久しぶりに見たその顔は、小さい頃とあまり変わらない
まだ私から見れば小さな一馬だった
赤いシャツとグレーのスラックス
ジャケットを脱いで手にしている彼はどこからどう見てもそっちの人だった

「久しぶり」
『あまり変わらないね』
「そうか?」

元気だった一馬の声は、おとなしく低い声だった
これからはまた会えなくなるのだろう
まだ一緒にいたかったが、私はまだお風呂に入っていなかった

『ごめん一馬、私お風呂・・・』
「ああ、大丈夫だ。今日は朝までいる。」
『そっか』

その言葉を聞いて安心した私は、お風呂場に歩いて行った



『ふう』

お湯が少し増える
小さい頃に比べると、どんどん増す量が増えている
その分私も成長しているということだろう
私は浴槽の中で膝をかかえた

身長もさらに高くなり、見上げるほど大きくなった一馬
甘えてきていたあの頃とはやはり雰囲気が違った

『(あんなに男らしかったかな)』

一馬は元から頼もしかったし、最初から男らしかったのかもしれない
そうこう考えていると、時間が一時間経とうとしていることがわかった



お湯から体を出し、風呂場を出て、脱衣所で下着を着けているときだった
急にドッドッドッと音が聞こえるか聞こえないかの速度で聞こえた
だれかが走ってきていることがわかった
なんだろう?そう思った瞬間、脱衣所のドアが思いっきり開いた

「名前!!」
『え?』
「え?」

一馬が力任せにドアをあけ、私の名前を必死に呼んでいた
が、私の姿を捉えた瞬間、顔を真っ赤にしてすまん!と叫びながら目にも止まらぬ速さで走っていった


『な、なんなの・・・!?』
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