ほらー | ナノ







「兄さんお帰りなさい」
「ただいま、名前」

玄関に入ると、名前がぱたぱたと私の方へ駆け寄ってきた。勢いよく抱きついてくる名前を抱きとめる。思わず顔が緩む。昔に比べて大人らしくなった名前の顔つきにぞわり、と鳥肌が立った。視線を下へとずらす。体のラインが変わり始めた名前の体。まだ大きいとは言えないが、胸もだいぶ成長してきている。そろそろ、いいかもしれない。

「まだご飯作り終わってないんだ…。ごめん、兄さん。ちょっと待っててね」
「…今日は私も手伝うよ」
「ほんとう?ありがとう!兄さんと一緒に夕飯作るのって久しぶりだよね」

嬉しそうに居間へと歩き出す名前の姿を見つめる。どくどくと心臓が跳ねるように暴れる。乱れる呼吸を名前に聞こえないように深呼吸を繰り返す。吸って、吐いて。吸って、吐いて。短く息を吸って、彼女の名前を呼んだ。ゆっくりとこちらへ振り返る名前とすばやくのびる私の両腕。手の平を押し付けて指を絡ませる。蛇のように絡みつく私の両手に名前はただただ喘ぐことしか出来ない。今までにないくらいの快感が体中を走り巡る。さらに両手へ力を込めると、ぱったりと名前の声が止んだ。聞こえるのは私の荒い呼吸だけ。残ったのは生温かい妹の体だけ。長年待ち続けたこの瞬間に私は激しく身震いし、名前の体を抱き上げた。さて、今日はどんな料理を作ろうか。




(そして彼女は私の一部となった)




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カニバまきのん夢でした
名前さんが大きくなったら食べようと決意したまきのんがついに実行しちゃったというお話です
うーん、分かりづらくて申し訳ないです…
明日からまたテストだというのにサイト更新してる私を叱って下さい牧野さん


お題お借りしました。
guernica
(11/12/04)

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