看守静雄×囚人臨也 コツンコツンと一定の速度でなる足音。毎日聞き続けたそれは音だけで誰なのか分かるほどになっていた。もう消灯時間はとっくに過ぎていて、他の奴が何をしているかは知らない。看守が通る廊下側だけ鉄格子でできており、それ以外はコンクリートの壁だ。もちろん同じ囚人同士で連絡を取ることは難しい。 そんな中、俺は寝もせずにずっと待っていた。その足音が俺の牢屋の前で止まるのを。 足音は懐中電灯を片手に一つずつ中を見ている。歩く度に腰にさげている鍵も音を立てていた。もうすぐ来るだろうからと俺はベッドから起き上がり、鉄格子越しに彼を待った。案の定彼はすぐに来て、手に持っていた懐中電灯の明かりを消した。それでも小さな窓から差し込む僅かな月明かりのせいで真っ暗という状況にはならない。 「……シズちゃん」 シズちゃんはここの看守だった。看守の中でも無口で冷静で、いつも暴れる囚人を抑え込む役目をしていた。冷たい目をした彼は何も言わない。ただ鉄格子越しに俺に近づき、手袋を脱いだ。そのまま温かい手は喉元を指でくすぐって来た。 「ん、んぅ……」 「……」 それが気持ち良くて、もっととねだると手は離れてしまった。それを残念に思いながら差し出された指を一本ずつ丁寧に口に含んでいく。長い指は舌を引っ掻いたり喉奥を突いてくる。それに少し吐き気を覚えながらも必死に舐めた。大人しくしていればシズちゃんは優しい。こうして毎日会いに来てくれるくらいには。 右手すべての指を舐め終わると、俺はシズちゃんのズボンに手を伸ばした。ベルトを外してチャックを下ろせば、すでに勃起し始めているちんぽが下着を押し上げていた。それをずらせば目の前に現れる先走りで濡れたシズちゃんの。 「ん、まだお風呂入ってないの……?凄い匂い……」 シズちゃんのちんぽに鼻先を擦り付けると流石に嫌そうな顔をされたが気にしない。汗のせいで蒸れているようにも思えるそれを両手で持ち、ゆっくりと先端に口付けた。汗の味を楽しむようにそのまま根元から舌で舐め上げる。シズちゃんの顔を見れば気持ち良さそうに目を細めながら俺の髪を掴んできた。少し髪の毛が抜けた気がする。 必死に口を開けて大量にあふれ始めた先走りを舐めとっていく。猫のように舌でぺろぺろと舐めれば、一気にシズちゃんのちんぽは大きくなった。 「んぐ、ん、むぐぅ……」 ある程度ちんぽを勃起させたところで、俺は片手でそれを扱きながら自分のズボンを脱いだ。下着越しにでも分かるほど勃起しているのが分かるそれは、今もトロトロと先走りの液を流していた。シズちゃんはそれを見て鼻で笑った。 「相変わらず淫乱だよな……手前は」 「でも、嫌いじゃないで、しょ?」 シズちゃんは自分の服が汚れるのを何よりも嫌うから、まだ下着は脱げない。シズちゃんの背中に腕を回しながらキスをねだればすぐに唇を塞がれる。鉄格子のせいで満足に密着できないが、それでも精一杯近づいた。 シズちゃんは俺の尻を両手で掴むとそのまま揉み始めた。穴を刺激するように左右に引っ張ったり指で下着越しに穴を押してきたり。しまいには下着の中に手を差し込み、直接撫でまわしてきた。その間もキスはしていて、シズちゃんは溢れる唾液を全部俺に飲ませようと流し込んでくる。 「んちゅ、あ、きもちぃ、シズちゃん、きもちいぃよぉ……」 指は尻の穴の周りを撫でた。尻を撫でながら、俺が力を抜いたのを確認してその指は中に入って来た。細くて長い指はこれよりもっと太い物を受け入れるためだけに中を動き回る。たまに前立腺を突かれれば、すぐに立てなくなった。それでも腰を掴まれているから座り込んでしまう事はなかった。シズちゃんの肩に額を押しつけて、指の増やされる感覚に耐えた。こんな所にローションなんてものはないから仕方がないとはいえ、もう少し体に負担のかからない方法はないものだろうか。背中に回していた手を徐々に下におろして、シズちゃんの身体のラインをなぞった。そして触れた、鉄の感触。 「……手前は少し気ぃ抜いたらすぐに本性出しやがる……俺が気付かないとでも思ったのかよ?」 それに気付いたシズちゃんはさっきまでの表情と打って変わって、怒っているような何とも入れない表情をしていた。俺がわざと盗ろうとしたこのフロアにある全ての監獄の鍵たち。それに伸ばした腕はシズちゃんに掴まれていた。 「……やだなぁ。そろそろ俺のこと信用してよ。何回ヤッたと思ってるの?」 「看守に身体差し出すような奴、どうやって信用すんだ」 「うわっ……傷つくなぁ……」 シズちゃんは口元を歪めると、腰に収納していた懐中電灯を取り出した。相変わらず笑ったままで、俺の尻を撫でてきた。まさかと思って身体をシズちゃんから離そうとしたが、背中に回された腕のせいで離れることは叶わなかった。 「逃げんじゃねぇよ。さっきは自分から抱きついてきたくせによぉ……」 「こ、こんな熱烈な抱擁は遠慮し、あっ……ひあぁ!」 唯一下に穿いていた下着は無残にも引き裂かれてしまった。そして、細長いタイプの懐中電灯は、ごつごつとした無機質な感触をしながら中へ入って来た。少し入っては引きまた少し入っては引く。それを何度も繰り返しながら懐中電灯は奥へ奥へと入って来る。正直全くもって気持ち良くない。今までシズちゃんはこんなこしてきたことない。 「や、やだ、これやだぁ……!」 「んなこと言っても止めねぇからな。手前俺以外の奴にも色目使ってるらしいじゃねぇか」 「そん、なの知らなぁ……」 正直他の看守は顔すら覚えていない。ただ覚えているのは足音だけ。それ以上興味なんてなかった。だってこんなにも面白い奴が目の前にいるんだから。それをどういうわけかよく分からない疑いを俺にかけているシズちゃんは、よっぽど俺が他の奴に目を向けるのが嫌みたいだ。それがどういう意味か、シズちゃんは知っているのだろうか。 「ちんぽ挿れて欲しけりゃどうすんだ?ちゃんと教えたよな?」 「ん、シズちゃ……ぐちゅぐちゅのお尻の穴に、ちんぽ、挿れてくださ……」 鉄格子の冷たさに身震いしながら尻をシズちゃんの方に向ける。挿入しやすいように腰を高く上げて、可能な限り鉄格子に尻を押しつける。満足したようにシズちゃんは数回尻を叩くと、腰を掴んで一気に挿入してきた。 「ひ、あぁぁぁぁぁぁ!や、やぁ、おっきぃよぉ……!」 さっきと違って太さも温度もあるそれに頭がしびれる。そう言えば俺の声は他の囚人に聞こえている。そう考えると興奮して、もっと声を上げてしまう。どこからか俺とシズちゃん以外の荒い息が聞こえて来た。それはシズちゃんにも聞こえたようで、腰の動きを激しくさせて、肌を打つパンパンと言う音をさらに響かせていた。 「おら、他の野郎に感想聞かせてやれよ」 「き、きもちい……気持ちいいよぉ!乳首もぐりぐりしてぇ……!」 震える足に何とか力を入れて立ち上がるとすぐに腰に腕が回される。そのまま右手は俺のちんぽを扱いて、左手は乳首を摘まみ始めた。あまりの気持ち良さに鉄格子を掴んで耐える。耳元ではシズちゃんの荒い息遣いが聞こえる。その熱い息すら触れて、ちんぽは射精したいと言わんばかりに先端をひくつかせていた。 「イく、イッちゃ……んあぁぁぁぁ!」 「……っ」 俺がイッたのと少し遅れてシズちゃんも中に射精した。量の多いそれに中を満たしていく。射精したことで力の入らなくなってしまった身体を脱力すると、しばらくしてちんぽが引き抜かれた。支えきれなくなった身体は鉄格子を背もたれにずるずると座り込んでしまった。目の前には自分の出した精液が床を汚していた。 「は……あ……」 「……」 後ろを向けば、すぐに服装を整えているシズちゃんの姿。彼には俺と違ってしなければいけないことがある。でももう少し労わるとか、してくれてもいいと思うのだけど。俺に突っ込まれてべとべとになった懐中電灯をハンカチで拭うと、シズちゃんは明かりを俺に向けた、眩しくて目を閉じれば聞こえた独り言。 「……手前はずっとここでいればいいんだよ。どこにも逃げずに、ずっと……」 そう言ったシズちゃんの目は少し悲しそうで、慰めてあげたかったけれど鉄格子が邪魔で彼に触れることはできなかった。いつになったら二人で逃げると言う選択肢が、彼の中にできるのだろうか。 一ノ瀬はプリズンに入ったことがないので内部がどうなっているのか全く知りません。 ついったで萌え滾らせていただいたので。 |