04
「は…?どういうことだよ」
俺の目の前には光さんと…、柏木卓也。
しかも何故か腕組んで。
「僕のお手柄だよ」
にやりと笑うルーに俺は本当に訳が分からない。
「あのねえ、あのくそ親父、僕とのセックスとか盗撮してネットで配信してたんだって!」
「そうなんです、それを僕がたまたま見つけて…その、ご依頼したんですけど」
「まじありえない!絶対僕に貢いだお金より儲けてるよ!だって僕のセックス動画だよ? 絶対売れるって」
「う、うん、僕も思わず買っちゃったもん…」
「えーもーやだー恥ずかしいよー卓也ってばー」
ゲロ吐きそうなくらいイチャイチャしてる二人の話によると、つまり、
「そこら辺の事情を詳しく柏木さんに聞きにいって、それを光に説明して、やっと光の誤解が解けて、めでたく柏木さんの長年の恋が実ったわけさ」
得意気に言うルー。
俺は近寄って小声で話しかける。
「…それは孝さんの命令で?」
「いや、今回は僕が孝にお願いして勝手に動かせてもらったよ」
パソコンを打っている孝さんをちらりと見るけど、彼は相変わらず客がいるときは無表情だ。
「なんだよ、俺に一言言ってくれたって」
「いやー、なんとなくだけどかなめが光のこと苦手そうだったからさー、ほら、あと僕のこと幻滅させちゃっただろうし、名誉挽回してみたの」
ウインクしても様になるのがムカつくな。
「別に幻滅とかじゃねえよ、ただちょっとイラついてて、わるい。当事者にしか分からない事情や悩みだってあんのに、俺生意気なこといった」
「かなめの言ったことは間違ってないよ、現に孝にも呆れられた。でもさ、昔の知り合いには今の自分をまだ出せないけど、それはやっぱり男としてのプライドというか、女の前では格好付けたい男の心情というか、…分かる?」
なんとなくだけど分かる。俺は頷いた。
「ありがと、かなめ」
そう言って額にキスされた。
そこへ目敏く光さんが声を上げる。
「あー、ルーの浮気者!」
「え、光ちゃん…ぼ、僕は?」
「だってルーは僕の初めての人なんだよー、そうそう誰かにあげれないよー」
俺は何も言えなくなった。
「頑張れ、ルー」
「ちょ、かなめその冷めた目やめてくれる? ねえ、孝も助けてよー」
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