微かに鳥の鳴き声が聞こえてくる。 もぞもぞと腕を動かして私は時計へと手を伸ばした。 針は6時過ぎを指している。 いつもならもう起きなければいけないのだが、今日は休日なのだ。 久しぶりにゆっくり寝られるのに一度目が覚めてしまったので中々眠くならない。
チラ、と隣を見るとまだウェスカーは規則正しい寝息をたてている。 金髪も下ろされているし眉間のしわもないからか随分と若く見える。 普段の隊長とは違うその姿に少し胸がドキドキとする。 これがギャップというものなんだろうか。 思わずその端正な顔立ちに見惚れていた私は慌ててウェスカーから視線を逸らした。
ウェスカーが起きるまで本でも読もうか。 たまにはゆっくりと読書するのもいいかもしれない。
ウェスカーを起こさないようにベッドから降りようとする私の腕が不意に引っ張られた。
「名前、何処に行くんだ…?」
若干舌足らずなウェスカーの声が私の背中に振りかかる。 振り返ると眠そうに目を擦っているウェスカーの姿。
「本でも読もうかなって思って。ごめん、起こしちゃったね」 「いや、大丈夫だ…」
そう言ってウェスカーはふぁ、と欠伸を噛み殺した。 私の腕を掴むウェスカーの手に少し力がこもる。
「せっかく気持ち良く寝てたのにごめん、ウェスカー」 「…それじゃあ罰として、俺の二度寝に付き合って貰おうか」
ぐっと腕を引き寄せられた私はあっという間にウェスカーの体に密着することとなった。 思わず上を向けば、楽しげにこちらを見下ろす赤い瞳。 そして、おやすみと言ってウェスカーの唇が私のおでこに触れた。 どぎまぎしている私を余所にウェスカーは再び規則正しい寝息をたて始めてしまった。
貴方と私と休日と (今度は私からおはようのキスを)
お待たせいたしました! ご希望の隊長ウェスカー…になっていますでしょうか(汗 いつでも書き直し承りますので…! この度は企画に参加していただきありがとうございました! これからも当サイトをよろしくお願いいたします! (11/08/01)
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