(こいつが…ティアーユ…!マジで姫っち大人版だな…)


写真で見た時から思っていたが、親子と言われても仕方がない程に似ている。イヴちゃんとティアーユさんを交互に見ると余計に思う。…うーん、でもそれも驚いた事なんだけど、フライパンを持ってるって事は言ってた通り料理をしてるんだよね。にしてもこの臭い…手に持っているフライパンの中から放たれている気がするんだけど。


「まさか…イヴ…?あ、あなた…イヴ…なの?」


一歩ティアーユさんが足を出した瞬間、何もないはずなのに躓き倒れた。そしてフライパンの中にあった料理(?)がスヴェンさんの帽子に落ちた。


「うおーっぉ…。俺の帽子に…ヘドロがーっ!!」

「スヴェンさん!?」


何処かへ行ってしまったスヴェンさん。ティアーユさんが「ごめんなさい、私の玉子焼きが…」と謝ったが、あれが玉子焼き…?どう見てもそんな感じじゃなかったし、何より色が黄色じゃなくて黒かったし…。焦げていたのかな。


「ティアーユ博士。私達…あなたに助けて欲しい事があってここへ来たの」

「?」


イヴちゃんがティアーユさんにそう言って家の中へ入らせてもらう。スヴェンさんが戻ってきてから何故ここへ来たかをちゃんと話した。スヴェンさん…予備の帽子とかあったんだね。よっぽどその帽子が気に入ってるのかな。


「なるほど…。それで私の所に―…」

「ああ。ナノマシンの専門家であるあんたならトレインを元の姿に戻す方法がわかるんじゃねーかと思ってな」


腕を組みながら考えるティアーユさん。やがて口を開き、方法はあると言った。トレインさんの体内のナノマシンを"破壊する"プログラムを持つナノマシンを作ってワクチンとして注入すれば元に戻れると。


「でもその為には莫大な予算と最新の設備が必要になりますよ」

「莫大な予算?」

「どれくらいですか?」

「最低でも10億イェン以上は…」

「トレイン!残念だが元に戻るのは諦めよう!」

「ソッコーかよ!」


10億。私達はただでさえ借金なのにこれ以上も払えるわけないよね。…いや、と言うよりも多額にも程がある。借金があるとかないとかの問題ではないよね。でも断ればトレインさんを元に戻せない。どうしたらいいんだろう。


「…それならもう一つの方法しかありませんね」

「あるんですか!?」

「…ええ。これはRUCIFERがイヴの体内にあるナノマシンと"近いタイプ"だからこそ可能な手段ですが…」


脳からの電気信号の刺激によってRUCIFERを操作し…自らの力で変身能力を解除する、という方法らしい。


「自分で…?できるのかんなこと!?」

「可能なはずです。変身は魔法でもなくれっきとした物理現象なのですから」
 
 
 
 
 


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