小説 | ナノ
おやすみの魔法


日々也があほの子。二人は付き合ってません。



「デリックぅ」
「はいはい、分かったからパンツ脱ぐのやめような」

パンツにかけられた手を必死に掴んで、それ以上下ろせないように阻止する。半分以上尻が出ているが気にしない。あるはずの毛が全くなくてつるつるだったとか、全然気にしない。

「もうおやすみの時間だから、パンツ脱がないといけないんだぞ」
「意味わかんねぇよ」

そうこうしている間に日々也はパンツも脱いでしまった。元からパンツ以外着ていなかったせいで完全に真っ裸だ。

「ん……シャツ、どこ……」

シャツを探して動き回るたびに萎えたちんぽがゆらゆらと揺れる。色気も何もないその光景を眺めながら、棚に置かれていたシャツを渡す。それをへにゃりと締まりのない顔で受け取ると、もだもだしながら袖を通していた。それでもボタンは一つも留めようとはしない。日々也はベッドに飛び込むともぞもぞとのた打ち回る。枕を見つけそれを抱きしめると、そのまま動かなくなった。やっと寝たかと部屋から出て行こうとすると、日々也はまたガバリと身体を起こした。

「ひ、日々也?」

日々也はぼんやりと枕を見つめると、突然それに跨った。そしてそのまま、腰を前後に揺らし始める。

「……何してんだ?」
「……寝る前の、運動」

短い息を吐きながら日々也は腰を動かし続ける。俺の存在など気にしている様子もない。一体何をしているのかと最初は分からなかったが、日々也の下半身を見てすぐに分かった。

「その運動、いつもしてんのか?」

日々也は、俗にいうオナニーをしているようだった。本人がその行為の意味を知っているかは知らない。おそらくこいつの性格からするに、ただ気持ちいいからしているんだろう。徐々に勃ち上がり始めた性器からはとろとろと透明の液体があふれ始めいている。

「あ、あんぅ……っ!」

びゅっびゅっと枕に射精すると、日々也は満足したようにまた寝転がる。汚れた枕も下半身もそのままにして、だ。おそらくこれが本来他人に見せるべきではないことや、見つかれば恥ずかしいことだとも理解していないんだろう。満足げに自分の汚れた指を舐める日々也に好奇心が湧いた。今にも寝てしまいそうな日々也に近寄り、そっと腰を撫でてやる。

「……これで終わりか?」
「ん……だって、これ以外知らない……」

くすぐったい感覚に身動ぎしながらも嫌がる様子はない。射精後の余韻で少しの刺激も気持ちがいいんだろう。

「こういうのはよ……尻の穴弄るのが普通なんだぜ?」
「そう、なの……?」

興味を持ったらしい日々也はむくりと身体を起こした。

「教えてやるからやってみろよ」

そう言うと日々也はコクリと頷いた。言われるがままに四つん這いになり、腰を高く上げる。丸見えになった日々也の尻を見ても、なぜか嫌な気分にはならなかった。期待からなのか、日々也はゆるゆると腰を揺らしていた。
自分の部屋から面白半分で買ったローションとバイブを持ってきた。未開封のローションを日々也の尻に垂らすと、ぶるりと震える。それを尻に穴に馴染ませるように指を動かすと、日々也は甘い声を上げた。

「くすぐ、たい……」
「自分でもやってみろって。ほら」
「こ、こう……?」
「そうそう」

日々也は見よう見まねで自分の尻の穴を指で撫でる。弄ったこともないだろうそこは刺激のせいかヒクヒクと疼いている。

「あふ、うう……」

俺が何も言わなくても日々也は尻の穴へと指を沈めていく。まだ爪先くらいしか入っていないが、日々也は初めてのことに興奮しているようだった。細身のバイブはおそらく指2本分くらいの太さしかない。これなら初めての日々也にもはいりやすいだろう。それにローションをたっぷりかけて、尻の穴へと押し付ける。

「ほら、これ持ってみろ」
「ん……」

言われたままに日々也はバイブを手に持つ。そのままバイブはローションの滑りも借りてどんどん中へと沈んでいく。

「や、う……あぁっ」

流石に圧迫感があるのか日々也は苦しげに息を吐いた。はぁはぁと必死に息を吐きながら飲み込んでいく。取っ手のところだけが出ている状態でついに腰が砕けてしまった。何もなかった白い尻の間から出ている姿はなかなかにくるものがあった。尻だけなら男には見えないかもしれないと、自分でもよく分からないことを考えてしまった。

「これで、いいのか……?」
「お、おう」
「でも、あんまり気持ちよくないな……」

日々也は不満げにバイブを指で突く。

「これからだっての……ほらよ」
「ん……ひ、あんっ」

バイブのスイッチを入れてやると、日々也はシーツを握りしめながら喘いだ。男でも尻で気持ちよくなれるとうわさで聞いていたけど、本当だったみたいだ。口から涎を垂らしながら喘ぐ日々也が面白くてわざとバイブを抜こうとすると、すぐに非難の声が上がった。

「やだやだ!抜くなばかぁっ」
「じゃあどうしたらいい?どうしたら抜けねぇんだ」
「ふあ、あぁっ!」

日々也は半泣きになりながら腰を俺の方へと押し付けるように動かしてきた。抜けかかっていたバイブは、また日々也の尻へとズブズブと入っていく。堪らなくなった日々也は俺の手を振り払うと、自分でバイブを掴み抜き差しし始めてしまった。

「とまんな、止まらないよぉ……!」
「……っ!」

日々也は一心不乱にバイブで自分の尻を犯す。ローションが泡立ち、真っ白な太ももを汚していく。その光景から目が離せなくなり、それどころか口の中が何故か乾いていた。

「だめ、でちゃ……出るぅ……ひうぅ!」

さっき出したせいもあって吐き出された量はそれほど多くない。日々也は未だに尻の穴を犯すバイブから手を離して、力尽きたように目を閉じてしまった。

「……マジかよ、おい」

眠ってしまった日々也ではなく、自分に対してだった。暖かく湿った感触。今までも何度か味わったことのある感覚に深いため息を吐く。目の前には精液で汚れた枕と日々也。自分の汚れた下着。頭の中で処理する手順を考えてから、もうしばらく日々也を眺めることにした。


あれからというもの、日々也は毎晩バイブを使ったオナニーをするようになった。それも俺の部屋まで聞こえるような大声で喘ぎながらだ。迷惑以外の何物でもない。すぐに寝るはずが、気付くとドアの隙間から日々也の様子を伺っているんだから。

「もっと、もっとして……デリック」

日々也は俺を想像しながら抜いているようだった。明日も洗濯物が多いだろうなと、自分の下半身を眺めながら思った。














アンケートより「デリ日々で無知な日々也に男でも尻を弄るのが当たり前と間違った知識を教えるデリック」でした。
ぽぽぽぽーん。


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