05
光さんは元愛人のくそ親父に仕返ししたいと言ってきたけど、同じ人へ短期間の間に仕返しはできないとお断りした。
で、結果的にルーは大事な一件の依頼を潰してしまったわけだ。
「今月の給料から差し引く」
孝さんの無情な言葉にルーは崩れ落ちた。
「なんだよ、せっかくハッピーエンドにしたのに、孝って厳しすぎるよ」
しくしくと泣くルー。
俺も昔の友人なんだから、とか色々フォローしたけど孝さんは折れなかった。
「事務所をホテル代わりにしたのと、成長のしてなさと、かなめに迷惑かけた罰だ」
「俺はただのセックス依存症で、」
「えっ? かなめ依存症なの?」
今までベッドでぐちぐちしてたルーが食いつく。
もう嫌な予感しかしない。
「おいで、かなめ、久々に僕がたっぷり可愛がってあげる」
特上のオーラを放って誘うもんだから、悔しいけどくらりときてしまった。
「悪いけど、光さんとヤったベッドではお断りします」
そう意地悪に言えば、ルーは焦りながらシーツを剥ぐって、洗濯機に走っていった。
「お前、なかなかルーの扱いに慣れてきたな」
「はは、孝さんのご指導の賜物だよ」
「可愛いことをいうな、かなめ」
目を細めた孝さんは、俺に近づいてゆっくりキスをした。
フェロモン全開になった孝さんに抗う術はなく、俺たちは応接用のソファーでヤりだした。
「ああっ、たか、しさっ、んふぁいいよおっ、」
俺の嬌声が聞こえたらしく、飛んできたルーは喚きながら混ざってきた。
今回俺は活躍できなかったけど、ルーの過去を少し知れて、幸せな人たちを見て、何となくいい気分になれた。
まだまだ、この仕事に面白味は尽きないようだ。
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