「バカな幼馴染」

『ジャンは好きな人とかいるの?』

俺と香織の家はおとなりさんで
園児の頃から今までずっと同じ所にいて、今でも信じられないくらい仲がいい
昔からのお友達だ、なんて思ってるのはきっとこんな幼馴染だけだろう
俺は小さい頃から香織が好きで、今だってすごく好きだ
そんな無鉄砲な質問にも、答えられるものなら答えたい・・・!
理由は二つ
・俺に言う勇気がないから
・こいつがド天然だから
この二つだ

「・・・なんでいきなりそんな事聞くんだよ」
『最近、女の子たちはハンナとフランツの話で持ちきりなの!そこでジャンはどうなんだろうなあって思って』
「お、俺は・・・・別にフツーだけどな」
『フツーってなにさ!それ答えになってないよ!』

そんなこと言っても、お前、気づいてくれないだろうが!!
心の中で叫んでから俺も問いかけた

「お、お前は、どうなんだよ・・・」
『私?私もフツーかな』
「おまっ、人のこといえねえじゃねえか!」

笑いながら髪を揺らす
もう暗いんだから、こっち向いて歩くのよせよな・・・

「そんなこと言って、また電柱にぶつかんぞ」
『そ、そんな鈍臭くな・・・いたあっ!』
「ほらみろ」

軽くぶつかっただけだったらしいが、ぶつけたところを撫でてやると、香織は笑った

『でもね、ジャン』
「ん?なんだ?」

『私はジャンのこと好きだよ?』


そう言って俺に背を向けて歩き出す香織
おま、それ、どっちの好きだよ!
声には出さず、バカな幼馴染の頭をガシガシと撫でた
そんなこんなで、俺が勇気を出すのは、まだ先みたいだ
 
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