小説 | ナノ
ふたりもいらない



ちょっと病んでるサイケたん。







いざやくんとつがるが、楽しそうにお話ししている。つがる、すごく楽しそう。どうしてそんなに楽しそうに笑うの?二人が何を話しているのか、遠くておれには聞こえない。
つがるはおれのことすきって言ったのに。サイケだけ、サイケしかすきじゃないって言ったのに。サイケのこと全部すきって言ったのに。声がすきなのはいざやくんといっしょだから?笑った顔がすきなのはイザヤと似ているから?髪がすきなのはいざやくんと同じ色だから?
それはぜんぶいざやくんにもあるよね?おれだけじゃないよね?それっておれじゃなくてもいいってこと?すきなのも抱きしめるのも、おれじゃなくてもいいってことなのかな。
ねぇ、どうしてずっといざやくんとお話ししているの。もう1029数えたよ。ずっといち、に、さんってお風呂入る時みたいに数えてるもん。つがるがおれ以外の人と話した回数も時間も、つがるがおれの名前を呼んだ回数も全部覚えてる、つがるが言ったことやしたことは全部覚えておかないと。だっておれはつがるがすきだから。
声が聞きたいならおれが話すよ?つがるの名前を呼んであげる。いっぱい、いっぱい、いっぱい。つがるが寝ているときも、ご飯を食べる時も、テレビを見ているときも。つがるがお出かけして、ひとりぼっちになったときもずっと呼んでるんだよ?早く帰って来ますようにって。
肌に触りたいならおれがいっぱい触らせてあげる。誰にも触らせたことがないところも、つがるには全部触らせてあげる、見せてあげる。おれ、つがるになら何されても平気だよ。痛いのも、熱いのも、苦しいのも。
髪を撫でたいのなら撫でさせてあげる。撫で過ぎてぐちゃぐちゃになってもおれは怒らないよ?
だからいざやくんとなんか話さないで。おれとだけ話して。おれだけを見て。おれのことだけ考えて。


……あぁ、そっか。いざやくんがわるいんだ。いざやくんがおれに似てるからだ。だからつがるは間違えちゃったんだよね。いざやくんがおれと声がいっしょで、顔が似ていて、髪も同じ色なのがいけないんだ。だからつがるがおれと間違えていざやくんのとなりにいるの。だから今おれのとなりには誰もいない。いざやくんずるいよ。人のものをとっちゃう悪い子はおしおきされなきゃいけないっておれに言ったのに。

「ねぇいざやくん、ふたりでおはなししよう?」


おしおきは痛くて怖いんでしょ?

でもいざやくんは悪い子だから、痛いのも怖いのも我慢しないといけないよね?







(だっておれのつがる、とったんだもん)



津軽と臨也が楽しそうに話してるの見て嫉妬(?)してるサイケたん。
二人はサイケの話ししてただけなんですけどね。
サイケたんはヘッドホンのコードで臨也の首絞めるつもり。

病めてるのかな……



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