新チーム結成





ラクサスの体が元に戻らないまま新年会の一騒動から後日、妖精の尻尾に一つの依頼が舞い込んできた。
それは、ナツを指名してのものだった。

「指名なんて出来るんですか?」

「ええ。指名料を別に貰うけどね」

カウンターに寄りかかりながらミラジェーンが応える。指名料などと言うと、まるでホストみたいで聞こえがよくない。

「それで、どんな仕事なんですか?」

仕事先では必ずといって物を破壊するナツ。そんなナツにわざわざ指名してまでの依頼する仕事とは、どんなものか。これが相当重要な仕事でS級魔導士を指名していると言うのなら分かるのだが。
ミラジェーンが依頼書をカウンターへと置いた。

「はい、これ。警護ね」

「”ジェレネール財閥令嬢の護衛”……えええ!?これ、ドッキリとかじゃ」

「私も驚いたけど、ちゃんとした依頼よ」

ジェレネール財閥。解散する前のハートフィリア財閥と同等の権力を持っている国有数の資産家の一つ。ハートフィリア鉄道を買収したのもジェレネール家であり、その御曹司と婚姻予定まであったルーシィには少なからずとも因縁がある。

「これ、大丈夫なんですか?何かあったりしたら妖精の尻尾が大変なんじゃ……」

自分の父親がギルドにした仕打ち。実際に手を出したわけではないにしろ企てた主犯と言っていいだろう。そう思うと、資産家にはあまりいい印象がない。ナツが何かしでかしたらそれが全て妖精の尻尾に来るのではないか。
不安げに視線を落とすルーシィにミラジェーンは小さく笑みを作った。

「理由は分からないけど、きっと大丈夫よ。ナツを指名したのは、そのお嬢様なの」

ルーシィは瞬きを繰り返した。
ナツとその令嬢がどう関係しているのか。自分は家出の身だったが、元より令嬢とは拘束された存在だ。外になど自由に出られるわけがない。そんな令嬢とナツが顔見知りなわけもないだろう。一体どうなっているのか。
当のナツへと視線を向ければ、まだ依頼の事を知らずに専用の炎メニューを頬張っていた。その前にラクサスとグレイが同席している。

「そんなもん、よく食えるな」

炎を食べる姿は確かに異様だ。
ラクサスの言葉に、ナツは頬一杯にパスタを詰め込みながらラクサスへと皿をずらす。

「ひぅふぁ?」

食うか?
咀嚼中だった食べ物がテーブルに容赦なく跳んだ。炎で出来ているそれは木製のテーブルに、いくつか焦げ跡をつくる。

「汚ぇ。飲み込んでから喋れよ」

ラクサスの言葉に頷いて咀嚼するナツ。

「大体、そんなもん食えんのはお前ぐらいだ」

食べたくもないが、口にしたら最後火傷どころでは済まないだろう。
行儀悪くがっつくナツを眺めていると、ラクサスの隣から冷気が漂ってきた。

「安心して食え。俺が凍らせてやるからよ」

ラクサスの隣に座っていたグレイが冷気を発する手を出していた。
もちろん凍らせるのは食べ物ではなくラクサスの事だろう。明らかな威嚇行為だった。
ラクサスは視線だけを向けたが、すぐにナツへと戻す。

「くだんね」

興味がないどころか視界にさえ入れたくないようだ。
溜め息交じりに呟くラクサスに、グレイは口元を引きつかせて立ち上がった。

「上等だコラ!」

「うるせ。静かに出来ねぇのか?」

煩わしそうなラクサスの胸倉をグレイの手が掴み上げた。それにいち早く反応したのは食事中のナツだ。

「お、やんのか!俺も混ぜろ!」

「「てめぇは食ってろ」」

争いに加わろうと立ち上がるナツに、グレイとラクサスの声が揃ってナツへと浴びせられる。
不満そうに椅子に座るナツを目の前に、グレイとラクサスは忌々しそうに顔をゆがめた。

「真似すんじゃねぇ。雷野郎」

「突っかかんじゃねぇよ。変態」

気がついたように、グレイはラクサスの胸倉から手を離した。いつの間にか上半身裸だったのだ。
慌てながら脱いだ服を探し始めるグレイ。
ラクサスは座りなおして、マジックポッドの電源を入れたが、すぐに切ってしまった。目の前のナツが話しかけてきたからだ。いつの間にか食べ終えていた。

「なぁ、ラクサスも俺たちのチームに入るか?」

「チーム?」

「ああ。俺とグレイとエルザとルーシィとハッピー!五人でチーム組んでんだ!」

正しくは四人と一匹だろう。グレイの名前が出た瞬間ラクサスの繭がヒクリと動いた。
グレイは、ナツと喧嘩をする事は多いが、それはじゃれ合いともとれる。しかし、ラクサスとの場合はまた違った雰囲気で、好敵手と言うよりも目の敵にしているようだ。
にっと笑うナツに、ラクサスは口を閉ざした。
ラクサス自身グレイは気に食わない。グレイとナツが共にいると思えば何だか妙に腹立たしくも感じてしまう。しかしラクサスが入ればチームは六人。大所帯になるし、大勢での行動はラクサスの性格からしても不向きだ。

「それがいいだろう」

ラクサスが断る前に、エルザがテーブルの前に立っていた。
ナツへと一度頷いてエルザはラクサスへと視線を向ける。

「マスターともちょうど話しをしていたところだ。いつ元に戻るのかも分からない今、ラクサスを一人で行動させるのは避けた方がいい。急な変化が起きても対応できるように、私たちのチームに入れ。これはマスターからの命でもあるんだ、聞き入れろ」

有無を言わさないエルザの瞳。
今まで年下だったのに、いきなり上からの物言いだ。元からエルザの口調は変わらないが妙な感じがする。
ラクサスは不本意さを感じながらも、頷いた。

「よし。早速だが仕事だ」

エルザが依頼書をテーブルへと置いた。先ほどミラジェーンとルーシィが見ていたナツ指名の依頼だ。
依頼書に視線を落とすナツとラクサス。ナツが首をかしげた。

「俺に指名?」

「ああ。このジェレネールの令嬢自身が自らナツを指名したらしい。知り合いか?」

ナツは腕を組んで唸り始める。しかしいくら記憶を引っ張り出そうにも、見当がつかない。

「知らねぇ。つか誰だよ、ジェロなんとか?」

「ジェレネール財閥だ。令嬢の名はフィル・ジェレネール。やはり知らないのか」

「フィル……ダメだ、分かんねぇ!」

お手上げ状態のナツに、ラクサスは依頼書を指で叩いた。

「指名だからって、知り合いとは限らねぇだろ」

火竜として国中に名が知れ渡っているナツだ、誰が知っていてもおかしくはない。広まり方にも問題はあるのだが。

「会えば分かる」

ラクサスの言葉は尤もだろう。分からない事を考えても時間の無駄だ。
だよな、と笑うナツとラクサスに、エルザは安心したように笑みを浮かべた。
ラクサスの姿が後退して数日、心配する者も多かったが年齢が近いナツとは仲良く出来ている。

「ルーシィには伝えてある、各自準備をして明日の朝ギルド前に集合だ。……分かったか?グレイ」

エルザの視線がラクサスより更に奥へと向けられる。そこには不機嫌そうに顔をしかめるグレイの姿。服は見つかったようで、きちんと身に付けている。

「何か不満がありそうだな。言ってみろ」

グレイは舌打ちをして背を向けた。

「別にねぇよ。明日の朝な、了解」

グレイは振り返る事なくギルドを出て行ってしまった。

「何だ?あいつ」

「虫の居所が悪かったんだろう。仕方のないヤツだ」

ナツが首をかしげ、エルザが溜め息をつく。
二人は分かっていないようだが、ラクサスにはグレイの不機嫌の理由は察しがついていた。自分がチームにはいった事だろう。

「それよりも、今日はよく身体を休めとけ。少し長い仕事になりそうだからな」

依頼内容は、御曹司生誕パーティ時の令嬢の警護。
期間云々よりも肩がこりそうだ。令嬢に加え、パーティ時の屋敷の警護も兼ねるようだ。数人要するようで、つまり今回チームの人数が増えたのはちょうどよかったのかもしれない。
ナツはマスターの元へと向かうエルザを見送って、ラクサスへと視線を向けた。

「よろしくな。ラクサス」

こうして最強チームが新たに発足された。今回の依頼は、新たな出発となるだろう。各々の思いが交錯する中、翌日仕事の日を迎えた。

ハートフィリア低があった場所とはギルドに対して正反対の場所だった。距離にしても列車を使って数時間といったところ。もちろん、乗り物に弱いナツは屍のように大人しくなっていて、この状態のナツを初めてみたラクサスは呆れざるをえなかった。

「ナツ、着いたよ」

ハッピーに引きずり下ろされると、地の上にいる事だけでも楽になったようで、ゆっくりと立ち上がった。
ラクサス以外は慣れているので、先を歩いている。

「いくらなんでも酷すぎねぇか」

乗り物酔いの事を言っているのだ。
ラクサスがナツを呆れたような瞳で見下ろす。ナツの顔はいまだに青ざめていた。

「し、仕方ねぇだろ」

深呼吸をして持ち直したように見えたが、背後の汽笛の音でナツは口に手を当てて短く唸った。
降りたばかりだからか、音だけでも身体が反応したようだ。このままではらちが明かない。
溜息をついて、ラクサスはナツの腕を己の肩に回し、ナツを支えながら先を行くエルザ達を追った。

「毎度のことだけど辛そうね」

駅の外で待っていたエルザ達に追いつくと、ルーシィがナツの顔を覗き込んだ。顔色もだいぶ良くなっている。
ナツは、ラクサスの肩に回していた腕を解いた。

「ありがとな。ラクサス」

「少しは慣れろよ」

「いあ、無理だって」

簡単に慣れる事が出来るのなら苦労はない。

「毎度毎度情けねぇな」

ナツとラクサスの間に割って入るように、グレイの声が落ちた。不機嫌そうなその声にナツはすぐに反応してグレイに詰め寄った。額を突き合わせて睨みあう。

「てめぇに言われたくねぇんだよ。服着ろ、変態」

「やんのか、クソ炎」

列車から降りた時は着ていたはずが、上半身裸の状態。これも毎度のことだ。
グレイは気にした様子もなく、目の前のつり目を見つめて口元を笑みで歪めた。
グレイの姿に、ラクサスは溜息をつくと小さく声をもらした。

「ガキ」

「てめ、今俺に言ったのか?!」

「他に誰がいんだよ」

グレイの行動は、ナツの注意を自分へと向けたい。まさに嫉妬から来る行動で、子供としか言いようがない。
グレイがラクサスに掴みかかろうとしたところで、鈍い音が響いた。エルザが換装した剣で地を突き刺したのだ。
びくりと肩を震わせたのは、エルザに恐怖を刻みこまれているグレイとナツだった。

「じゃれるな」

低い声にナツとグレイは姿勢を正した。
ようやく大人しくなり、エルザは剣を換装で異空間へ転送した。ナツとグレイから安堵の息が漏れる。

「駅に着いたこの時点で、すでに私たちは依頼主の私有地の中にいる事になっている」

ハートフィリア邸の時も、街の様な広さの庭は山の先まで続いていた。そう考えると、驚く事でもない。ジェレネール邸も同等だ。

「すごい人からの依頼なんだね」

ハッピーの言葉に誰しも頷く。そんな権力者がナツを指名したのだから、驚きは隠せない。
依頼内容を確認しながら、屋敷へと足を進めていく。建物は少ないが広い街と変わりない。私有地だと知らなければ、街と勘違いしてしまう所だ。
暫く歩いて門へとたどり着いた。門から両端は塀が長く続いていて、どこで途切れているのか分からない。

「魔導士ギルドの方ですか?」

広さに圧倒されて気づくのに遅れた。箒を手にした使用人の年配の女性が、門の内側からナツ達をうかがっている。

「はい。妖精の尻尾の者です。すでに依頼受理の連絡がいっていると思います」

エルザが告げると使用人は慌てて屋敷へと走っていった。まるで逃げるようなその行動に、ナツ達の視線はいっせいにエルザへと向けられる。
もしかして、エルザの隠しきれない凄みが使用人を怯ませたのだろうか。
仲間の視線に反論しようとしていたエルザだったが、すぐにその必要はなくなった。門が開き始めたのだ。

「お嬢様!こちらです!」

先ほどの使用人が戻ってきた。一緒に走ってきたのは、ドレスに身を包んでいる少女だ。
長い金髪を風に揺らせて屋敷から走って来る。ドレスの裾を翻すその姿は、上品な身なりとはあまりにも似つかわしくない。

「ナツ様ーッ!!」

「あ?……おぶ!」

少女はナツに向かって抱きついた。
表現としては飛びついたという方が正しい。少女の回した腕はナツの首に見事入って、ナツはうめき声を上げながら、少女ともども吹っ飛んだ。
一瞬の出来事でエルザ達は反応しきれていない。使用人は浮かぶ涙をエプロンで拭っていた。

「よかったですね。お嬢様ぁ」

使用人の涙声に、ようやく反応する事が出来た。

「うっそ!お嬢様!?」

「ナツが吹っ飛ばされたんだよ!?」

「元気のいいお嬢様だな」

ルーシィとハッピー、エルザがナツに飛びついた少女が令嬢だという事に驚いている中、グレイとラクサスは令嬢に押し倒されたままのナツを見下ろした。
あれは放置でいいのか。

「いててて……いきなり何すんだー!!」

ナツが勢いよく起きあがれば、上に乗っかっていた令嬢は地に尻もちをついた。
目を吊り上げるナツを令嬢はうっとりと見上げる。

「お久しぶりです。ナツ様」

両手を組んで見上げる姿は、まるで恋する乙女の様だ。色恋沙汰に疎いナツは気づいていないようで、令嬢を訝しげに見下ろした。
令嬢自信はナツと顔見知りの様だが、ナツは記憶にない。それと仕事の件も含めて話を聞く事になった。

ナツ達は、屋敷内に招かれて、ソファに腰を下ろす。

「先ほどは失礼しました。私は、フィル・ジェレネール。今回はお父様を通して依頼をさせていただきました」

ちらちらとナツを見つめる令嬢フィル。
ルーシィの脳裏にジュビアの姿が過った。嫌な予感がする。

「つーか、俺お前の事知らねぇんだけど」

「直球!あんた、もう少し考えてしゃべりなさいよ!」

ナツの直球な言葉に、ルーシィは反射的に立ち上がって突っ込んだ。ルーシィの姿にフィルは口元を歪める。

「あまり、大きな声を出さないでください」

「ご、ごめんなさい」

フィルに睨まれてルーシィは座りなおした。

「ナツ様が覚えてらっしゃらないのも仕方がありません。お会いしたのは、ただの一度だけでしたから」

胸に手を当てて懐かしそうに目を細める。大事な思い出を開く様に、フィルはゆっくりと口を開いた――――

三年前。
春に入り、桜が咲き誇っていた。そんな夜、フィル舞踏会へと出かける事になった。
滅多に外へと出る事はなくても社交界に準ずる場へは赴く。この時も、馬車で会場へと向かっていた。

『今日、お兄様は?』

『例の財閥の御令嬢とお会いになると仰っていました』

フィルの問いに運転手が答える。
その答えに不満そうに顔を歪めるフィルを横目に、幼い頃から世話をしてきた運転手は苦笑した。

『サワルー様も後からお出でになりますよ』

『そうかしら。お兄様は夢中だもの。その方、名前は何といったかしら』

『確か、ルー……!?』

馬車が激しく揺れる。その反動でフィルは腰かけていた座席から尻が滑り、床に打ちつけた。
フィルは痛みに顔を歪めながら、運転手へと顔を向ける。

『どうしたの?』

『来てはいけません、フィル様』

慌てたような声に、フィルは何かあったのだと察した。
外の様子を確かめようと、カーテンを避けて窓から覗いたフィルは、すぐに窓から顔を引っ込めてその場に座り込んだ。窓の外には強面が数人。

『うそ、あれって……盗賊』

恐怖で心臓が煩く鳴る。実際に遭遇した事はないし、もちろん危険だという事しか知らない。金品を狙っているのだろう。
馬車の隅で震えて小さくなるフィル。運転手の事も心配だけれど、身体は動かない。聞こえてくる争うような声から逃れるように耳をふさいだ。

『誰か、助けて』

馬車の扉が開かれた。顔を引きつらせながら顔を上げれば見たこともない強面。
古傷のある顔がフィルを見て卑下した笑みを浮かべた。盗賊の手がフィルの腕を掴んで馬車から引きずり下ろす。

『いや、放して!』

『まだガキだが、中々の上玉じゃねぇか』

ごつい手が幼い顎を掴み、品定めするように見る。
フィルは、盗賊の舐める様な視線に顔を青ざめさせた。この後己の身がどうなるか考えるのもおぞましい。

『ぶ、無礼よ。放しなさ、い』

言葉とは逆に、身体は震え涙が零れる。
その態度に盗賊達は声をたてて笑う。耳を犯す笑声に、フィルは瞳を強く閉じた。それをかき消すように風を切る音が響いた。
羽ばたくような音に瞳を開けば、目に入ったのは、桜色と白。

『お前ら、隣町で荒らしてた山賊だな!』

夜空に浮かぶ桜色が風に揺れる。周囲に咲き誇る桜に混じった髪。その少年の背中には白い翼。
まるで物語で出てくるような姿に、フィルは思わず呟いた。

『……天使』

涙など止まってしまった。地上に降りた少年の背中からは翼が消え、代わりに猫が現れた。

『俺は妖精の尻尾の魔導士だ。お前ら全員ぶっつぶす!』

『捕獲だよ』

少年の言葉に猫が静かに突っ込んだ。
その後は流れるようだった。盗賊たちは少年にあっという間に倒されてしまったのだ。唖然とその場に座り込んでいたフィルに、少年が近づいてきた。

『お前、大丈夫か?』

『は、はい、私は……!』

フィルは慌てて立ち上がり運転席へと走った。忘れていたが、先ほどから運転手の存在が確認できていない。
すぐに見つかった、運転席の近くで血を流して倒れている。怯みながらも近寄れば、運転手は小さくうめき声を上げた。

『だ、大丈夫!?ねぇ、しっかりして!』

何度も呼びかけるフィルに運転手はうっすらと目を開いた。

『フィル、さま』

見た目ほどに傷は酷くはないのだろう。安堵に涙を流すフィルに、運転手もフィルの無事に頬を緩ませた。
気付いた時には、盗賊と少年は姿を消していた。まるで、全てが夢だったのではないか。そう思えてしまうほどに、何も残らなかった。

『……妖精の尻尾』

ずっと心に残り続けた。己を救ってくれた少年。
捜すのに時間はかからなかった。魔導士ギルド妖精の尻尾は有名で、その上火竜の噂がそれから間もなく大陸中に広まったのだから――――

フィルを救ったのは、ナツ・ドラグニル。

「ずっと、あなたにお会いしたかった」

フィルは、真っすぐにナツを見つめた。




2010,05,10
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