小説 | ナノ
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携帯のディスプレイを見ると、時刻は夜中の2時を回っていた。そのおかげか、自宅までの道では誰ともすれ違わずに済んだ。歩いている間に臨也は気絶してしまったらしく、静かで運ぶのが楽だった。錆び付いた階段を上がる。登る度に鳴るカンカンという音が耳障りだった。以前曲げてしまった鍵でドアを開け、臨也の分も靴を脱がせた。
部屋の電気を点け、床の上に臨也を下ろした。朝から開けっぱなしにしたままのカーテンを閉める。少し汚れてしまった服を脱ぎ、部屋着に着替えた。その間も臨也は目を覚まさなかった。青ざめた顔を見ていると死んだようにも見える。わずかに上下している胸がまだ生きていることを証明していた。
臨也の少し濡れたズボンと汚れたコートを全て脱がす。明るい場所でまじまじと見ると、全体的に肌が白く細かった。その身体をベッドの上に乗せて両足を左右に開いた。
先ほどまで挿入していた場所を見る。摩擦のせいか赤くなって、たまにひくついたかと思うと中から精液を溢れさせた。路地裏で全く見えなかったわけではないが、改めて見るとよくこんな狭い所に挿入できたなと感心する。
指を浅く差し込むと臨也の身体が揺れた。構わず中の精液を掻き出すように指を動かすと小さく喘ぎ始める。萎えていた性器も勃起し始め、腹の上に先走りを垂らしていた。

「あっん、ん……う……」

まさか尻に指を挿れられて感じる男がいるとは思いもしなかった。考えただけで恐ろしい。だが現に臨也は腰を揺らしてよがっている。もしかするとこれが初めてではないのかもしれない。
そう思うとノミ蟲のくせに生意気だと腹が立った。携帯を取り出し、気絶したままの臨也を撮る。カメラ機能だなんて初めて使ったかもしれない。こんなにも綺麗に写るのかと感心する。ひくつくそこも、汚れた顔も、今にも射精しそうな性器も。とどめに全身を写した所で、うっすらと臨也の目が開いた。きょろきょろと辺りを見回し、目が合うとこれでもかと見開かれる。

「な、に……して……」
「あぁ?記念撮影」

撮ったばかりの画像を見せてやると、臨也の顔は青ざめ軽蔑の眼差しで俺を睨んできた。

「最近の携帯ってスゲーな。今まで使わなかったのはもったいねぇよ」
「な、なんで、そんなの……頭おかしいよ、シズちゃっ……」

言いきる前に髪の毛を掴んで床に引きずり下ろした。指先にぶちぶちと髪の毛の千切れる感触がする。短く悲鳴を上げながら臨也は抵抗しているが、なにぶん全裸だからか滑稽に見えた。

「い、いたぃ!も、シズちゃん趣味悪いよこんなの。男に欲情するとかおかしいんじゃない?モテないからって飛躍し過ぎだから。しかも俺相手によく……ひぅっ」

うるさく喋る口にさっきまで中を混ぜていた指を突っ込んだ。苦いのと苦しいのとで顔を歪ませながら上目遣いに見てくる。不思議と悪い気はしない。
「穴なんか突っ込めば同じだろ?目ぇつぶってりゃ手前でも勃つんだよ」

部屋着のジャージをずらし、少し勃ち上がった性器を臨也に見せる。すると顔を真っ赤にしながら、髪の毛を掴んでいる腕を必死に殴ってきた。口に入れていた指で舌を掴み無理矢理口を開けさせる。

「おら、噛んだら右腕へし折るからな」

臨也は目の端に溜まった涙を流しながら首を横に振ったが、構わず舌に先端を擦り付け勢いよく口内に含ませた。両手で頭を掴み、前後に動かすとくぐもった声が漏れる。中ほどではないが、たまに擦れる歯が気持ち良かった。

「うぐ、う、うっ」

そのまま口内に射精して吐き出せないよう口を手で塞ぐ。しばらく暴れたが、飲み込んだのを確認して手を離す。飲んでしまったものを吐き出そうと咳き込んでいたが、出てくるのは透明な唾液ばかりで白い白濁は胃にいったようだ。

「うまいよな?な、精液おいしかったですって言えよ」
「な、何言って……あぁっ!」

腹に付くほど勃起した臨也の性器を足で踏んでやる。ぐちゅりと音を立てながら足との間に先走りが糸を引いた。

「早く言わねぇと潰すぞ」
「あ、あぁっ……いう、から……!踏まない、でぇ」

嫌だ嫌だと言いながら、すがるように俺のズボンを掴む。腰が少し揺れていた。

「……せ、せぇえき……おいし、……です……」

頭をできるだけ優しく撫でてやる。臨也はホッとしたように引きつった笑みを浮かべた。俺もにっこりと笑って臨也の身体を蹴り倒した。

「え……?」
「おいしいなら、いっぱいやるからな」


俺の笑顔に比例して臨也の顔は絶望に満ちていった。



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