社会人静雄×中学生臨也 毎週月曜日と木曜日の二回。決められた場所にごみの詰まった袋を出す。一人暮らしなのだからさほどごみは溜まらない。それでも家中のごみをかき集めて、少ない量でも必ず出した。一定の地域に住んでる住人が同じ場所に出すようになっており、俺の住んでいるアパート以外にも一軒家のごみが集められていた。腕時計で時間を確認すると、ちょうど目当ての人物がやってきた。黒い学ランに学生バック。おそらく通学途中であろう、少年。「……おはようございます」 「……どうも」 ただその一言かわすだけのために俺はこの時間まで待っている。この少年は毎回俺に出会うことに対して何か思っているのだろうか。気味悪く思っていれば、時間帯を変えてくるだろうか。そんなことを思いながら、去っていく後ろ姿を眺める。初めて会ったときよりもわずかに伸びた髪。金髪に染めている俺とは違い、綺麗な黒髪をしていた。 「……?」 足元を見ると、紺色の小さな手帳のようなものが落ちていた。何だろうかと思い、中を見る。その瞬間、何とも言えない気持ちになった。そこには先ほどの少年の写真があった。あの、朝だけ俺に向けられる視線がずっとこちらを見ている。 「おりはら……いざや」 あの少年から、臨也という呼び方に変わった瞬間だった。 仕事から帰り、鞄の中から今朝拾った生徒手帳を取り出す。臨也で抜くのは初めてじゃない。臨也が捨てたごみの中身を広げたこともある。以前白いビニール袋に入った下着を見つけた。サイズからして大人のものではなかった。ならば臨也のなんだろう。それには白く乾いた汚れがついていた。身に覚えのありすぎるそれに身体が熱くなった。その汚れが見えなくなるほど、自分の精液をかけた。自分は変態なのだろうか。深く考えたことはない。ただ、誰かに対してこれほど執着するのは初めてだった。 肩に鞄をかけて歩く後ろ姿。風になびく黒髪が頬を撫でて、薄いピンク色をした唇を舌が舐めた。あの子を自分のものにしたい。少しでもいい。ごみ捨て場で偶然を装って言葉を交わすだけの関係から抜け出したい。握りしめた手に力がこもる。彼が振り返った、その瞬間。 布団の上に横たわった少年が目を覚ます様子はない。それでも黒い学ランは上下に動いていて、薄い唇からは小さく声が漏れる。学校帰りのこの子を殴って気絶させて、家に連れ込んだ。誰かに見られてはいけないと焦ったが、運よく誰ともすれ違わなかった。あらかじめ買っておいたビデオカメラ。録画できているのを確認して、レンズを臨也に向ける。これから何をされるか知らない臨也は、穏やかな表情で眠っていた。 学ランのボタンを外すと派手な色のシャツが目に入る。それを捲りあげると、妄想の中でだけ描いていた乳首があった。寒いせいか、二つあるそれはツンと尖っていた。それを指で摘まんで、ねっとりと舌を這わせる。少し汗の味がする。手荷物の中に体操服があったから、きっと体育の後なんだろう。ずっと妄想の中だけで抱いていた身体が目の前にある。興奮しないわけがなかった。恋人になりたいとは思わない。ただ抱きたかった。誰にも汚されていないだろうこの身体を、自分のものにしたかった。行為に集中しすぎるとカメラがぶれてしまう。せっかくの映像を無駄にしてしまわないよう、細心の注意を払った。 荒くなる息を押さえながらズボンを脱ぐ。もうすでに半分ほど勃起しているそれは、先走りを垂らしていた。今にも射精してしまいそうだ。先に一回抜いておいた方がいいのかもしれない。臨也のズボンと下着を脱がせ、灰色をした下着を鼻に押し付けた。ちょうど性器の当たる部分に舌を這わせては匂いを嗅ぐ。それだけで十分射精できる。まだ寝ている臨也の顔に性器を向けて、手を上下に動かした。 「く……っ」 濃くどろついたそれが、白い肌を汚す。唇についた精液を臨也は無意識に舐めとってしまった。一瞬眉をしかめて、それからゆっくりと瞼をあげた。数回瞬きを繰り返し、自分の置かれている状態を把握しようと必死だ。 「おにー、さん……?」 「……」 俺の顔を覚えていたらしい臨也は首を傾げて俺を見上げた。とっさに起き上がろうとした身体を押さえつけると、やっと自分がほとんど裸だということに気付いたようだ。顔を流れる精液を袖で拭って、俺をじっと見つめてきた。逃げるかと思ったがそうではないらしい。自分に向けられるカメラと俺を交互に見つめて、恥ずかしいのか頬を赤く染めた。無抵抗をいいことに、捲りあがったままのシャツをすべて脱がせ、また乳首に舌を這わせた。今度は舐めるだけじゃなく、甘噛んだり吸ったりした。その度に組み敷いた身体は小さく震えて、声変わりをする前の声が小さく漏れる。 「う、やぁ……」 「ちょっとなら声出してもいいから」 必死に枕を掴みながら耐えるように頭を振る。怖くて逃げられないのだろうか。涙目になりながら俺の一挙一挙を見つめてくる。予想以上だった。小さく抑えるような喘ぎ声も、強く枕を握りながら耐える姿も。右手を上にあげさせて、脇に顔を近づける。最初はされるがままだったが、すぐに意図の分かったらしい臨也は身を捩った。 「や、やめっ」 大声を上げようとした口元を手で覆う。別段力はいれていない。乱暴したいわけではない、ただ、今は静かにしてほしかった。スン、っと鼻を寄せると独特の匂いがした。まだ毛も生えていないそこはつるつるとしている。匂いを嗅ぐだけでは飽き足らず、ちろりと舐めてみた。乳首よりもしょっぱい味がした。小さく悲鳴が上がり、もじもじと太ももがすり寄せられる。 「う、うぅ……あぅ」 満足するまでなめてやると、臨也は涙目になっていた。ヒクヒクと肩が震えて、不安げに俺を見上げてくる。また射精してしまいそうだ。 「あぁ、ちゃんと勃起してんじゃねぇか」 閉じようとする足を開かせると、僅かに勃起した性器が目に入る。まだ何も生えていないそこは、より幼さを強調させた。そこにカメラを近づけて、性器だけでなく袋もアップで撮る。そのとき数回性器を扱いてやると、可愛らしい声が遠慮なく上がった。 「やだ、そんなとこ……撮らないでよぉ」 ひくひくと収縮するそこは、きれいなピンク色をしていた。はやる気持ちを押さえて、指を唾液で濡らす。 「これ、持って」 「え……?」 あいにく俺の家に、ローションだとかゴムはない。使うことがないからだ。震える腕にカメラを押し付けて、尻に指を這わせる。そのときもきちんと撮っているか確認した。喘いでいるせいで身体がビクビクと震えているが、カメラを落とさないように必死に掴んでいる。 「や、そんなとこ……!」 「ここ弄られるの初めてだよな……?気持ちよくしてやるから」 やり方なんて詳しくは知らない。思い切って指を中に突っ込むと、臨也はひときわ高い声を上げた。ぐちゅぐちゅと水音を立てながら、摩擦で赤く成り始めたそこに更に指を増やす。指が三本入ったところで、勢いよく引き抜いた。臨也は顔を真っ赤にしながらカメラ越しに自分のそこを見ていた。そこに顔を近づけて、すでにくぱくぱと収縮している尻の穴に舌を這わせた。 「やだ、やだよぉ!お尻の穴、舐めちゃやだぁ!」 太ももをがっしりと掴んで逃げられないようにしておく、臨也が暴れるたびに完全に勃起したちんこが腹を打つ。しっかりとそこが濡れたのを確認して、ちんこを臨也に見せる。 「ほら、今からお尻の穴に俺のちんこ突っ込んでやるからな?」 「あ、あぁ……」 「すぶずぶって犯されるの、ちゃんと見とけよ」 「やぁーっ!」 臨也からカメラを奪って、挿入の瞬間もばっちい撮影した。臨也の尻の穴はぎちぎちに広がり、俺のちんこをこれでもかと締め付けてくる。 「う、あ、あぁっ」 馬鹿みたいに腰を振って臨也をひたすらに喘がせる。口から唾液を垂らしながら、臨也は俺の方へ腕を伸ばしてくる。指先を甘噛んでやりながら乳首も摘まんでやると、背をのけぞらせて喜んでいるようだ。 「ん、んふ……あぅ」 何度もキスしてやると、臨也はへにゃりと笑った。本当に中学生だろうか。コンビニで並んでいる雑誌を見ても、こんなに興奮することはなかったのに。 「ふやあぁ……っ!」 臨也の腰を掴んで一番奥まで突っ込んで、何回目かの射精をする。その瞬間、臨也もビクビクと身体を震わせて射精した。それが顔まで飛んで、臨也は一瞬顔をしかめる。 「あつい、よぉ……」 独り言のようにつぶやく。ちんこを抜けばゴポリと精液があふれ出てきた。それをカメラでじっくりと撮っていると、臨也が体を起こそうとする。それを最初と同じようにまた突き飛ばした。 「え……?」 「せっかくの初めてなんだからよ、これで終わらせるわけねぇだろ?」 閉じた足を開かせるとまた、臨也の悲鳴があがった。 下半身や腹部を自分の精液で汚して、気絶している臨也。なかなかその光景はくるものがあった。その光景もじっくりとカメラで撮影して、電源を切る。これでしばらくネタには困らないだろう。何かないかと臨也の鞄を漁っていると、背後で起き上がる音がした。振り返ると足を開き、精液が零れ落ちるそこをぼんやりと眺めている臨也の姿があった。何度も中に出したせいで、身動ぎするたびにどろついた精液があふれてくる。 「おにーさん、これが犯罪だって分かってるの?」 「……」 「これ、俺の生徒手帳……あはは、精液まみれだね」 布団の側に合った生徒手帳を見ながら臨也は笑った。すでに精液が乾いて悲惨な状態になっているそれは、もう使えたものではない。それを手に取り、臨也は恍惚とした表情を浮かべた。とても中学生には見えない、色気のある表情だった。 「……まさか偶然だと思ってたの?」 「は?」 「生徒手帳拾ったのも、誰にも見られずに俺を家に連れ込めたのも……あんなに簡単に突っ込めたのも……」 臨也は四つん這いになって俺ににじり寄ってくる。腰が辛いのかどこか動きは頼りない。俺の足元まで来ると、自分のカバンの中から分厚い手帳のようなものを取り出した。広げると、そこには大量の俺の写真。ごみを漁っている時のものから、通勤途中のものまで。 「全部わざとだよ?だっておにーさん、何にもしてこないんだもん。あんなに俺のこと見つめてくるくせに……」 恍惚とした表情を浮かべながら、臨也は俺の写真に唇を寄せる。赤い舌が煽るように精液のついた指を舐めた。 「興奮した?同じ男の身体を抱いて……しなかったわけないよね?こんなに中に出したんだから、さ」 まさかビデオ回すとは思わなかったけど、と臨也は苦笑した。焦るどころか俺は興奮していた。臨也はそれに気付いているようで、四つん這いになって精液の溢れるそこを指で広げた。 「ほら、他にはどんなことしたかったの……教えて、おにーさん?」 「っ……!」 誘われるがまま、また臨也を抱いた。臨也が俺の家に入り浸るようになるまで、そう時間はかからなかった。 |