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あぁ、それって




※臨也が吐くだけの話。






親友になれるんじゃないだろうかと思うくらい、俺は長い時間トイレで過ごしていた。日頃から綺麗にしといて良かった。トイレって意外に過ごしやすいかもしれない。なんて、思い始めるくらい俺は疲れていた。
断続的にくる言い様のない吐き気にまた便器に顔を向ける。吐き出されるのは透明な胃液だけで、他は何もない。何も食べていないんだから当然だ。なのに吐き気は続いていた。

これは新羅に見せるべきだろうか。あいつなら何か病名とか治療法が分かるかもしれない。今から行こうかな。でもやっぱりだるいから呼び出そうか。
最後に軽く酸欠を起こすくらい吐いてトイレを出ると、そこにはにこにこ笑ったシズちゃんがいた。
吐いた後のだるさ以上に、これから起こることを想像すると目眩を起こしそうだ。

「……ずっといたの?」
「悪いか?」
「……別に」

誰が見ても調子が悪いとしか思えないような俺の顔を見ても、シズちゃんは何にも言わない。こうやって俺がトイレに引きこもっても大丈夫かと声をかけるわけでもなく、ずっとドアの前で苦しんでる俺の声を聞いてる。
それから、明らかに細くなった腕を掴んでそのまま寝室に連れていくだけ。ふわふわで綺麗だったベッドも、今はぐちゃぐちゃになってシーツには乾いた精液がこびりついていた。

やっぱり新羅に見せるのやだなぁ。毎日飲まされてる精液が身体に合わなくて、拒否反応起こしてるとか言われたらどうしよう。
それにシズちゃん、つわりだって思い込んでるんだよ。








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