう呼べれるのが嫌いな"お嬢様"という呼び方。彼女は自身の境遇を好ましく思っていない。だからその呼び方をされると彼女が嫌な気分になるのを知っているから決して口にはしない。…デゼル以外は。


「そのままの意味だ。海に来ても泳げない、ましてや砂遊びなどお嬢様には言語道断って所か」


何故彼も刺激するとわかっていて態とらしく言うのか。ただ名無しが気に入らないのか、ただ名無しをからかいたいだけなのか。どちらにしろ彼女が良い気分にならないのは明確だった。
フン、と鼻で笑って見下すデゼルに名無しが勢い良く立ち上がる。何事かと目を見開くロゼとライラだったが、彼女は足を動かし目の前にいるデゼルを多少睨みながら通り過ぎる。慌ててロゼが何処に行くのかと訊けば振り向く名無し。


「わたくしだって泳げます。今から証明しますので良く見ていて下さい」

「名無しさん!?まさかそのままで海の中に入るつもりですか!?」

「ええ、そうです。その…水着姿にはなりたくないのでこの姿で」

「そんなムキにならなくてもいいじゃん!」


必死に止めてくるライラとロゼ。名無しの為を想って言っているのだが、彼女からするとその必死さが自分が泳げないと思っているから止められているのだと勘違いしてしまう。学校では水泳など無い学校だった為確かに泳ぐなど出来るかどうか不明だが、何も出来ないお嬢様と思われているのは嫌な名無し。だからどれだけ止められ様が証明するまで絶対に引かない。
そんな名無しは大丈夫だと口にして再び前に足を動かした…のだが、一歩踏み出した所で足を止める。


「…あの、デゼルさん?この手は一体何ですか?」


原因は名無しの腕を掴んだデゼルのせいだった。突然掴まれた手を振りほどく事はせず名無しはじっとデゼルを見つめるが無言。沈黙を破ったのは名無し。いい加減にして下さい、と少し怒った口調で手を振りほどこうとするが力の差がある為出来ない。これでは証明出来ない。


「着ている服が濡れる。やめておけ」

「承知の上です。大体デゼルさんの場合わたくしが濡れたとしても構わないでしょう」

「大いに構う」

「濡れた名無しが色っぽいから俺の理性が持たないだろうが―――って言いたいんだ?」


デゼルの言葉の後に続いてロゼが言う。表情は如何にも楽しそうにニヤニヤしていた。ライラもロゼの台詞を聞いてそうなのかと目を輝かせていた。一方デゼルは真似をしたロゼを怒る事も違うとも否定せず舌打ちをした後、掴んでいる手を離し名無しに背中を向ける。


「否定をしないという事はロゼさんの仰る通りなのですね!?」

「これじゃあいつデゼルに…名無し?」

「ご、ごめんなさい!失礼します!」


ロゼがデゼルも男だから注意しろと視線を名無しに戻した。しかしロゼの瞳に映ったのは顔を真っ赤にした名無し。慌てて言葉を発した後逃げる様に全力で走っていく。いくら鈍い名無しでも流石にロゼの言っていた意味がわかってしまったのだろう。更にデゼルも否定しないのだから尚更その場にいたたまれなくなり逃げたのだ。


「…ロゼ。下らない事を口にするな」

「本心でしょ?」

「違うのなら違うと否定していただかないと。ね、ロゼさん」


未だにニヤニヤしているロゼとライラにデゼルは頭が痛くなりその場を去ったのだった。





逃げた先は運良く人がいない場所。全力で走った為息が乱れている名無しは一旦落ち着こうと足を止め整える。一度頬に触れてみると熱い。それは走ったからなのか、それとも先程の件でなのか。前者の方だと無理矢理思い込む。
裸足になり少しだけ服を上げて足だけ水に浸かってみる。冷たい水が自身の体温を下げてくれている様で気持ちいい。思わず頬が緩み、足で水を蹴ったりと遊ぶ名無し。誰も見ていないと思っているからこそハメを外しても問題ないだろうと思っていた。


「楽しい―――っ!?」

「…あ…」


一通り楽しんで上がろうかと振り向いた途端、人が立っていた。導師であり名無しの想い人でもある、スレイが。バレた、という表情で名無しを見て謝るが彼女はもう聞く余裕すら無かった。あんな子供みたいに一人で楽しんでいた自分を一番見てほしくなかった人に見られるなんて。恥ずかしいという域を通り越している。
限界だと思った名無しはスレイに背中を向けて上げていた服から手を離し水の中へ勢い良く入っていく。服が濡れるなどお構い無しだ。とにかく一歩でも遠くスレイから距離を取りたくて。


(恥ずかしい、恥ずかしいっ…!今日はなんてついていない日なの!?)

「名無し、待って!」


後ろからスレイが追ってくるのがわかる。だから尚更急いで水で重たくなった足を必死に動かした、瞬間だった。突然足が地に着かなくなった。深い所まで来たのだと考えればわかる事だが、既に冷静さを失っている名無しは何事かと混乱しその場でもがいた。が、そのもがきのせいで余計に体が沈んでいく。
完全に全身まで水の中に入った時、もう駄目だと直ぐに思ってしまった。しかし突然体が後ろに力強く引っ張られた。次には水の中だというのに背中に暖かさを感じて、自分の体が離れない様に抱きしめられる。


(スレイさん…)


誰かなんて見なくてもわかる。この状態では何も出来ない為名無しは目を閉じた。
暫くして陸に上がる事が出来た二人は生きている実感を感じつつ息を吸ったり吐いたり咳をしたりと落ち着かせる。漸く落ち着いた頃、大丈夫かと声をかけられた名無しは座りながらスレイに頭を下げた。


「ご、ごめんなさい!わたくしのせいで、こんな…!」

「オレは全然平気だよ。まずオレが見ていたから悪いし。…でも名無しに何もなくて良かった」


安心したスレイが微笑むが名無しは罪悪感で一杯で頭を上げる事が出来ない。もしあの時自分のせいでスレイまで万が一の事があれば。考えただけでも体が震える。
ギュッと目をキツく瞑った瞬間、バサリと体に何かがかかる。突然だった為目を開けて確認すれば潜る時までスレイが着ていたパーカー。


「風邪引くと駄目だから着ていて」

「で、でも、スレイさんは」

「オレはいいよ。名無しの方が大事だから」


大事、と深い意味は無いとしても言われて動揺してしまう名無し。譲る気は無いスレイのお言葉に甘えて着るべきか、着ないべきかと悩む途中くしゅん、なんて声が隣で聞こえた。上半身裸のスレイを見るのは恥ずかしいが、確認したくて顔を向けるとカッコつかないなと嘆きながら笑う彼が瞳に映る。充分カッコいいです。そう告げそうになった口を閉じ、代わりにスレイにパーカーを返す名無し。


「気にしなくていいのに。ほら、名無しが着てて」

「駄目です。元々スレイさんの服ですし、スレイさんが風邪を引いたら大事ですから着て下さい」


パーカーの押し付け合いになってしまい、暫く口論が続いた。折れたのはスレイの方だった。納得のいかない顔をしながらパーカーを受け取る。その事に安堵して正面を向いた途端、ふわりと風を感じた。同時に上からまたパーカーかけられてしまう。何故振り出しに戻るのか。もう一度説得する為に顔を向けた…のだが。


「き、きゃあああああっ!?」

「!?何かあったのか!?」


先程は人一人分距離があったというのに今は密着していて直ぐ目の前にスレイの顔があった。思わず叫びながら名無しは顔を背けるが叫ばれた当の本人は何故叫ばれたのか気づいていない。それどころか離れるとかけたパーカーが落ちるから寄ってほしいと頼むのだ。
名無しは高鳴る胸を必死で落ち着かせて状況を確認する。どうやらスレイは自分と名無しに平等になる様パーカーをかけている。これなら口論にならないだろうと考えた結果らしい。
しかし名無しからするととんでもない発想だった。必然的に近くなる距離、自分は服を着ているとはいえ触れている肌。何も思わない訳がない。相手に好意を抱いていようとそうでなかろうと意識してしまうと名無しは思っていた。


『濡れた名無しが色っぽいから俺の理性が持たないだろうが―――って言いたいんだ?』

「!?!?」


更にはロゼの言葉を思い出して尚更動揺する名無しの顔は今にも湯気が出るのではないかと思う程に真っ赤だった。これに関しては気づかない事に感謝したい所。


(まさかスレイさんに限ってそんな事…!で、ですが、スレイさんも男の人ですし、わ…わたくしは一体どうすれば…!?…いえ、その前にわたくしが色っぽいなんてありえませんわね!だから平常心…平常心…)

「名無し、本当に大丈夫?」

「いっ………、はい、大丈夫、です…」


心の中では平常心平常心と何度も復唱するが平常心になれるはずがない。スレイに問われまた叫びそうになるのをなんとか堪えた名無しはなるべく彼が不審に思わない様に返事を返し、極力視界に入れない様に正面を見る。
今は誰も見ていませんように。こんな光景を仲間の内一人でも見られたらどれだけからかわれる事か。名無しは自分から彼が好きだと暴露した事は一度も無いが、わかりやすい名無しの気持ちなど仲間は全員知っている。…勿論、スレイの気持ちも。


「…名無し。デゼルと、えっと…」


スレイが口篭りながら名無しに訊こうとする。しかしハッキリ口にしない為どうしたのだろうと目を彼に向ける。とはいえ、直ぐに目を逸らしたり見つめたりと繰り返しているが。しかもデゼルの名前を出されると色々と思い出してしまう。動揺しているなんて思われたくない名無しは再度落ち着け落ち着けと念じていた。


「さっきデゼルと何を話していたんだ?」

「えっ!?そ、それは…あの…」


まさかの質問に名無しの顔が赤くなった。会話は聞かれていなかったとしても見られていたとは。言える訳がない為、他愛ない話をしていただけだとはぐらかす。スレイはだったら何故顔が赤くなるのかと疑問に思う。自分には言えない様な事を話していたのか…と拗ねてしまうスレイは話せないのならもういい、と冷たく告げる。


(…変だ、オレ。名無しとデゼルが何を話していようと気にする必要なんて無いのに)


名無しがデゼルと言い合いをしていたあの時。スレイもミクリオと海で遊びながら名無しがどうしているのか気になっていた。彼女が来てくれた理由が自分が原因なのは自覚していたスレイは一通り遊んでから名無しの所に行こうと思っていたのだ。が、いざ目を向ければ名無しの傍にはロゼとライラ、そして…デゼル。デゼルが名無しの腕を掴んでいて。その光景を見た途端、モヤモヤしたのだ。
また二人が言い合いをしているだけだ。良くある事じゃないか―――そう思い込んでも一度気になったものは気になって仕方が無いもの。デゼルは名無し本人に対しては厳しいが、普段は何かと気遣っているのをスレイは知っている。実際以前名無しが疲労を我慢していたのを真っ先に気づいたのはデゼルだったのだ。


(デゼルよりもっと前に名無しの事を知っててわかってると思ってたのに。オレはその気になってただけだ)

「…イさん…。スレイさん!」

「!」


悔しい―――と無意識に拳を作ると聞こえたのは名無しの声。何度も名無しはスレイの名前を呼んでいたのに気づいていなかった所、余程考え込んでいたらしい。慌てて謝ると心配そうに顔を見てくる名無し。先程まで目を逸らしたりしていたのに、突然じっと見られると何故か恥ずかしい。今度はスレイが目を逸らしてしまう。


「ごめんなさい、スレイさん。デゼルさんと話していたのは…」

「いいよ、もう」


名無しが話そうとするのを遮るスレイ。スレイが立ち上がるのと同時にかけていたパーカーが落ちる。砂が付くと思った名無しは直ぐに拾おうと伸ばした手は震えていた。
冷たく言われた時、肌が触れる程に傍にいるのに壁が出来た気がしてちゃんと言おうとすれば拒絶されて。名無しは怖かった。もしもスレイに嫌われたらどうすればいいのか。


「スレイさ…―――っ!?」


拾って立ち上がろうと足に力を込めた瞬間、冷たい水が少々足にかかった。何事かと目を見開くとスレイの笑い声。折角来たのだからやっぱり遊ばないかと誘うスレイ。ここなら滅多に人も来ないし問題ない。だからいいかも…なんて一瞬はいと返事をしそうになったが一歩踏みとどまり、名無しは断ろうとした。


「風邪を引くかもしれませんし、戻りま…きゃっ!?」

「ほら、早く!」

「…スレイさん!」


再び水をかけられてしまう。こうなってしまえばもう水に入ろうが同じだと諦めた名無しは立ち上がってスレイの後を追う。
とりあえず試しに一つスレイに向かって水をかけてみれば思った以上にかけてしまって咳をする彼に謝れば、仕返しをされてしまう名無し。しばらく水のかけあいが始まってからスレイは漸く名無しの姿を見て気づく。


「ごめん名無し!オレはともかく、名無しは服を着てたのに」

「大丈夫です。それに…わたくしはスレイさんとこうして遊ぶ事が出来て凄く嬉しいですから」


嘘偽りない穏やかな笑顔。慌てたり、照れたりと様々な表情をしていたが、今日初めて名無しの笑顔を見れたスレイは目を離せない。名無しとデゼルの仲にモヤモヤしていたのをかき消す様に別の感情が込み上げてくる。その"別の感情"というのが具体的に表せないのがもどかしいのだが、決して嫌な感情ではなく、寧ろ心が暖まる。


「名無しを誘って良かった。貴重な名無しの一面も見れた事だし」

「はしたない所は忘れて下さい…!」

「忘れない。大丈夫、皆には言わないから」

「や、約束ですよ?信じてますから」


不安がる名無しにスレイは小指を立てて前に出す。指切りだとわかった名無しは少し照れくさそうにしながらも同じく小指立てて絡める。ほんの少し触れているだけなのにドキドキして、お互いに相手に伝わっていないかが心配だった。
まさかこの後二人を見つけたエドナとミクリオが濡れている名無しの姿を見てエドナがスレイをからかい、ミクリオがスレイを怒るとは予想出来るはずもなく、ただ二人は見つめあい微笑んだ。

―――――

ゆん様からのリクエスト、夢であなたとの番外編でスレイと甘甘夢、でした!
テーマが海との指定と、スレイだけではなくデゼルとのケンカップルも見たいとの事でしたので詰め込んだ結果長い文に…。読みづらくて申し訳ございません。
管理人の勝手な妄想でデゼルはムッツリ設定になっているのですが、ゆん様がお気に召していただけたのなら幸いです。何ですかね、表情とか口には中々出さない。でも実は気にしてるタイプだと思うんですよね、デゼルは(あくまで管理人の妄想です)
スレイと夢主は…相変わらずのバカップルすぎてどうしようって感じでした。これで付き合っていません。もう一度申します、付き合っていません←
しかし夢主と遊びたいとはいえ、水をかけるとはスレイも結構強引。しかも夢主普通の服ですからね。まあ邪な考えは勿論スレイにはありませんとも!純粋に夢主と遊びたかっただけですのでね。

それではゆん様、企画にご参加ありがとうございました。
これからも『黒猫の鈴』を宜しく御願い致します!

※お持ち帰りはゆん様のみです。




 



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