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貧乳好きで何が悪い


少しサイズの小さな服を着ている臨也の乳首が目について弄る静雄



胸に興味のない男なんか男じゃない。トムさんはまるで何かを悟ったようによく口にする。
ヴァローナは首を傾げながら、最近覚えたての変態という言葉を口にした。トムさんは俺に同意を求めるが、ヴァローナの視線が痛くて毎回何も答えずに終わる。
確かに俺も学生時代、進んで見ていたのは胸のでかい女のAVだった。何もないよりは何かあった方がいい。視覚的に楽しむためにそういう物を選んでいたような気がする。
しかし俺が今付き合っているのは男だ。女以上に真っ平な胸は何もない。臨也が感じるのは下半身ばかりだ。

仕事を終えて新宿に行けば、少なからず嬉しそうな臨也に出迎えられる。減らず口を叩きながらも追い返そうとしないのはこいつの精一杯のデレなのか。来客用のソファに腰かけるとキッチンからジュースが運ばれてきた。少しばかり会話をすると、臨也はまたパソコンに向かうと黙々と仕事をし始める。今している仕事がもう少しで終わりそうだからと、先に片付けておきたいらしい。
グラス片手にデスクに近付くと、ジュースは絶対にこぼすなと顔も見ずに念を押された。

「……お前、なんかいつもと服違わねぇか?」
「え、そうかな」


臨也が着ているのは一見するといつもと変わらない黒いシャツだ。だが妙な違和感がある。じっと凝視していると、臨也は何か思い出したように声を上げた。

「あぁ、そういえばいつもと違う店で買ったら同じサイズなのにちょっと小さいみたいでさ。デザインは変わらないよ?」

そう言いながらキーボードを叩く臨也は淹れていた紅茶に口をつける。薄いピンク色をした唇が濡れて、それを舐めとるように赤い舌が唇を這った。何気ない動作だが、ゴクリと喉が鳴る。そういう目で臨也を見始めると終わりがない。うなじにある、以前こっそりつけた痕はずいぶん薄くなっていた。

「……どうかしたの?もうすぐ終わるからテレビでも見てなよ」

俺が甘えていると思ったのか、拒絶の言葉も述べながらも振り払われることはない。首筋に顔を寄せて擦り寄ると鬱陶しそうに頭を叩かれる。さりげなくパソコンの画面を見せないように、臨也は俺の顔を押してきた。別に臨也の仕事に文句はないし邪魔する気もないが、そう無下にされると悔しい気もする。

「ちょっと、シズちゃんってば……ひぃっ!?」

ある部分を指で摘まむと、臨也は悲鳴をあげた。ついつい力み過ぎてしまったらしい。労わるように今度はできる限り優しく撫でると臨也はピクリと肩を震わせた。

「ね、急に何……」
「目につくんだよ、これ」

これ、というのは乳首だ。真っ平らな胸にはその部分だけ膨らんでいる。別に臨也の乳首がでかいだとか、そういうことじゃない。ぴったりとした服を着ているせいか、胸が強調されている。女だったら問題かもしれないが、臨也は男だ。夏に汗をかいてシャツを透けさせている奴を外でも見かけるし、それくらいで捕まることはない。ただ臨也の場合だと危ないだろ。誘ってると思われるだろ。

「シャツの上からでも分かるくらい乳首勃たせてよぉ、これで外行ったらどうなるか分かってんのかよ」
「や、あぁっ……どうも、ならないよぉ」

臨也は俺の頭を叩いたりして抵抗してきた。それもシャツの上から乳首を弄るだけでなく捲って直接触るとその抵抗もなくなった。捲りあげたシャツを臨也に持たせて指先で潰したり、先っぽに爪を立てる。薄い色だったそこは徐々に赤くなっていく。臨也を抱くとき、胸を触っても女じゃないから気持ちよくないだの、変態野郎と罵ってくるくせに。

「電車で野郎に囲まれて、乳首だけじゃなくてケツにちんぽ突っ込まれたらどうすんだ」
「ふあ、あぁ……AVの見過ぎだって、シズちゃ……んあぁっ」
「乳首しか弄ってねぇのに涎垂らすなっての」
「ん、んぅ」
「指ばっかじゃ足りねぇだろ?」

口の端から垂れた唾液を指で拭ってやると、臨也はそのまま俺の指を咥えた。上目づかいで誘うような目をするのは、臨也が特に追いつめられているときだ。息を吹きかけるだけで臨也は喘いだ。唇で乳首を挟んでから舌で舐めると俺の頭を抱えながら腰を揺らした。見ればズボンが張りつめているのが分かる。元から臨也はぴったりとした服を好んで着ていた。そのせいで勃起したらすぐに分かってしまう。

「お、おっぱい気持ちいいよぉ、あぁっ!」

舌で先端を潰すように動かし、その後吸い付くと臨也はびくびくと腰を震わせた。下半身も触ってほしいのだろう、椅子をギシギシと揺らしながら腰を
揺らしていた。そこに膝を当ててやると、臨也は自分から押し付けてきた。体重を少しかけると臨也は射精した。

「ふぁ……あぁ……っ」

臨也は数回身体を震わせると、くったりと俺にもたれ掛ってきた。ズボンの前の部分は少しばかり湿っている。まるで猫がゴロゴロと喉を鳴らすように臨也は擦り寄ってきた。胸元まで捲りあがったシャツを元に戻すと臨也は首を傾げた。呆ける臨也に触れるだけのキスをすると、すぐに首に腕を回してきた。それから離れるように身体を引くと、今度は声を上げて臨也は驚いた。

「よし、残りの仕事頑張れ」
「……え、えぇ!?」

椅子を回して臨也をパソコンの画面に向ける。もちろん濡れた下半身もそのままだ。

「ここまでしたんだから突っ込んでよ!」
「いや、手前の仕事が終わるまで待つ」
「ズボンの中最悪なんだけど!」
「俺だって最悪だ。ちょっとトイレ借りるぞ」
「何で俺じゃなくて便器相手に出すんだよ馬鹿!」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ臨也を放ってトイレに駆け込む。足で蹴る音だけでなくナイフでドアを刺す音もした。だって仕方ないだろ。お預けして我慢させた方が、臨也は乱れるんだから。



















変態しかいねぇ!
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