※津軽が変態。 天使なサイケたんはいません。 剃毛ねた。 カレンダーに付けた赤い丸印。静雄さんや臨也さんに聞かれても絶対に言ってはいけない。 俺と、サイケだけの秘密。 「きょう、するんだよね……?」 俺がカレンダーを見ていることに気付いたのか、机で音楽を聞いていたサイケが近寄ってきた。ソファの空いた隣を手で叩くと大人しくそこに腰かける。 「嫌か?」 頭に付けられていたヘッドホンを外して髪をすいてやると、サイケは顔を真っ赤にして首を横に振った。 「……へーき」 小さく膝を抱えると頭を俺の肩に擦り付けてくる。まるで猫のようだ。愛しさのあまりこっそり髪に口付けた。 浴室に置いた椅子にサイケは座っていた。白い肌をした身体が惜しげもなく曝され、電球に照らされる。衣服は何も纏っていない。恥ずかしそうに足を擦り合わせては、物音に耳を澄ましていた。 サイケの目には白い布で目隠しをされている。カミソリを見たらきっと怖がってしまうからだ。それ以上に、サイケの裸を見て反応した俺の下半身を見られると困る。 「つがるも、ふくきてないんだよね?」 以前、自分だけ服を脱ぐのは嫌だからと俺も脱ぐ約束をした。どのみち濡れてしまうのだからその方が都合は良かったが。 全裸でしかも目隠しをされたサイケの格好は、どこか犯罪のような感じがした。 「ん?あぁ……」 「そう、なんだ……」 サイケの口元が一瞬笑ったように見えた。太ももを自分で持つと、そのまま足を左右に開く。他の場所以上に陽に焼けていないそこは、とても綺麗だった。スポンジで泡立てた泡を手に取り、僅かに震えている性器や周りに塗っていく。 「じゃあ剃るぞ?」 「うん……」 傷付けないよう、ゆっくりと肌にカミソリを当てる。 僅かに伸びた下生えは相当違和感があるらしい。初めて剃った数日後、気持ち悪くて眠れないと泣いてしまったのには焦った。それからは不快感を感じる前にまた、綺麗に剃ることにしている。 他人の下半身なんて見たことがないだろうサイケは、俺がすることに何の疑問も持たなかった。 性器をできるだけ優しく掴み、隠れた所も丁寧に剃っていく。自分の息が上がるのと同時に、下半身に熱が集まるのを感じた。 「あ……ぅ……」 サイケはカミソリが肌を滑る感触に必死に耐えていた。足を開かせている指が、太ももに食い込む。柔らかく弾力のあるそこを撫でまわしたくて仕方がなかった。 全て剃り終わり、お湯で泡を洗い流す。中途半端に生えていたものは全てなくなり、つるつるとした性器の根本が現れた。 「おわったの……?」 「あ、あぁ」 サイケには、内緒にしていることがあった。俺はサイケの裸を見て、自慰行為をしている。罪悪感がなかったわけではない。何も知らないこの子を騙して、する必要のないことをして。それでも俺は自分を抑えられなかった。 自分の声などを消すためにシャワーを流し続ける。意味もなく流れ続ける水にサイケはいつも何も言わない。 開いていた足は閉じられただじっと、目隠しが取られるのを待っていた。 「っ……ぁ」 何も知らないサイケは目隠し越しに俺を見る。もしかすると全部見られているのかもしれない。そう思うといたく興奮した。俺はだいぶと悪趣味らしい。 あの桃色をした唇に押し付けられたら、赤い舌で舐められたら。そう思うとシャワーの音に混じる粘着質な音は早さを増した。 ふと、固く閉じられた足に目がいく。そのもっと奥の、剃るときでさえ見ないようにしていた後孔。ひくついているそこを見た途端、床に射精してしまった。 「……くっ」 透明な水に混じって、白濁色をしたそれは排水口に流れていく。精液特有の匂いが僅かに鼻についた。 「つがる……」 「ど、した?」 まさか話しかけられるとは思っておらず、声が上ずってしまった。サイケの頬はシャワーの熱のせいか上気し、薄く開いた唇からは赤い舌が見え隠れしている。 「……ううん、なんでもない」 乾いている唇を、赤い舌で舐めるサイケから目が離せない。 シャワーに混じって俺のものではない粘着質な音が、サイケから聞こえたような気がした。 実は津軽が何をしてるか知ってるサイケ。津軽が自分に欲情してる声を聞いて喜んでる。 |