02


「えー、田中の方は断ったじゃん」

ルーが俺の髪を撫でる。
彼はどうやら情事後に相手を慈しむクセがあるようなないような。

「少年は裁判するお金なんかないし田中とは連絡つかないんだからもう決着はついてるでしょ。だから少年の依頼は引き受けたの」

裁判より安いのかココの依頼料は。
そういえばいくらなんだろう。
俺を襲わせたやつはいくら払ったんだろう。

「にしても、どっちがホラ吹きだと思う?」

ルーがニヤっと問いかけてきた。

「俺的には田中のおっさん。ちょーうざかったし」

同じ質問をルーに投げ返せば、彼のグリーンの瞳が悪戯に光った。
ていうか瞳グリーンだったっけ。あ、カラコンか。

「僕はー少年かな。今どきの子ってあざといしずる賢いし、キュートな顔してあの子わりとやるもんだねってさ」
「どっちでもいいだろ。少年の依頼を受けたんだから、ルーはさっさと田中に連絡とれ」

いつの間にかベットに乗り込んできた孝さんが裸で寝転んでいた俺に覆い被さる。

「あっ、ん…孝さんっ、」
「なーに、釣るの? やっぱりお引き受けしますって?」
「んっ、あ、あひゃっ孝さ、んっ」
「連絡ついたらな。俺の予想じゃ、」
「探しだして連絡とれってことね。はいはいオーケー、かなめの精気頂いたからちょちょいのちょいさ」
「あひゃあっ、あんあんっ、ちょっ、やあっ、た、っん」
「精液はくれないのか」
「口にもケツマンにも精液くれないのよ、かなめは」
「あふっ、お、俺の話、?ああっ、あああんっあうっんあっ、」
「なんだお前。かなめにも突っ込まれたいのか」
「一回は突っ込まれたい」
「この依頼完了したらやるか? かなめはタチでもいけるらしいから…っ、かなめ締めるな」
「あっだってえっ、あああっあああんっあうっん、あんあんっ、ああああああっ」

俺抜きで話を進めるなっての。
俺とのセックス中に平然と話してる孝さん。
ちょいと萎えた。




その四時間後、田中のおっさんの連絡先を掴んだ。ナイスルー。

「俺、釣りやりたい。変な業者釣れるぐらいの腕前だし」
「変な業者って誰だろうね」
「さあ。…やってみろ。だが期限は一週間だ。一週間でアポを取れなければ失格イコール減給」

減給の二文字はプレッシャーだけど俺は無事に釣りを任された。
俺の得意分野と言っても過言じゃない。
一週間はキツいけどやるだけやってやる。



「出会い系に登録してなかったらもっとタイムかかってたよ。田中のエロさには感服するね」

田中に送るメールを打っていると、孝さんとのセックスを終えたルーが俺にしな垂れかかる。
ていうかあんたらセックスしかしてないんじゃ。

「おっさん食いつきいいし返事も早いし、多分一週間かかんないや」
「あらら、田中サマは反省してないんだね」

そう呆れながら俺の頬にちゅっちゅしてくる。

「ルー、俺忙しいから、」
「そうだね、さっさと終わらせてかなめに突っ込んでもらわないと」

口笛が聞こえそうなくらい足取り軽く風呂場に向かったルー。

「孝さん、俺ネコ」

後ろで聞こえた微かな笑い声に俺は文句を垂れる。

「諦めろ、ネコでもタチでもやりますって言っただろ」







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