小説 | ナノ
一人にしないで





煙草のヤニのせいなのか、本来の建造物の古さなのか分からない。ただ見上げた天井は汚かった。
顔を横に向けようとしたが、何故か身体はピクリとも動けない。もしかして変な薬でも飲まされたのだろうか。筋肉痛にしては酷すぎる気がしたから。そういえばシズちゃんはどこに行ったのだろう。ほんのついさっきまで一緒にいたのに。
ここはシズちゃんのボロアパートだからここ以外に行くようなところなんて。あぁ煙草がなくなりそうだとか言っていたようないないような。忘れた。口の中が乾いているような気がしたけど、水も飲みに行けない。
窓は閉めきられているのか風は入ってこない。クーラーだってついていない。おかしいな。今は8月なのに全然暑くない。眠ろうとしたのに目は閉じられなかった。疲れてているような気はするが体の感覚がなかった。前に眩暈起こした時もこんな感覚だったような気がする。結構やばいんじゃないかな。早く帰って来いよシズちゃん。水が飲みたい。
暇で仕方がないから一人でしりとりをした。りんご、ごりら、らっぱ、ぱいん。あ、終わっちゃたよ。つまらない。というか俺はしりとり好きなわけじゃなかったのに。ねぇ一人じゃしりとりしても楽しくないよ。早く帰ってこないかなぁシズちゃん。二人でしりとりしたからって絶対楽しくはないだろうけど、今よりはきっと暇つぶしにはなるんじゃないだろうか。
ねぇ早く帰って来てよつまらない。一人でいてもつまらない。この薬いつまで効くの。段々嫌になってきた。たまに手足縛られるような状況になったことはあるけれど、これはそれの比じゃない。嫌だシズちゃん、どこにいるの。隠れてないで出てきてよ。
なんだか息が苦しい。何でかな。ちゃんと呼吸してるつもりなのに。首がすごく熱いんだ。どんなふうになってるか確認してよシズちゃん。息ができない。苦しいよ。

ねぇシズちゃん、










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