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いつか焔が消えるまで


DODパロでカイム→臨也、アンヘル→静雄です。パロですが完全に別作品になった気が……



左胸を中心に広がった契約の烙印は、色の白い肌には気味が悪いほど映えた。わざと胸元のボタンを外されたシャツ。それを隠すように注意すると、臨也は拗ねたように頬を膨らませた。
あの日、瀕死の臨也は俺と契約を交わした。分かっていた。そんなことをすればどうなるのか。死ぬよりも辛い思いを臨也にさせてしまうということを。それでも俺には、今にも死にそうな臨也を見ているだけだなんてできなかった。俺が契約を申し出たとき、臨也は何も言わずに頷いた。きっと言いたいことがあっただろう。


臨也は代償として愛を失った。誰かに愛されることを切に願い続け、人間全てを愛していた臨也はもういない。誰かを愛すこともできなければ、愛情を向けられることもない。それを知った日から臨也は人間への興味が失せたように振る舞っていた。それが自分を守るための嘘だと、俺に気付かれていることを知らぬまま。臨也は満たされることのない心の隙間を、違うもので満たそうと死ぬまで必死に足掻き続ける。俺にはそれを見ていることしかできない。

「……俺はね、嬉しいんだよ」

俺の背中に手を回しながら臨也は笑った。昔のような無邪気な笑顔はもうない。やつれた身体を抱き締める。生きているのに冷たい肌はまるで死人のようだった。

「俺が死ねばシズちゃんが死ぬ。シズちゃんが死ねば俺も死ぬ」

それって素敵だよね。そう言って、臨也は笑みを深くした。それが無意識ではなく、意識して顔の筋肉を動かしていることを俺は知っている。笑うことを忘れ、悲しむことをやめた臨也。それでも俺には笑顔を向けた。俺が臨也の笑顔が好きだと、言ったことを忘れていないから。

「……早く世界に俺とシズちゃんだけになればいいなぁ」

癒されることのない渇きを潤すものは何もない。ただ臨也は自分を愛さない人間を殺すことで自分を保ち続けていた。臨也はぼんやりと遠くを見る。そこには昔、臨也が心から愛していた人間の死体がいくつも横たわっていた。
臨也はこのまま愛を知らずに朽ちるのだろう。俺に愛されているということにも、気付かないまま。







DODパロです。知らない方が多いはず……簡単な説明。
臨也は契約者。自分の一番大切なものを代償として失う代わりに強大な力を得る。静雄は臨也と契約した召喚獣みたいなもん。臨也が死ぬと静雄も死ぬ。静雄が死んだら臨也も死ぬっけ?うーん。
やっぱり原作通り、喋れなくした方が良かった、な……


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