一人にしないでくれ。大好きだ。





住む場所を変え続けていた。追手が迫っていると分かれば、すぐにその場を離れる。長く一つの場所に居続けたことなどなかった。
何度目かの住居に移って一月ほどした夜。イグニールは帰ってこないナツを探して町を駆けまわっていた。
焦燥感に襲われながら、必死で足を動かし視線を走らせる。迷子と考えていたイグニールの脳裏に最悪の事態が過った。事故の可能性もある。追手に捕らわれた可能性もある。考えれば余計に悪い方へと思考は傾くばかりだ。
更に不運が重なり雨まで降り始め、イグニールは髪をかき乱した。

「ナツ……無事でいてくれ」

不安で吐き気すらする。
イグニールは止まっていた足を再び動かした。重点に探していた家周辺から範囲を広げ初めて、すぐ、ふと思い当った場所に、イグニールは慌てて向かった。
一軒だけあった。ナツが興味を持っていた空き家。危険だから立ち入らぬ様にと言い聞かせていたが、好奇心旺盛なナツを止めるには難しかったのかもしれない。
雨が激しくなり、雷まで鳴り始めた頃、イグニールは目的地である空き家へとたどり着いた。他人の私有地と構う余裕もなく、イグニールは錆びた門を通って家の中へと入る。
外観同様に中も古びていた。長い年月、誰も足を踏み入れる事がなかったのだろう、荒れている。嫌に耳に響く、歩くたびに軋む床の音が、妙な雰囲気を作り出していた。まるで幽霊屋敷にでも迷い込んでしまったかのようだ。
イグニールは、雨に濡れて張り付く前髪をかきあげた。部屋を見つけてはナツの姿を探す事を繰り返して数度、一番奥の部屋に足を踏み入れた。
この場所以外に探すあてはないのだ、見つからなければ一度家に戻るのも方法だろう。家に帰っている可能性もある。
頭を働かせながらも、部屋の中を探っていたイグニールの表情は、すぐに安堵のため息と共に緩むことになった。
部屋に設置されていたクローゼットに、隠れるようにナツが丸まっていたのだ。穏やかに寝息をたてるその頬は濡れており、泣いていたのだと教えている。

「遅くなってごめんな」

イグニールは濡れた頬を撫でた。
その後目が覚めたナツは、ぼろぼろと涙を零しながらイグニールにしがみ付いた。
一人で遊びに出かけたはいいが迷子になってしまい、途中で雨も降ってきて、見つけた空き家で雨宿りをしている中、眠ってしまったのだと。
何度も謝罪の言葉を口にするナツに、イグニールが怒る事はなかった。ただ、掠れた声で短く呟く。

「ナツ、父ちゃんを一人にしないでくれ」

その目は悲しげに細められていた。










ナツの脳裏にマカロフの言葉がよみがえる。

『今、イグニール達は常に見張られている。その内意思さえも支配されるようになるじゃろう。いや、すでにもう、手遅れかもしれん』

目の前には変わり果てたイグニールの姿。ナツは瞳を揺らせながら、声をもらした。

「ハッピー……俺、どうしたらいいんだ」

決意していたはずだった。だから、イグニールがいるこの場所に来たし、戦うための力を受け入れて訓練を受けた。それでも、思っていたよりも現実は厳しい。

「ナツ!」

ハッピーの声と共に、ナツの身体は一気に浮上した。我に返ったナツの身体は背にいるハッピーに掴まれていた。その真下には、イグニールの姿。

「父ちゃん……」

イグニールの虚ろな目と合い、ナツは顔を歪めた。焦がれていた父親の変わり果てた姿を拒絶するように目を固く閉じる。

『長く続いた悪夢のような時を、私達が終わらせなければならない』

ミストガン。

『ちゃんと帰ってこいよ。お前の家はここなんだからな、忘れんなよ』

グレイ。

『きっと、お父さんを救ってください』

ウェンディ。

背を押すように蘇える声は、ゆっくりとだが、現実を受け入れる為にナツの瞳を開かせた。
痛い程の緊迫した空気で粟立つ肌を、仲間の名を内心で唱えることで落ち付かせ、口を開く。

「ハッピー」

呼ばれたハッピーは、無言で気づかう空気をナツへと向ける。ナツは口端を吊り上げた。

「やるぞ!父ちゃんを助けるって決めたんだからな!」

「あ、あいさ!」

ハッピーが真下へと急降下する。イグニールへと迫り、ナツは空中で体を一回転させると勢いのまま足をイグニールへと撃ちつけた。

「火竜の鉤爪!」

イグニールの頭上を狙っていた、炎を纏った足は、手でふさがれ直撃することはなかった。距離を取ろうとしたが、足を掴んでいるイグニールの手から逃れることができない。

「くそっ、火竜のほうこ――」

距離が取れないのなら、身動きできずとも、至近距離で効果的な攻撃を出すほかはない。だが、ナツが攻撃を出すよりもイグニールの方が早かった。
イグニールの腕が大きく振られ、ナツの身体は投げ飛ばされた。すぐにハッピーが宙で動きを止めたが、ナツの全身は迫ってきていた炎に飲み込まれてしまう。
火竜のドラゴンスレイヤーの特徴は、火では痛手を受けない事だ。炎を取り込むことで攻撃の威力が上げる上に体力の回復になる。
咄嗟に腕で攻撃をしのいでいたナツは、慌てて炎を吸い込んだ。

「……な、なんだ、これ」

炎を全て吸収したナツは顔をしかめた。

「大丈夫?ナツ」

ハッピーはナツの身体に隠されていて、翼に微かに痛手が見られるが、たいした事はない。
ハッピーの問いに、ナツは戸惑いながら口を開いた。

「父ちゃんの火、全然味がしねぇ」

「味とかあるの?」

「訓練の時に色々試したんだよ。ミストガンの火は甘かったけど、ラクサスが雷で起こした火はちょっとピリピリした。父ちゃんの火は、マッチとかの火みてぇだ。何もねぇ、空っぽみてぇなんだ。いあ、それより――ぜんぜん、食った気もしねぇ」

訝しんでいたナツの表情は、辛そうに歪む。

「それじゃ、回復できないの?」

ナツは歯ぎしりするだけで問いには答えない。
隙を与える様子もなく迫ってくるイグニールに、ハッピーがナツの名を呼ぼうとするが、ナツが動いたことでそれは叶わなかった。
ナツは大きく空気を吸い込むと、イグニールに向けて炎を吐き出した。

「火竜の咆哮!」

ナツの放った炎が外出していたのは一瞬で、すぐにイグニールの体内へととりこまれてしまった。ドラゴンスレイヤーでもできた事が、七竜門にできないはずがない。炎を取り込んだイグニールは、更に重い威圧感をナツへと放ってきた。
呆気にとられるナツとハッピーに、イグニールが一気に距離をつめた。瞬きの間でナツの視界を埋め尽くしたのは靡く赤い髪。認識した直後に感じたのは腹部の痛みと、嘔吐感。ナツの腹にイグニールの拳が打ちつけられていた。
攻撃の反動で、ナツの身体はハッピーごと壁に向かって吹っ飛ばされる。背にいたハッピーを庇って体を反転させたナツは、防ぐ暇もなく迫っていた壁に直撃してしまった。
うめき声を上げてナツの身体から力が抜ける。だらりとしたナツを、ハッピーはゆっくりと床に下ろした。

「ナツ、オイラのせいで、ごめんね……」

「このぐらい、何ともねぇよ」

涙でぬれた声に、安堵させようとナツは笑みを浮かべながらハッピーの頭を撫でた。視線をずらせば、イグニールと目が合い、手が震える。

「ナツ」

「強ぇよな、やっぱ」

圧倒的すぎる。付け焼刃程度の特訓では、竜の力を持って生まれた七竜門に対抗するには浅はか過ぎたのだ。どう前向きに考えようとしても、力の差がありすぎた。
動こうとしても、足に力が入らない。武者震いと強がる余裕も消え失せていた。
身動きしないナツに、イグニールは地を蹴ってナツへと一気に距離を縮めた。攻撃を予想し目を閉じたナツだったが、予想した痛手の変わりに轟音が響き渡った。弾かれる様に目を開いたナツは、音の発生源である天を見上げる。
視界に入ったのは崩れてくる天井と、共に落ちてくるミストガンの姿。

「眠れ!五重魔方陣・御神楽!」

ミストガンは手にしていた一本の杖先をイグニールへと向けた。声と同時に、天から五つの魔法陣が重なる様に現れ、その中心から発せられた光線が、イグニールへと向かって放たれる。
衝撃音がし、周囲を土煙が舞う中、ミストガンはナツの側へと着地した。

「平気か、ナツ」

「ミストガン……」

ナツの弱々しい瞳からは戦意が感じられず、ミストガンは察して眉を寄せた。元より、七竜門の力が強大だと分かっている上で挑んでいたのだ、今の状況は、ミストガンには想定内だった。

「遅くなって、すまない」

「ミストガンがいれば平気だよね!今の技も凄かったし!」

表情を輝かせたのはハッピーだ。しかし、ミストガンは首を横へ振るって、ハッピーの言葉を否定した。

「私の力は七竜門に及ばないと話しただろう。止められるのはドラゴンスレイヤーだけだ」

視線を促すように、次第に晴れていく視界の場所へと顔ごと視線を向けた。視線の先には、全く痛手を受けていないイグニールの姿がある。
ナツは俯くと、拳を握りしめた。

「でも、全然敵わねぇんだ、俺じゃ……父ちゃんの火も食えねぇし」

正確には、体内に取り込んでもドラゴンスレイヤーの特性を発揮できなかったのだ。
ナツが見つめるのは天井の破片が散らばる床。ミストガンは床への視線を遮る様にナツの顔と床の間に手を差し入れた。反射的に首を引いたナツに、ミストガンはナツに向けた手のひらに炎を宿した。

「ナツ、これを使え」

「火?」

間近で揺れる炎にナツの視線はようやく上がった。ミストガンを見つめる瞳は困惑を宿している。それも仕方がないだろう、ミストガンが差しだす炎は、通常では見られないものだ。

「金色だ」

ハッピーが呟いた通り、炎の色は金だった。

「咎の炎。もう一人の私が負った罪だ」

「それって、クローゼットってやつか」

「クローンだよ、ナツ」

正しくは、ミストガンの方がクローンなのだが、今は細かいところまで訂正する者はいない。

「これを与えると言う事は、お前にも罪を背負わせることになる。だが、今はこれ以外に方法は――」

ミストガンが言い切る前に、ナツは炎を一気に体内へ取り込んだ。
言葉もなく状況を見守ることになった二対の視線を感じながら、ナツはゆっくりと立ち上がる。湯気のように微かな淡い炎がナツの全身を包み、重力が増すように、足が床にめり込んでいた。
弾くとも割れるとも言えるような軽い音が響く中、その発生源をハッピーが目ざとく見つけた。

「竜みたいだ」

滑らかだったナツの肌は、内側から鱗のように模様が浮き、瞳は、瞳孔が円形から爬虫類のように垂直に形を変えた。

「ドラゴンフォース。ドラゴンスレイヤーの最終形態だ」

七竜門は生まれ持って罪を背負っている。竜殺しという罪。罪は呪いとして、竜から力を与えられている。

「すまない、ナツ。お前に私達の罪など背負わせたくはなかった」

「ありがとな」

見開くミストガンの目に、己の足で立ちながらイグニールを見据えるナツが映る。ちらりと一度だけミストガンを横目で見やったナツは口端を吊り上げた。

「ありがと」

二度目の礼を言い終えたと同時に床を蹴ったナツは、イグニールへと向かう。先ほどまでの圧倒的な力の差など感じられない。一瞬でイグニールの元へと到達したナツが打ちつけた拳は、イグニールの顔面を狙う。咄嗟に防いだ手ごと、ナツはイグニールを殴りとばした。

「火竜の咆哮!」

体勢を崩したイグニールに、今までとは比較にならない威力の炎が襲う。炎は意思を持っているように巻き付く。
纏わりつく炎から逃れるように、イグニールは破壊された天井から上方へと飛びあがった。

「ハッピー!」

「あい!」

ナツに呼ばれた意味を察したハッピーは、ナツの背を掴んでイグニールへと追う。何段もの空間をおいて現れる天井。ミストガンが破壊したおかげで地上まで遮るものはないだろうが、明かりはなく闇そのものだった。
出口のないトンネルに迷い込んだようで気味が悪いが、今のナツには気にしている余裕はない。常人離れした視覚は先を行くイグニールだけを捕らえている。

「ハッピー、マックススピードだ」

頷いたハッピーが速度を上げる。一気に上がる速度ですぐにイグニールの背に近づいた。

「今だ!手ぇ離せ、ハッピー!」

イグニールを追い越した瞬間ナツが叫び、ハッピーは慌ててナツを掴んでいた手を離した。

「滅竜奥義・不知火型」

ナツの全身から噴き出る金色の炎。限りなく放出し続ける炎を、ナツは凝縮するように一瞬で全身に止める。宙で体を回転させて天井を強く蹴りあげた。

「紅蓮鳳凰剣!」

イグニールへと勢いをつけて迫るナツの発する炎が、空気抵抗で流れ、その形は技名の如く剣のように見える。そして、炎の剣は竜に狙いを定めていた。
ドラゴンフォースの力は七竜門と渡り合えるほどに強大で、まるでナツの体を支配している。戦っている相手が父親であると言う事実をあやふやにしてしまう程に。ほとんど、本能だった。
しかし、決着をつけるはずだったナツの勢いは、イグニールと目があったことで落ちてしまう。頭から突っ込む形だったナツは、触れる寸前のところで攻撃を止め、戦意同様に炎も消した。
赤い瞳に映る己を見つけたナツの顔が歪み、戦慄く唇が堪えるように引き結ぶ。

『お前は俺の大事な息子だ、心から愛している……ナツ』

震えた声で、愛していると言ってくれた。痛いぐらいに強く抱きしめてくれた。マフラーを巻いてくれた。約束の指切りをしてくれた。額に、頬に口づけをくれた。最後に見た後ろ姿は、目に焼き付いている。最後に贈ってくれた言葉は、いつだって支えてくれていた。
あの日の、別れの時のことを、鮮明に覚えている。

「父ちゃ……っ!」

翼を持たないナツの身体が重力に従って落ち始める。だが、ナツの身体はすぐに止まった。隙を、イグニールが逃すわけもなかったのだ。
骨が軋む音と、衝撃で揺れたナツの体。

「ナツ!」

ハッピーの悲痛な声が響き渡る。
ナツの腹に、イグニールの手が突き刺さっていた。炎を纏った手は、ナツの皮膚だけではなく内臓をも焼いていく。
ナツの口は、声なき悲鳴をあげる。意識を奪われそうになりながら、ナツはイグニールの腕を掴んだ。
何の目的で生み出されたとか、そんな事は関係ない。幼い頃に共に過ごした日々は、かけがえのない大切な時間。
イグニールの腕に水滴が落ちる。透明と赤の水滴は、ナツの瞳と口端から流れ出たもので、ナツはぼやける視界でイグニールを見上げた。
記憶と違って感情のない瞳。柔らかい声を発しない閉ざされた口。それでも、イグニールなのだ。ナツにとっては、ただ一人、焦がれてやまない父親。
手は深い痛手のせいで震え、力も思うようには入らない。それでも、ナツは縋る様にイグニールの腕を掴む手に力を込める。

「とうちゃん……だい好きだ」

出来る事なら、もう一度名前を呼んでもらいたかった。
ナツの手がこぼれ落ちた。力なく地に向かって垂れ、意識を保っているのも呼吸さえもやっとの状態。顔を上げている体力さえない状態で、俯いてしまったナツには見えなかった、開くことなどなかったイグニールの口が薄く開いたのが。

ナツ。

イグニールの唇が声もなく名を刻む。その直後、イグニールは雄叫びを上げながら全身を炎で包んだ。攻撃する時とは違い、己自身の身を滅ぼさんとする勢い。
イグニールの力は衝撃を生み、まるで遠ざけるようにナツの身体を吹き飛ばせた。

「ナツ、しっかりして!」

ハッピーの声をどこか遠くで聞きながら、ナツは吹っ飛ぶ体を抵抗する力もなくイグニールを見やる。距離が広がり小さくなっていくイグニール、意思に反して視界は狭まり、ナツは意識を手放した。
最後に見たのは、炎の中にいる父親と、凄まじい炎の熱で崩れていく天井と壁。最後に聞こえたのは、イグニールの叫びとハッピーの声。

「とうちゃ……」

崩れるような轟音。これは実際に壊れる音なのか、それとも、己の中で大切なものが壊れていく瞬間なのか。意識が朧なナツには判断すら出来なかった。










ナツ達が攻め込んだ廃屋のホテルが、地響きをたてる。中で戦闘を続けていたウェンディ達はすぐに異変を察した。

「何か変です!」

動きを止めたくとも、襲いかかってくる敵は休む事ない。ラクサスは応戦しながら周囲に視線を走らせる。

「まずいな」

地響きは止まらず、天井や壁にはひびが入る。敵は意識さえ支配されているのだろう、状況さえ理解していないから戦い続けているにすぎない。所詮は、使い捨てという事だろう。
ガジルも危険を察知しており複数の敵を一気に倒して、周囲に視線を走らせた。天井に視線を向けると、慌てて近くにいたウェンディに手を伸ばし、己の方へと引き寄せる。
体をよろけさせたウェンディはガジルに寄りかかりながら、すぐ隣の轟音に短い悲鳴を上げた。天井が崩れ始め、先ほどまでウェンディがいた場所に落下したのだ。ガジルが気付かなければ、間違いなくウェンディに直撃していただろう。

「あ、ありがとうございます、ガジルさん」

ガジルはウェンディの頭をぐしゃりと撫でてラクサスへと振り返る。

「この建物崩れんじゃねぇのか」

「ああ……撤退だ」

ラクサスは電撃を発して全敵の身動きを封じると、出口へと振り返った。天井だけではなく壁も割れ始め、完全に建物は崩壊を始めている。早急に脱出するのが正しい判断だ。
だが、納得していないものが一人だけいた。

「待ってください!まだナツさんが――」

一人だけ動こうとしないのはウェンディで、ガジルは強引にウェンディを肩に担ぎ、出口へと走りはじめた。

「ガジルさん!ミストガンさんとハッピーもまだ中にいるんですよ!」

ナツが向かった方へと視線を向ける。だが、その扉は、落ちてきた瓦礫で隠されてしまった。

「ナツさん!ナツさん!」

ガジルから抜けだろうと暴れるが、力で敵うはずもなく、建物から脱出することになってしまった。
そして、ラクサス達が脱出してすぐ、建物は一気に崩れて行く。まるで、この時を待ち構えていたとばかりに、建物は形を失ってしまった。
土埃が舞う中、ウェンディは呆然と光景を眺める。地響きはしばらく続き、誰一人身動きが取れなかった。




2012,04,24

前回でイグニールに翼なんて生えさせのを後悔して放置してました。ドラゴン化を避けただけでも偉いわな(当初の予定でした)と思いなおして自分を励ました。がんばった!無意味に!

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「見えない臓器の名前は」
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