遊戯王 | ナノ



「W、暑いからいい加減離れて」
「やだ」
「暑くて姉さん溶けそうだから、ね?離れてちょうだい」
「やだ離さない」
「私汗臭いでしょう?だから離れましょう」
「臭くない。むしろいい匂いがする」
「もう、貴方ったらどうしてそうなのかしら」

ぐーっと後ろに体重をかけると、ぐえっと苦しそうな声が耳元で聞こえた。
それでもお腹にまわされているWの両腕は解けないままだ。
今日はいつも以上にしつこい。

「どうして今日はそんなに甘えん坊さんなのかしら」
「今日の仕事はすっげぇ疲れたから姉貴補給しなきゃやってらんねぇ」
「私じゃなくても貴方の周りには若くて可愛い子がたくさんいるじゃない。その子たちに癒してもらった方がいいでしょう」
「姉貴以外とハグだなんてやだやだやだ絶対に嫌だ」
「またそんなこと言って…将来どうするつもりなの?いずれは結婚するんだから姉離れしなきゃ駄目よ?」
「姉貴以外と結婚するなんてやだ」

ぎゅーっと背中から抱き締められて、さらに体が密着する。あぁ、暑い。たらりと汗が流れ落ちた。

「W、アイスでも食べましょう。だから一回離れて下さい」
「いらない。アイスより姉貴が食べうぐっ」
「寝言は寝てから言いましょうね」

軽く頭突きを食らわしてWの両腕の力が緩んだ隙に立ち上がった。

「あっ…」
「油断しましたね」
「くそっ」
「そんなに怖い顔しないで。アイスあげるから機嫌直して下さい」
「俺はそんな軽い男じゃ…」
「チョコアイスありますよ」
「食べる」
「簡単に釣れましたね」

くすくすと笑うと、頬を染めてうるせぇとWは呟いた。なんて可愛い弟なんでしょう。

「今持ってくるから待っててね」
「俺を一人にするのか」
「たかだか5分くらいいなくなるだけよ」
「まるで彦星と織姫みたいだ」
「それはあまりにも大げさです」



姉離れはまだできない
(姉貴のベッドもいい匂いする…)
(こら、何やってるんですか)






そういえば今日七夕だった。
七夕ネタでなにか書きたいけど間に合わないな…。

(12/07/07)



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