弟静雄(16)×兄臨也(23) 「シズちゃん、ちょっと話があるんだけどいい?」 「……」 俺がそう言うと、目の前の男はあからさまにめんどくさそうな顔をした。肩から掛けている学生鞄を床に下ろし、言われた通りリビングの椅子に腰かける。今日こそは叱らないといけないんだ。頑張れ俺。 弟であるシズちゃんはあまり成績が良いわけではなかった。見た目のこともあってか、学校では不良に分類されているらしい。もちろんそんな事実はなく、ただ少しキレやすいだけだ。少し訂正しておく。短気で喧嘩っ早いのは事実だ。 だけどいくら喧嘩しようが、することはしているのなら文句を言うつもりはない。ほとんど売られた喧嘩なのだから。 仕事で滅多に家に帰って来ない両親の代わりに面倒をみることになった時、俺はシズちゃんを一人立ちできるようなしっかりした大人に育てようと決めていた。 しかし自宅に届けられた成績表を見て愕然とした。平均なんてとんでもない。彼の成績は下から数えた方が早かった。さらには授業にもあまり出席していないらしい。このままでは留年だってあり得る。そんなことは絶対にさせない。何とかして勉強する気を起してもらわないと。 机の上に出された成績表を見ると、シズちゃんは小さく舌打ちした。きっとこれが初めてじゃないんだろう。案の定問いつめると、今までの成績は俺に見つかる前に処分していたらしい。 「こんなの俺知らないよ。成績不振者は保護者呼び出しって書いてるよね?そんな連絡来てないんだけど」 「仕事で忙しいから呼ぶなって言っておいた」 「もう……学校のことなら休みくらいとるよ。俺はねシズちゃん、凄くいい点数をとれだなんて言ってない。でもこれはちょっと駄目だよ。まだ1年生だからいいけど、3年生になってもこのままだったらどうするの?」 「……」 流石に反省したのか、シズちゃんの視線はじっと成績表を見つめていた。小学生の頃からあまり俺には反抗してこなかったが、反抗期にでも入ったのだろうか。 「……分かった。次の期末テスト、5教科だけで300取るようにする」 「ホントにできる?もう少し目標下げた方が……」 「うるせぇな。もう決めたんだ。そのかわり……」 シズちゃんは成績表をくしゃりと握ると、そのままゴミ箱へと投げてしまった。 「それができたら俺の言う事一つだけ聞いてくれよ」 「……何それお金?」 「……違ぇよ」 「まぁ……頑張ってくれるって言うならいいよ。とにかく俺に出来る範囲にしてね」 「……分かった」 この時俺は失念していた。この成績は全く勉強しないで受けたテストの結果であって、シズちゃんの本当の実力ではないという事を。 それから数週間後。俺が家に帰るとシズちゃんは既に帰っていた。リビングのソファに腰かけるその自慢げな表情に、嫌な予感がした。 「信じられない……」 机の上に並べられたテスト用紙。それはどれも半分以上点数を取っていて、目標の300を超えていた。やればできるんじゃないかと感動というよりは複雑な心境になりながら、満足そうなシズちゃんに視線を向けた。約束は約束だ。 「で、何が欲しいの?」 「そうだな……まずネクタイ外して俺によこせ」 「……ネクタイ?なんで?」 「いいから」 俺は今仕事から帰ったばかりだったから、まだスーツを着ていた。だからネクタイをしたままだ。 とりあえず言われたとおり、外したネクタイをシズちゃんに手渡した。そのままソファに座るように促される。 わけもわからず従うと、シズちゃんは俺の身体を押し倒してその上に乗ってきた。驚いて呆けていると、両手をさっきのネクタイでひとまとめにされる。本当にあっという間の出来事だった。 「し、シズちゃん……?ちょっと成績のこと言われたからってそんなに怒らなくても……」 「……手前ってよ、勘がいいのか悪いのかわかんねぇよな」 「何言って、んむっ……!」 突然、シズちゃんに口付けられる。生温かくぬるついた舌が、口内を余すところなく舐め始めた。息苦しさに暴れると、物凄い力で引きちぎるようにズボンのベルトを抜き取られる。驚きで悲鳴が上がる。 口を塞がれているから、それがちゃんとした声になることはなかった。せめてもの抵抗と舌を噛んでみたが、シズちゃんはさらに舌の動きを激しくするだけだった。ズボンも同じように脱がされ、下着越しに性器を撫でられる。黒のボクサーパンツは一部分だけが濃く変色していた。やっと解放してもらえた頃。シャツのボタンは全て外され、情けないくらい白い肌をシズちゃんに曝していた。 「はあ……な、なんで……」 「俺が手前ネタに抜いてんの、知らなかったのかよ」 「え……ひゃ、あぁ!」 シズちゃんは口を開けると、ぱくりと乳首を口に含んでしまった。残った方は指先でくにくにと弄られる。摘まんだり、潰したり。何の変哲もない少し色素の薄かった俺の乳首は真っ赤になり、先端をこれでもかと尖らせていた。 「や、やだシズちゃん……こんなの、変だって」 「そりゃ変だよな。実の弟に乳首舐められて気持ち良くなってんだからよ。汗かいて少ししょっぱいな……うまいけど」 「やだっ……汚いから、舐めないで……!」 シズちゃんは乳首だけでなく、周りも丹念に舐めた。舌を動かすたびに聞こえる水音。長く大きな舌は、乳首の先端を触れるか触れないかの距離で這っていた。かと思えばじゅるじゅると吸われる。 「見ろよ……乳首だけでこんなになってるぜ」 「あ、ひゃあぁん……!」 性器ではなくその下の袋を大きな手で揉まれる。玉を遊ぶような指の動きに、触られてもいない性器は完全に勃起していた。下着越しでも形がはっきりと分かるようになったそこを、シズちゃんは触れるか触れないかの距離で撫でた。くすぐるような感覚に、腰がびくびくと震える。 それからシズちゃんは、下着越しに俺の性器を舐め始めた。膨らみを舐めて、その縁をなぞるように這って。先端を口に含みじゅるじゅると吸われる。 「ん……んぅ……」 「気持ちいいか?なぁ」 シズちゃんは楽しそうに笑った。笑って、先走りでぐしょぐしょになった下着を脱がされる。下半身は透明なそれで汚れていた。 「可愛い……」 「あ……う……」 頭がぼうっとした。シズちゃんは何度も俺の頬に口付けては、可愛いと呟いていた。 「ずっと好きだった。小せぇ頃からずっと……」 「あ……や……やだ……」 「誰よりも俺のこと見てくれて、誰よりも俺のこと愛してくれた……」 必死に力を入れて閉じていた足を、強引に開かされる。誰にも見られことがないそこを、シズちゃんは舌舐めずりしながら食い入るように見ていた。その熱い視線に、俺の性器は先走りの量を増やした。それは性器の根元を伝い、収縮しているそこへと流れて行った。 「ずっと好きだったんだ……兄貴」 「や、やぁ……ひあぁぁぁぁっ!」 シズちゃんはそこに口付けると、そのまま舌を挿入してきた。感じたことのない異物感に背中が震えた。ぐちゅぐちゅとありえない音を立てながら舌は俺の中を犯した。 「やだやだっ!舌やめてっ汚いからぁ……!」 シズちゃんの頭を必死に掴んで引き剥がそうとするけど、太ももにしがみつかれているせいでピクリとも動かない。中から犯される感覚は、今までに感じたことがない。舌が動き回る度に身体に力が入らなくなった。 満足したのかシズちゃんは穴の回りを丹念に舐めてやっと離れていった。 終わったという安堵から目を閉じると、服の擦れる音がした。続いてさっきまで犯されていた場所に感じた熱。驚いて目を開けると、尻の穴にはシズちゃんの性器が添えられていた。これから何をされるか、瞬時に理解した。 「や、無理……っ!」 シズちゃんの性器は俺より大きいのだろう。それはビクビクと脈打っている。先走りの溢れる先端を穴や回りに擦り付けていた。 「シズちゃん、ね?もうや、んあぁっ!」 先端が、中に入ってきた。悔しいことに痛くはない。シズちゃんによって丹念に慣らされたそこは、飲み込もうとしているようにすら見える。シズちゃんも勢いをつけながら、性器をより深く挿入しようとしてきた。 「あに……臨也、好きだ。好きなんだよ……!」 「だ、駄目……言わないで、やだ、言っちゃやだぁ……!」 「……っ!男だから駄目か?弟だから?どんなに頑張っても、俺は家族以上には……」 「そ、じゃない……っ」 犯されているのは俺なのに、何故かシズちゃんの方が今にも泣き出してしまいそうだ。そんな顔をさせたくなくて、シズちゃんの背中に腕を回して抱き締めた。その行動に驚いたようだが、すぐに強く抱き締め返される。そのままの勢いで、俺はシズちゃんにキスをした。 「ん……ふぅ……」 くちゅくちゅとお互いの唾液を交換し合う。最初にシズちゃんがしたような強引なものではなくて、お互い気持ち良くなるためのキスだ。舌を絡めて、甘噛みして。いつしか緊張の解けた身体は、シズちゃんの性器をすべて受け入れていた。 「ぜ、全部、入って……」 「わりぃ……痛いか?」 「大丈夫……ねぇ、いつから俺のこと……」 「……分かんねぇ。気付いたら好きだった。これが家族に向ける好きと違うことくらい、嫌でも分かる」 「こんなことするくらいだもんね……?」 「……それは」 困ったように視線を反らすシズちゃんの前髪を掻き分ける。昔と変わらない、何も知らない純粋な眼差し。視線が合うとどちらからでもなく、また口付けた。 「んぅ……俺は父さんたちが仕事の都合で引っ越すって決まったとき、シズちゃんも連れて行ってって頼んだんだ。俺にはシズちゃんと二人で暮らすなんて辛くて……無理だよ」 「……」 「だって、毎日二人きりなんだ……ずっと、ずっと。愛しくて堪らない人と、ね」 驚いたように目を見開くシズちゃんの額に口付ける。 「好きだよシズちゃん……弟として……でもそれ以上の好き」 「なぁ……」 「うん……愛してるよ、シズちゃん。シズちゃんは?」 「俺も、愛してる」 シズちゃんの首に腕を回して抱き締める。同じように抱き締め返されて、お互い隙間がないくらいくっついた。 あの幼くて泣きながらしがみついてきた弟の背中は、いつの間にかこんなに大きくなっていた。 「ひ、あぁ!そこ、そこいいよぉ!もっとしてぇっ」 「ったく……小テストで半分取っただけでご褒美とかおかしいだろ」 「らって、シズちゃんがんばったのぉ……だから、おにいちゃんの身体で、いい子いい子って、してあげるんだよぉ……」 「自分がちんこ欲しいだけだろ?毎日アナニーしてるの、俺が気付いてないとでも思ったのかよ」 「ご、ごめんなさ……だって、おしり寂しいの……」 「駄目だ許さねぇ。明日、会社のトイレで大好きなアナニーしてるの、カメラに撮って来い。ちゃんと俺はアナニー大好きな変態ですって言えよ」 「い、いじわるしないでよぉ……」 「何がいじわるだよこの淫乱。もうすぐ俺が修学旅行で4日いなくなる間、どうすんだよ」 「あ、うぅ……で、電話していい?シズちゃんにオナニー……じゃなくて、アナニーしてるの、聞いてほしい……バイブぐちゅぐちゅってしてるの、聞いて……?」 「……ったく手前は、ホント困った兄貴だな」 「こんな俺知ってるの、弟のシズちゃんだけなんだからね……?」 「……当たり前だろ」 弟×兄で試行錯誤してたときの別バージョン。義理とかではなく、完全に血の繋がった近親相姦が好きです。 |