小説 | ナノ
悪い子誰だ


ちょっとエロい。


昨日、僕は浮気というものをしてみた。浮気と言っても誰かと一夜を共にしたとか、関係をもったわけではない。ただちょうどデリックがいたから抱きついてみた。当然デリックは驚き、隣にいた日々也は唖然としていた。後で聞いた話だがそれが原因で二人はちょっと喧嘩をしたらしい。デリックには気の毒なことをした。それもこれも、僕の恋人のせいだった。

僕は月島と付き合っている、たぶん。たぶんというのは確信がないからだ。確かに好きだと言われたが、最初の一度だけでそれ以降は手を握ることさえない。キスなんて死ぬまでできないんじゃないだろうか。僕は僕なりに月島のことが好きだけど、もしかすると月島の好きは友情的な意味だったのかもしれない。元から何事も暗い方向へ考えてしまう癖があったから、最近の気分はずっと最悪だ。月島と食事を一緒にしても、一緒にテレビを見ても楽しくない。

今日も告げられた時刻をだいぶ回って月島は帰宅した。この男は行き過ぎた方向音痴だ。待ち合わせをしても遅れるのが常だった。仕方がないと分かっているつもりの自分と、もしかすると誰かと会ってるのかもしれないと疑う自分。月島と過ごす時間が増えれば増えるほど疑ってしまう。そんな汚ない自分に自己嫌悪する日々に疲れ果てていた。
玄関で靴を脱ぐのにもたついていた月島に、振り返ることなくおかえりと告げる。しかしいつもは返ってくる返事がない。おかしいと思って振り返れば、手が白くなるほど肩にかけた鞄のベルトを握る月島がジッと僕のことを見つめていた。

「月島?」
「ろ、六臂さん!」

今まで静かだった月島は勢いよく顔を上げて、僕へと飛びかかってきた。

「えっと、あの……その……」

月島はもじもじとするばかりだ。何だか面倒なことになりそうで、咄嗟に逃げようとしたがコートを掴まれそれも叶わなくなる。月島は相変わらず目を泳がせていたが、意を決したように僕の腕を掴んだ。

「浮気は、ダメです。なので……お、お仕置きします」

月島はそう言うと丁寧にマフラーを外して、僕の腕を縛ってきた。予想外の展開に唖然としていると月島はうーんと唸りながら僕をソファへと突き飛ばしてきた。突き飛ばすと言っても押されただけで大した力はない。

「悪い子にはお仕置き……」

ぶつぶつと言いながら月島は倒れ込んだ僕を膝に乗せた。寝転んだままだからちょうど下半身だけが月島の膝に乗せられる形。うつ伏せだから腹部が圧迫されて少し苦しい。

「お仕置き、です」
「あ……っ!」

月島はそう言うと僕のズボンを降ろしてきた。それも下着ごと。驚いたなんてもんじゃない。ひんやりとした部屋の空気に驚く僕をよそに、月島は膝まで服や下着を降ろした。そして振り上げられる右手。

「ひゃんっ!」

ピシャッと音とともに熱くなるお尻。それは一回だけでなく何度も繰り返された。

「あ、貴方は俺の恋人なのに、あんな……あんな……!」「う、あっ」
「俺はあなたがこんなにも好きなのに、どうして!」

痛いはずなのに僕は笑っていた。開いたままの口から唾液が溢れる。月島は気付いていないのだろう。僕はお尻を叩かれて勃起していた。月島が僕が他の男に触れたから嫉妬している。嬉しくないはずがない。

「反省しました?」
「つ、月島ぁ……」

このままだと月島の服に射精してしまう。何とか床に降りて上がった息を整える。月島を見るとやりきったような顔をしていた。だが僕の表情を見て少し動揺したようだ。

性器からは透明な液体がとろとろと溢れていた。月島の膝を跨がるようにソファーに乗り上げ、叩かれて赤くなったお尻に月島の手を導く。月島は困惑したようにまた目を泳がせていた。

「もっと、叩いて」
「……え?」
「月島、もっと僕にお仕置きして?僕のお尻もっと叩いて、悪い子だから叱って?」
「あの、俺そんなつもりじゃ……えっと、あの」
「……月島が叱ってくれないなら、デリックに叱ってもらう」
「だ、駄目ですよ!それだけは絶対駄目!」

慌てた月島は勢いよく僕のお尻を叩いた。そうか、嫉妬させたら月島は僕を愛してくれるんだ。

「ふあぁっ!」

月島のズボンはきつそうに膨らんでいる。これから彼は僕にどんなことをするのだろう。妄想の中でどんな風に僕を犯しているのだろう。これからのことを思いながら、僕は床に射精した。












ここの六臂は性格Sですが身体はドMです。
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