小説 | ナノ
綺麗な君と2







「あれ……どうしたの?」
「……」

先ほどと変わらない格好でテレビを見ていた臨也は、腰にタオルを巻いただけの俺の姿にあからさまに嫌な顔をした。
やめた方がいいと頭の中で思う。だがそれ以上にもう耐えられなかった。俺は躊躇するのを止め、不思議そうな顔をしている臨也をそのままソファに押し倒した。

「は……?」

臨也は目を見開いた次の瞬間、俺の腹を思いっきり蹴った。まさかいきなり蹴られるとは思わなかった。流石に少し痛かったが、本気を出せば臨也を捩じ伏せることは簡単だ。そのまま足首を掴んで左右に開かせ、足が閉じられないよう間に座った。

「な、何シズちゃっ」

逃げる顔を右手で押さえて臨也の口内に唾液を流し込んでいく。差し込んだ舌で唇や口内を舐めれば、涙目になりながら必死に俺の身体を押し返そうと肩を叩いてきた。口の周りを唾液で濡らし、目には涙を浮かべて。

「ぷはっ……うぇっ……」

バスローブを引き剥がすように脱がして、腕だけ袖を通したままがんじがらめにする。何度も頬に口付けながら、ずっと触りたかった肌に手を滑らせた。思っていた以上に柔らかくて触り心地が良かった。

「きもち、わる、い……
「……ごめんな」

口では謝罪を並べつつ、内心今までにないくらい興奮していた。臨也との性行為は実に淡白だ。その手の経験がほとんどない俺でもそう感じる。

キスもほとんど触れるだけ。臨也が自分で慣らしたそこへ、俺がゴムを着け挿入して吐き出す。前戯や余韻に浸る暇なんてない。まだ射精していない臨也の身体に触ろうとすれば、自分ですると言い部屋を出ていく。いつもそれで終りだった。

僅かに硬くなっている乳首を指で摘まむと臨也は息を飲んだ。そのままねっとりと舌で舐めあげる。こんなにも明るい場所で臨也の裸を見るのは初めてだった。ピンク色にも見える臨也の乳首は唾液で濡れていた。

「ひ……」
「気持ちいいか?」

先端に爪を立てたり指の腹で捏ねると臨也は背中を仰け反らしていた。今まで臨也のこんな反応は見たことがない。痛いのかと思って性器を見てみると、腹に付くくらい勃起して先走りでべたべたになっていた。それに少し安心する。

「うぁ、やだぁっ……」

足を胸につくくらい曲げると、いつも触ってみたかった穴が明かりに照らされた。少し赤くなっているようにも見えるそこは、まだ慣らしていないのか濡れてもいない。

「み、見るなっ……」

必死に腕を伸ばして隠そうとするが、その腕は片手で押さえつけられるくらい弱々しいものだった。
ローションがどこにあるのか、ゴムがどこにあるのか俺は知らない。いつも臨也が用意していた。仕方なく口に唾液を溜めてそこに垂らした。ひくつく度に中へ唾液を飲み込んでいく。

「も、やめて……シズちゃん、ね、ちゃんとシよ?いつもみたいにちゃんと……」
「……」

泣きながら懇願する臨也に少しは心が痛むかと思ったが、余計に俺は興奮するだけだった。汗で濡れた前髪をかきあげてやると、俺がやめると思ったのか臨也は安心したようにゆっくりと息を吐いた。その隙を狙って舌を捩じ込む。

「う、うそ……やだ、くち、やだっ」

舌を入れながら隙間から指も入れてみる。最初は奥まで入らなかったが、何度も唾液を流し込みながら指を増やした。唾液で濡れそぼったそこはもう十分に広がって物足りなそうにも見えた。

「は、はぁっあ、あ……」

ひくひくと疼いているそこに、今までにないくらい膨張している自分の性器を押し当てる。

「やだっ……ゴムもしてない、のに……ちんこ、なかに……」

臨也は顔をぐちゃぐちゃにしながらその光景を見ていた。もう抵抗する体力もないのか、ぐったりとしている。
ぐちゅりと音を立てながらゆっくりと挿入していく。太さに合わせて広がる穴に目が離せない。少し萎えてしまっている臨也の性器を擦ると、上擦った喘ぎ声を上げた。

「ふぁ、あ、あ、……ん」
「なぁ、いつもどうやって慣らしてんだ?」

ずっと気になっていた。臨也が一人で慣らしているのを俺は見たことがない。だからずっと風呂でやっていると思っていた。だが先に風呂に入ったのにも関わらず全く慣らされていなかった。

「なぁ、言えよ」
「ひうぅっ」

勢いをつけて全部押し込むと臨也から小さく悲鳴が上がった。一応血が出ていないか確認してみたが大丈夫そうだ。馴染ませるようにゆるゆると腰を動かすと、臨也は途切れ途切れに口を開いた。

「い、いつも……シズちゃんが、お風呂、入ってるとき、に……ローション、とか……バイブで慣らしてた、のっ」
「俺よりバイブのが良いってか?」
「別に、そんなこと……ひゃんっ」

ソファに倒していた臨也の身体を起こして、そのまま向かい合うように膝の上に乗せた。俺が前に慣らしてやると言ったら断ってきたくせに、玩具は突っ込むのか。
より深く挿入するよう肩を上から押さえつける。結合部を見るとぴったりと下半身が密着していた。

「お、おく、当たって……」
「気持ちいいってか?」

臨也は一瞬顔を赤くしたがすぐに首を左右に振った。だが下半身は今にも射精しそうなくらい勃起している。尻たぶを掴んで上下に抜き挿しすると、臨也は不自由な腕を首に引っかけてきた。首の後ろがバスローブの生地に擦られて少し痛い。

「あ、あっ……う、あぁっ」
「……っ」

そう言えば正常位以外でシたのも初めてだったか。本当に近い距離で臨也の顔が見れるし、すがってくる腕も悪い気はしない。

「中、出すぞ?」
「やだ、中は、やだっ!おねが、それだけはっ」

さっきまでよがっていたくせに、中に出されるのはやっぱり嫌なんだろう。それでも今さら抜く気にはならなかった。
これ以上ないくらい激しく腰を動かすと、後ろが締まりそのまま中に吐き出した。

「ひぃ、あっあ、……中に、出て……」

力を込めすぎないように気を付けながら背中に腕を回すと、臨也は倒れ込んできた。浅く呼吸を繰り返してまた僅かに締め付けてくる。

「はぁ……ひど、い……よ」

臨也の身体を持ち上げると性器が抜け、そこから中に出したのが溢れてきた。太ももを流れる精液に身震いしながら、臨也も俺の腹に射精していた。それを指にたっぷり絡めて口に含んでみる。甘い味がするのは気のせいだろうか。物欲しげな目で俺を見ていた臨也にも口移しで精液を飲ませてみると、もっと欲しいと言わんばかりに舌を絡めてきた。










あんまり潔癖っぽくないね!「そんな汚いの入れないで」って言わせたかったんだけど……

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