捧げ物 | ナノ


熱い吐息と厭らしくて粘着質な音が真夜中の室内を埋め尽くす。
ずるり、と己のものを名無しの膣内から抜き出すと目の前の彼女はぴくり、と反応を返した。
その表情があまりにも扇情的で、今さっき欲を吐き出したにもかかわらず再び熱が集まっていく。

「随分と、物欲しげな瞳をしてますね」
「そ、んな、いきなり何言い出すんですか、!」

あたふたと焦り出す名無し。
頬はうっすらと汗をかいていて、紅い。
ちらりと時計に目をやると午前0時10過ぎであった。
今日は久々の休日だし、まだまだ楽しめるな、と心の中で画策する。
俺の心の内など露程も知らない名無しは、いまだに荒々しい呼吸をなんとか落ち着かせようとしている。
その様子を眺めること数秒。あ、と小さく声が漏れた。

「今日、6日ですよね」

誕生日おめでとう。
そう名無しに囁くと、名無しは枕元の時計へ目を走らせた。
それから顔をますます紅く染めてからはにかんだ表情を浮かべて俺を見上げた。

「ありがとう、ございます」

ぎし、とスプリングを鳴らして再び名無しの体に覆い被さると困惑した両目が俺を映した。

「宮田さ、ん!今日はもう、やめましょう、!」
「…どうしてです。まだ時間はあるだろ」

思わず、はぁ、と息が零れた。
勃ち上がってきているそれを名無しの太腿に擦りつけると、名無しの口から吐息が漏れていった。

「だって、今日は外食に連れて行ってくれるんですよね、?
 宮田さんと外で食事するのって久しぶりだし立てなくなったら困ります…!」
「…」
「だから今日はもう寝ましょう、?」
「…今日の夜は、たっぷり可愛がってやるからな」

今はおあずけか。
顔に手をあて小さく息を吐いた。
ぎしぎしと音を鳴らして名無しの隣へ体を横たえる。

「私、宮田さんに誕生日を祝ってもらえるだなんて、思ってもいなかったです」

とろりと眠たそうに瞼を下げた名無しが俺にすり寄る。
わずかに伝わってくる名無しの体温をもっと間近で感じたくて、片手で名無しの体を抱き寄せた。

「これから先も祝ってあげますよ」

しかし名無しからの返答はない。
目線を下げて腕の中にいる名無しの顔を覗くと、彼女はすでにもう眠りに落ちている。
幸せそうに頬を緩めて眠っている名無しを見て顔が緩んだ。
俺は心底彼女に溺れているようである。

「おやすみ、名無し」

ちゅ、と名無しの額に口付けを落として、俺も目を閉じた。



一生変わることのない愛を君に

(二人でどんな未来を紡いでいこうか)



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新羅ちゃんへ
お誕生日おめでとう!
これからもよろしくお願いします(´`*)
ちなみにタイトルの色は誕生色のシナモンを使ってみました。
よろしければ貰ってくださいませ!

12/10/06 HappyBirthday!



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