Clap



    腕を伸ばしてボスの首に絡み付く

その指先は寂しさで凍えそうでもう、、春が訪れているのに融けない


「ねぇ、ぎゅってして」

「ガキか」

「いいじゃんー」


ふくれっ面でボスを見上げた


「.....っち」

「舌打ちしない」

「いてぇよ」


ぎゅむっとボスの頬をかるーーーく抓ると手首を捕まえられてあたしの手は簡単に

そう

あっけなく

ボスの頬から名残惜しさを溢れさせて離れた


「、ん」


捕まえられた手はどこに行くのかと視線を手首の方に向けると

ボスのおっきな手はあたしの腕から離れた


なんで?

離れるの?


なんて思っていたら

ぽすんとあたしの頭はボスのそれは逞しい胸板の中に納まったのだ



それはそれは



身が凍てつくほどの凍える夜が終わるような


じんわりと


身の底から


熱が染み渡るような




暖かさ




「あったかい」

「ああ」




"彼の口元には

春の訪れを知らせる笑み"




2011.4.18


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