修学旅行。それは学生生活における一番の思い出ではないだろうか。夜はいつもと違うベッドで寝て。しかし何を思ったのか、教師たちは男子生徒のみ大広間で布団を並べて寝るように言った。 交流を深めるためだと言ったが、明らかに他の生徒は俺とシズちゃんを見た。きっと隣になるのが嫌なんだろう。だからシズちゃんは一番端を陣取っていた。即座に他の生徒はそこから離れた場所を奪い合い始めた。 当然気付けばシズちゃんの周りは空いていて、いつものメンバーが集まってしまった。 「俺、シズちゃんの隣だけは嫌。だって寝相悪そうなんだもん。そう思わない、ドタチン?」 「手前の方が悪いじゃねぇかこのノミ蟲野郎!いつもいつも布団取りやがって!」 「分かったから静かにしてくれ……あと静雄はさりげなく恐ろしいことを言うな……!」 みんな適当に場所を確保して、しばらく騒いだり何なりとした。さすがに一人二人と眠り始めて、ついに室内はいびきと寝息だけが聞こえるようになった。 ドタチンはもう眠ってしましたようで、横にいた新羅も寝言を呟きながら枕を抱き締めていた。周りを少し確認して扉の近くで寝ている、シズちゃんの布団へと潜り込んだ。 「……何してんだ手前」 「え……」 まだ起きていたんだなぁと思いながら、気にせず下着を脱いだ。 「だってシズちゃん、お風呂でお湯に入るとき腰に巻いてたタオル外したよね?あれ見ちゃってから、身体熱くって……」 「あのなぁ……」 「一人で抜いたら終わるから、シズちゃんは寝てていいよ」 浴衣をずらして、シズちゃんを無視して先走りを垂らしている性器を手に持つ。布団を汚してしまわないように、脱いだ下着は自分の性器の下に敷いた。性器を軽く握って、上下に動かす。 「は、あぁ……あ、あぅ……」 先端に爪を立てたり袋を揉んだりした。気付けばシズちゃんの視線は俺の性器に向いていた。俺はあまり自分で慰めたりしない。ほとんど目の前の男が処理してくれる。だから俺がこんなことをするのは、誘っているときだけだ。 「あ、んぁ……っ!シズちゃ、はぅ……っ」 シズちゃんの視線は俺のそこから離されなかった。それを心地よく思いながら、俺は手の動きを早めた。もう出そう。そう思ってたらシズちゃんに抱き締められる。耳元に当たる熱い息に身体が震えた。 「……声出そうになったら俺の肩噛め」 「し、してくれる、の?」 「手前が誘ったんだからな」 「わか、て……あ、あぁっ!」 シズちゃんは俺を強く抱き締めると、後ろに手を回した。尻を撫でて、そのまま穴の周りを指で撫でてくる。必死に息を吐いて力を抜く。シズちゃんの腕にしがみついて指が入ってくる感触に耐えた。 「だから噛めって。痛くねぇんだからよ」 「や、あん……」 耳の穴に、シズちゃんの舌が差し込まれた。鼓膜に直接ぐちゅぐちゅという音が聞こえる。 「きもちぃ……あ、やぁ!」 ふと後ろに視線を向けると、そこにはドタチンがいた。目を閉じて、仰向けに眠っている。急にここには他にも人がいることを思い出してしまった。 「何だよ、急に締めやがって……」 「ん……くぅ……!」 シズちゃんに背中を向ける体勢にさせられる。当然目の前にはドタチンがいて、こっち向きに寝返りをうたれて向かい合う形になった。 「声、あんまり出すなよ?」 「ひぅ、あ……あ……!」 口内にシズちゃんの指が入れられた。それに舌を絡めて、後ろに押し当てられた熱に知らず腰が揺れる。ゆっくりと挿入される感触に全身を震わせた。声を上げてしまわないように指を噛みながら、気付けば泣いてしまっていた。 後ろから抱き締められて、腰の動きを早くされる。布団をかぶったままの身体は暑くて、今すぐ蹴り飛ばしてしまいたいくらいだった。 「ふ……う、うぅ……ん!」 そろそろ出してしまう。それを目で伝えると、シズちゃんは下に敷いていた俺の下着を性器にかぶせた。そのまま上下に擦られる。中に入った性器をこれでもかと締め付け、下着に射精した。すぐに中にも熱い精液が出される。 上がる息を整えている間、シズちゃんは首筋に何度も吸い付いてきた。きっと痕をつけているんだろう。 「あ……」 腰を動かして気付いた。シズちゃんはゴムをしていない。普段からしないが、今は別だ。もし布団を汚せば厄介なことになる。シズちゃんもそのことに気付いたのか、小さく舌打ちした。 「……トイレまでこのまま移動すんぞ」 「え、あ……挿れたまま……?」 「だからしっかり締めとけよ?床汚したらやべぇからな」 布団の上に寝かされ、シズちゃんが上から覆い被さる形になる。そのままシズちゃんの首に腕を回すと、抱き上げられた。落ちないように腰に足を絡めて、歩く度に起こる振動に耐えた。 でもトイレは予想以上に遠くて、着く頃にはまた俺の性器は勃起していた。腹に当たる硬い感触にシズちゃんが気付かないわけがない。中に入ったままの性器も同じように硬さを取り戻していた。 一番奥の個室を開けて中から鍵を閉める。閉めた蓋の上に降ろされ、さっきと違って明るい場所で全てを曝すことになった。シズちゃんの喉は、大袈裟なくらいに鳴った。 「……このトイレの横、喫煙所と階段しかねぇから少しは声出してもいい……って、なんでまた泣いてんだよ」 「だ、だって……気持ち、よくて……シズちゃん、いつもより……興奮して、る?」 「……俺だって風呂で手前の裸見てから、変な気分になってたんだよ」 「そ、なんだ……嬉し、あぁっや、いきなり……!」 シズちゃんは俺の足を肩に担ぐとすぐに腰を動かし始めた。さっき自分が出した精液を掻き出すように動いて、蓋には白くねばついたあれが水溜まりを作っていた。 「声、だめ……!そな、にしたら……声、我慢できな……」 「だから、少しくらいは出してもいいって」 「シズちゃん、後ろ、後ろからもして?あの、立ってするやつ、そしたら、気持ちいいとこ、いっぱい……」 「……っ!手前はいちいち……!」 「あ、あぁ!」 震える足を必死に立たせようとしたけど、シズちゃんに支えられている腰だけを高く上げる状態になってしまった。 ほとんど脱げている着流しに、蓋に溜まっていた精液が染み込んでいく。 「あっひゃ、あ、そこ、そこ好き、シズちゃ、好きぃ……!」 気持ち良すぎて頭がふわふわする。キスして欲しくて後ろを振り返ると、シズちゃんは怖い顔をしてトイレの入口の方を見ていた。 「……誰か来た」 「え、あ……うぐ」 慌てて自分の口を塞いだ。シズちゃんも腰の動きを止めると、耳を澄ませていた。 「誰かいるか……?もし静雄だったら、臨也も一緒だよな。どうかしたのか?」 心配して様子を見に来たらしい、ドタチンだった。驚いて背後にいるシズちゃんを見上げる。当たり前にまだ挿入したままで、お互い外に出れる状況ではない。それどころか早く射精したくて堪らないくらいだ。 どうしようかと考えていると、シズちゃんは穴の周りを指で撫で始めた。さらに性器を飲み込んでいるそこを、指で広げる。 「ふ……う……んぅ……!」 「……臨也?」 シズちゃんは突然、腰を動かし始めた。蓋を閉めた便器の上に上半身を預けて、後ろから突かれている状態。俺の性器からは先走りと、先ほど出した精液の残りが垂れていた。 「な、にも……ないぃ……!」 「いや、何でもなくないだろ。気持ち悪いのか?」 「……あ、ぅ……」 ドタチンの問いかけなんて耳には入って来ない。ただひたすらシズちゃんの性器を締め付けて、気持ち良さに酔った。 もうイッてしまう。そう思ったとき、シズちゃんは俺に口付けトイレの水を流した。 「んぐ、うぅ……!」 一際大きな喘ぎはほとんど最小限に押さえられた。俺の性器から出た精液だけは、タイルの床を汚していた。 「……わりぃな門田。なんか臨也のやつ、一人でトイレ行くの怖かったらしくてよ。恥ずかしいから誰にも言わないでくれってさ」 「え、あ……そうなのか」 「あぁ。起こして悪かったな」 シズちゃんがそう言うと、ドタチンは焦った様子でじゃあ任せたと言って部屋へと戻って行ってしまった。 「ば、馬鹿じゃないの!?他に言い訳なかったわけ!?」 「あー……いいだろ、バレなかったんだからよ」 シズちゃんは性器をティッシュで綺麗にして、中に出したものもできる限り掻き出した。ひくつくそこを見てシズちゃんはそわそわとしていたけど、色々疲れたからしてあげない。 着流しについた精液を軽く洗って落として、身なりを整えた。少し眠そうなシズちゃんの頬に口付けると、同じように返された。 「ちょっとだけ一緒に寝ていい……?皆が起きる前に自分の布団戻るから」 「……おぉ」 シズちゃんは照れ臭そうに笑いながら、俺をもう一度抱き締めてきた。シズちゃんにされたみたいに、首筋に痕をつける。傷はあんまり付かないけど、これは簡単に付いてくれるから嬉しい。 次の日。案の定俺は起きれず、同じ布団で寝ている俺とシズちゃんを見てしまったドタチンの悲鳴で目を覚ました。 怖いからって一緒にトイレにまで入る必要はないと思う。 あとドタチンは太陽と共に起きると思う。臨也はパンツ穿いてない。 |