「暑いな」
「うん…」
季節は夏。どれだけ薄着をしていても暑すぎて何もやる気が起きない。だからなのか今日は特に何もしないでアジトにいた。因みに今アジトにいるのは私とスヴェンさんだけ。
「トレインさんとイヴちゃん遅いね」
「そうだな。どうせトレインのやつが遊び呆けているんだろう」
二人はアイスを買いに行っている。何故あの二人になったかと言うと、ジャンケンであのペアになってしまったのだ。うーん…何か心配だな…。
「ただいま」
「あ、おかえりイヴちゃん!…あれ?トレインさんは…?」
「もう少しで帰ってくるよ。はいスヴェン」
「ああ。ありがとな、イヴ」
イヴちゃんがスヴェンさんにアイスを渡し、それを受け取った後ポンポンとイヴちゃんの頭を撫でるスヴェンさん。照れながらも嬉しそうにイヴちゃんは微笑む。トレインさん大丈夫かな…。
「―――だから、何で俺がお前に奢らないといけなかったんだよ!」
「―――イヴに奢らせるつもりか?貴様は子供か」
「…え、ユヅキさん…!?」
トレインさんが帰ってきた、と思ったら隣にはユヅキさんがいた。一口アイスを食べると私に気づいたのかお辞儀をするユヅキさん。
「買い物の途中でユヅキを見つけたんだ。それで一緒に」
「…で、何をもめているんだ」
「私がね、ユヅキの分も払おうと思ったんだけど…。ユヅキがトレインにさせればいいって言ってきて」
「それで俺が奢るハメになったんだよ」
「その事に対して騒いでいるんだ」
…あああ、やっぱり私がイヴちゃんと行けば良かった。そうしたらまだこんな事にはならなかったのに…。
「明さん、どうぞ受け取って下さい」
「う、うん。ありがとうユヅキさん」
戸惑いながらもユヅキさんから受け取ると、トレインさんが私を見ながら言ってきて。
「何でユヅキに…」
「え?」
「何でもねぇよ」
聞き返せば素っ気なく返されて何だか悲しい気持ちになった。するとイヴちゃんが私に耳打ちをしてきて。
[prev] [next]
[back]