やがて光が収まりゆっくりと目を開ける。するとユヅキさんの背中には白い翼があった。あの時と全く同じ翼だ。綺麗。


「これでわかったか?」

「ほ…本物なのか?」

「まだ疑うか。当たり前だろう」


これが証拠だというように翼を広げてその場で浮くユヅキさん。全員の驚いた表情を見た後やがて翼を消すと地面に足を付けた。


「これで明様が言った事は本当だと理解したか」

「…わーったよ。信じる」

「あ、ありがとうございます!トレインさん!」

「いや、ありがとうと言われてもな…」


頭を掻きながら居心地が悪そうに言うトレインさん。あ、そうか。疑っていたのにありがとうと言われたら反応に困ってるのかな。それでもいい。信じるって言葉が私にとっては嬉しいから。


「良かったですね、明様」

「はいっ!ありがとうございますユヅキさん!」


もしかしてユヅキさんは私一人だとこうなる可能性も考えて来てくれたのかもしれない。真相はわからないけど、ユヅキさんのおかげだからお礼を言えば、向こうも微笑んでくれた。
お互いに笑っているとトレインさんが何か気になったのか「てかよ」と私達に言う。


「何でこいつと俺達で態度が違うんだよ?」

「明様はシズク様の大切な人だからだ。当然貴様とは違うに決まっている」

「何で俺限定なんだよ!?」

「二人とも仲がいいんだね」

「「どこがだ!!」」


冗談か本気か、とにかくイヴちゃんが言ったことに対しツッコミを入れる二人。しかもそれが見事にハモっていて思わず笑ってしまった。だが二人はお互いに顔を見合わせて嫌そうな顔をした。


「…貴様のせいで明様に恥ずかしい所を見せてしまったではないか」

「はぁ?そんなの知るかよ。お前が俺と同じ事言ってきたんだろ」

「何だと?貴様が言ってきたのだろう!」


また言い合う二人。な、なんか意外にこの二人合ってるかも?喧嘩するほど仲がいいっていうし。とはいえ今にでも殴りそうな勢いな二人にハラハラもするけど。


「おいお前ら、仲良くなるのは構わないが、そろそろ話を…」

「「どこが仲良く見える」」

「…そういう所がだろ」


話を切り替えようとするスヴェンさんだが、これまたハモった二人のツッコミに呆れた様にツッコミを入れるスヴェンさん。本当にハモリ具合。そう感心していればユヅキさんは私を見ると落ち着かせる為かわざとらしく咳払いをする。


「…ごほん。で、何だスヴェン」

(いきなり呼び捨てか…。まあいいが)

「結局ユヅキは事実だとわからせるために来たのか?」

「それもあったが…もう一つある」

「もう一つ?」
 
 
 
 
 


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