捧げ物 | ナノ

「ただいまー!」
「遅いぞ、たわけが!」

居間に入るなりガツンと采配で頭を叩かれた名無しは、
少し涙目になりながら元就に抗議する。

「お店が混んでたんだから仕方ないじゃない、ねぇ三成。」
「私に話を振るな。」

いつもより眉間に皺を寄せてそう三成は答えると、ソファーに座り読書の続きを始めてしまった。

「まったく、釣れないなぁ。」
「そんなことよりちゃんと大福は買ってきたであろうな?」
「買ってきたよー。」

テーブルの上に仁王立ちになり#ヒロイン#を見上げる元就に気づいた名無しは
慌てて買い物袋に手を突っ込む。

「いつも普通のしか買わないから、たまに違うの買ってみたよ!」
「…不味かったら容赦せぬぞ。」

一気に顔が険しくなった元就の前に名無しは買ってきた大福を並べた。

「いちご大福とプリン大福を買ってみたんだけど、どうかな?」
「ふん…ではいちご大福とやらを食してみるか。」

何処からともなく出てきた爪楊枝を使って器用に大福を切っていく元就は
じっと見つめる名無しの視線を無視して、大福を口へと送り込んだ。

「美味しい?」
「………。」

あれ、失敗したかな…。
そう心配し始めた名無しにやっと元就は口を開いた。

「この奇妙な口当たりは、癖になるな。また買ってくるがよい。」

味に煩い元就から合格を貰えたことに名無しは思わずガッツポーズをしたが、
やかましいと再び元就の采配によって頭を叩かれている。
その様子を遠目に見ていた三成は人知れず溜め息を吐いた。



滅多にない及第点
(みかん大福ってあるらしいよね)
(それは真か。今すぐ買ってまいれ)



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優様へ 相互記念その2
これ書いてたらいちご大福食べたくなった(笑)
もきゅもきゅと大福を食べる元就は可愛すぎると思う\(^o^)/
煮るなり焼くなり日輪に捧げるなり、ご自由にどうぞ!←

(11/02/14)
 



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