夕日の光が窓から射し込んでくる。
今日はいつも以上に夕日の光が赤かった。
部屋一面が赤を含んだオレンジ色で一杯になっている。
そんな部屋の中にいると、なんだかとても不安になってきてしまった。
少しずつ、少しずつ時間が経っていくにしたがって、部屋は真っ赤になっていく。
他の色は全て赤に飲み込まれてしまって、元の色がどんな色だったのか分からない有り様だ。
「なあ、名無し」
低く、抑揚のない声がこの真っ赤な世界を這うように響いた。
「どうしたの、優介くん」
そう言って私は優介くんに振り向いた。
彼は相変わらず本を読んでいた。
俯いているので彼の表情が分からない。
「やっと、分かったんだ」
ゆらりと優介くんが立ち上がった。
ふらふらと脚を動かして私へと近づいてくる。
「どうしたら、名無しが俺のことを忘れないでくれるのかずっと考えてたんだ」
とん、と私の肩に手を置いて彼はそう言った。
ぎりぎりと食い込んでくる優介くんの両手。
ひっと小さく声を漏らせば、優介くんはくつくつと笑う。
その顔は夕日に染まって真っ赤で、なんだかとてもおぞましく感じられた。
「…っ…優介、くん…どうしたの」
再度そう尋ねると、優介君はするり、と私の頬を撫でた。
「このまま閉じ込めていても、名無しが心を失ってしまったら俺のことなんて忘れてしまうだろう?」
「っうぐっ…!!」
ぐっと優介くんの手が私の首に絡みついて、ぐっぐっとありったけの力を込めてくる。
「あ゛っ…ゆ、すけ…く…や、め…げほっ」
「だけど、こうすれば名無しは俺のことを忘れないでくれる」
「ちが…わた、し…ゆう…っ、け…く…のこ、と」
「俺の手にかかって死ぬんだ。死ぬ直前まで俺を見て死ぬんだ。俺のことを忘れないまま死ねるんだよ、名無し。ああ、もっと早くにこうすればよかったねぇ」
酸素が足りなくて頭がくらくらする。
ぼろぼろと涙が零れてどうしようもなく切なくなった。
違う、私は今でもこれからもずっと優介くんのことを忘れることなんてしないよ。
そう言葉にしたくて口を必死に動かしても、それは言葉にならず代わりに僅かばかりの酸素が肺に送られるだけだった。
だんだんと暗くなっていく視界の中で、優介くんは笑っていたけれど、彼も私と同じように両目から次から次へと涙を零していた。
赤に沈んでさようなら
ヤンデレわかめ美味しいですモグモグ
GXが深夜42時アニメすぎてとても俺得です
特にユベルとかヤンデレ好きにはたまらないですよね
(12/03/07)