小説 | ナノ
襖の向こうは夢の国


兄静雄×弟臨也です。


テーブルの上に置かれたオレンジジュース。中身の散乱しているポテトチップスの袋。テレビに映る、セレクトメニューで停止したゲーム画面。そんな日常的な光景の中で行われる、非日常的な行為。

「んちゅ、ん、んぐっ」
「ったく。昼間っから盛るなよな……」

右手に持っているコントローラーが行き場を失っている。ソファに座った俺の股の間には、今年から6年生になる弟の臨也がいた。チャックの隙間から俺の性器を取り出して、必死に舐めている。今は春休み真っ最中。俺の高校もあと少しばかり休みが残っている。そんなわけで臨也は毎日のようにセックスをねだってきた。昼夜問わずだ。こいつは発情期の猫か。

「ゲーム、どうすんだ」
「んぅ……まだそんなこと言うの?もう飽きちゃった。だから……ね?」

口元を先走りでてらてらとテカらせながら、臨也は笑った。俺も諦めてソファに寝転がり、一応テレビの電源は消しておく。妙に落ち着かないからだ。臨也はいそいそと俺の上に乗って、また性器を口にくわえ始めた。

「手前もズボンくらい脱げよ」
「んぁ……ちょっと待って」

臨也はズボンとパンツを床に放ると、尻を俺の方に向けてきた。陽に当たらないせいで白い尻は柔らかく、触り心地が良かった。

「お尻撫でるとか、変態みたいだよ……シズちゃん」
「……ちんこくわえてる手前が言うな」

尻を左右に引っ張って、その間を舌で舐める。昨日もヤったせいで未だに赤く色づいているそこは、ひくひくと収縮していた。指で慣らすのは後にして、今は潤滑剤代わりに唾液で濡らしておく。じゅるじゅると音を立てれば臨也の腰はぴくぴくと跳ねた。

「手前は舐められるの、昔っから好きだよな」
「だって、ぬるぬるして……きもちぃんだもん」

俺の性器を舐めながら、臨也は小さく喘いだ。素直な臨也は可愛い。いつもこうならいいのだが。そのときだ。ガチャリという音とともに、あり得ないことが起きたのは。

「ただいまー」

玄関から聞こえた母親の声に俺は肩を揺らして驚いた。今日は近所の人たちと遊びに行ったはずだ。早く帰ったとしても、夕方くらいになると思っていたのに。

(ま、まずい……)

2階に上がるには玄関横の階段に行かなければならない。俺も臨也も下半身丸出しで、行けるわけがない。第一臨也は後ろを弄ったせいでまともに歩けもしない。顔も赤いから、何を言われるか。目に入ったのは和室だった。玄関から一番遠いそこは、今は客間になっているから母さんがわざわざ来ることもない。
俺は臨也と脱いだズボンを抱えて和室に向かった。入れ違いに母さんはリビングに来た。必死に声を殺しながら押し入れを静かに開ける。そこには来客用の布団があった。そこに臨也と一緒に入る。狭苦しいながらも、二人分のスペースはあった。襖を完全に閉めきり、耳を済ませた。遠くではお菓子などをそのままにしていることに、母さんが愚痴をこぼしていた。
「シズちゃん……」

背後にいた臨也が、甘えた声をあげながら擦り寄ってくる。欲情した臨也はある意味面倒だ。ヤれるなら他のことはどうでもよくなる。

「駄目だ。バレたらどうすんだ?」
「こ、声我慢するから……」
「あのなぁ……」

ただでさえ切羽詰まった状態だというのに、流石というか相変わらずというか。

「早く服着ろ。今は母さんいるんだからよ」
「……シズちゃんも我慢できないくせに」

拗ねたように弟は俺の背中を叩いてくる。それに構わず臨也にパンツを穿かせようとすると、飛びかかるように抱き着かれた。すぐにぶつかる唇。くちゅくちゅと舌が絡まる音は、狭い押し入れにはよく響いた。

「ぷはぁっ……」
「は、手前なぁ……」

顎まで垂れた唾液を臨也に舐めとられる。まるで猫のように肌を這う舌に、知らず喉が鳴った。

「ね?頑張って声、我慢するから……」
「……ったく」

正直俺も下半身をどうにかしたいことに変わりはなかったのは確かだ。臨也のシャツをたくしあげさせて、乳首を口に含んだ。声を出さないためか、臨也はシャツの裾を噛んでいる。すでに硬くなっているそこを舌で弾く度に、臨也は腰を揺らした。俺の上に跨がりちょうど下半身同士を密着させると、臨也は尻の間にちんこを擦り付け始めた。

「ふ、うぅ……っ」

腰に手を添えて動くのをやめさせる。不思議そうに首を傾げる臨也はシャツを噛み直していた。既に湿っているそこに指を這わせて尻の穴へと押し込んだ。くちゅくちゅという音に臨也は身体を震わせる。ある程度広がったことを確認して、布団の上に臨也を寝かせて足を肩にかけた。

「ひぅちゃ……?」
「声、出すなよ」

念のために臨也の口を手で覆う。指を噛ませても良かったが、この状態だと犯しているようにも思える。実のところ、俺はこういうことに簡単に興奮するやつだ。臨也は元から快楽には従順で、ほとんど性行為を拒まれたことはない。だから少しばかり憧れていた。嫌がる弟を無理矢理犯すということに。悪趣味だという自覚はある。そして、性器を一気に押し込んだ。

「ふ、うぅ……んぅっ!」

目を見開いた臨也は信じられないという目で俺を見てきた。小さな身体はびくびくと震えながらも性器を受け入れる。

「きもちぃ、きもちいいよぉ……!」

小さな声で囁くように臨也は喘いだ。それに合わせて腰の動きも早くなる。こんなに騒がしくしたらバレるんじゃないだろうか。そう思っても止める気にはならなかった。イく瞬間、臨也は声を抑えるために俺の肩に噛み付いた。それが何故か物凄く可愛く思えて、俺も射精してしまった。




母親がまた買い物に出掛けてからも、俺は臨也と押し入れの中にいた。狭い空間はだんだんと居心地よく感じてくる。汗に濡れた髪を無言で撫でていると、その手を掴まれた。そして、臨也はひたすら手にキスをしていた。今日はやけに甘えてくるなと思いながら、俺も同じように髪や頬にキスをした。しばらくすると臨也は深いため息をついた。

「シズちゃんは嫌がる方がいいんだね」
「……」
「そういえばベッドの下のエロビはそういう内容が多かった気がする」

暑くてかいていた汗は、いつの間にか冷や汗に変わっていた。いつの間にバレていたのだろうか。映像の中で演技にしろ必死に嫌がる女に、臨也を重ねながら俺は数回抜いたことがあった。臨也は俺とヤるのを嫌がらない。そう育てたのは他の誰でもない俺だが。

「俺以外で抜いた罰として、一週間エッチ禁止だから」
「は?」
「今日はこれでおしまい!母さんもいないし、お風呂入って来よーっと!」
射精して萎えた俺の性器を臨也は思いっきり踏むと、素早く襖から出ていってしまった。あまりの痛さに、俺はしばらく動けそうもなかった。











襖と言えば青いタヌキですね。あとタイトルにセンスがないのはいつものことですよ。

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