頂き物 | ナノ





「今日、も、いい天気、です、ね!名前さん、!」
「そうですね」

シンとした教会内に牧野と名前の声が響いた。牧野は見るからに挙動不審という言葉がよく似合う。先程から牧野はそわそわと辺りを見回しながら動いていた。名前はそんな牧野に疑問を覚えたが特に問いただすことなく、隣に寄り添って座っている。

「……牧野さん」
「は、い?」
「どうかしましたか?」

痺れを切らした名前がそう声をかけた。牧野はビクッと肩を揺らした。「別に、」と牧野は苦笑いを溢す。だが、名前はそんな様子の牧野に納得いくはずもなく、目を細めた。ズイッと名前が問いただそうと牧野に近づいた。少し距離が縮まっただけだというのに、牧野は頬を赤く染めた。

「隠し事なんて……牧野さん、言ってくれないとキスしますよ」
「え、?」

名前は子どものように無邪気に笑うと牧野に抱きついた。ボッと更に牧野の頬が染まった。

「名前さ、ん」

ごくりと牧野が喉を鳴らした。そして口を開く。

「隠し事、では、ないんで、す。あっ、あの、今日は私の家に泊まりませんか、というお誘いをしたかっただけなんですっ」

真っ赤な牧野が一息でそう言い切ると内容を理解した名前も真っ赤になった。お泊りとはそういうことで、とごにょごにょと急に狼狽え始めた名前に牧野がハジメテではないのに、と笑う。名前は牧野の言葉に耳まで赤く染め、牧野は微笑んだまま抱きしめられる、から抱きしめる体制へと変えて名前の腰に腕を回した。そのまま名前の首筋に顔を寄せ舌を這わす。

「え、牧野、さん?」

名前は雰囲気がどことなく変わった牧野に戸惑う。くすぐったさに身じろぎをして牧野から逃げようと試みるがそれは牧野が強く抱きしめているため叶わない。牧野の手が名前の胸元を横切った時、慌てて声を出そうとした名前の唇を牧野は自らの唇で塞いだ。

「今日、泊まっていかれますよね?」


捕食者に変わる時


「誘っていらっしゃった事に気付かずすいませんでした」

先程のたどたどしさとは一変して、口角を上げた牧野は息も絶え絶えの名前を見つめて満足気に笑って深い口づけをした。



五万打感謝企画より
新羅ちゃんに頂きました!
ギャップまきのんたまりませんっ!
ヘタレからのSとかね!ね!
五万打おめでとうございました!
素敵な牧野さん夢ありがとうございます!