※「其れが儚い約束なら一方でも厭わない」続編 …暮れなずんだ放課後。 平凡に流れていった日常があの時からおかしくなっていった。 絡み付く視線は強まって。 それこそ誰にも会わせない、閉じ込めるなどの束縛はないものの、放課後呼び出されては身体を開かされた。 そして…………今日も。 散々奥を突かれ、ぐちゃぐちゃに溶かされて頭の中は真っ白だ。 「……あ、は…はあ、は」 壁に両手を付き尻を先生に付き出すような格好で。 もう、何度目だろうか。 結合部からは散々放たれた白濁を受け入れきれずとろりと零れ落ちる。 グチュグチュと抜き差しするたび卑劣な音が教官室に響き渡る。 「おねが……せんせ、もう止め…」 今にも崩れ落ちそうな膝を何とか堪えて懇願したって、きっと気絶するまで止めてはくれないんだ。 前戯は優しく施してはくれるのにそれから先は滅茶苦茶に、乱雑に突く。 ――まるで、壊すかの様に。 「……駄目に決まってるだろ」 「………っ」 このやりとりはあの時からのお決まりの台詞になりつつあった。 ああ――逃げたい。 だけど、逃げられない。 脳内では必死にそうは思っていても、毎日のように受け入れて開発された身体は反するように快楽を求めていた。 (……それに) 寂しそうに笑う原田先生の表情を見てしまうたび心が揺れてしまうから。 だから…逃げたいけど………逃げることが出来ない。 (…………っ) ――熱い。 とうとう熱が出てしまったのだろうか。身体中が燃える様に熱い。 (あの頃はこんなに無理矢理してくる事なんて無かった。 いつも労るように扱われながら、終わった後は髪を優しく撫でてくれ…) (……え、今何を……あの頃?) 熱に浮かされてとうとう無い記憶まであるように錯覚してしまったのだろうか。 もし自分の学年の担当じゃなかったら……せめて違うクラスの担当だったらどんなに良かっただろう。 日中……皆の居る教室や職員室。 授業中の僕への態度は何も無かった頃の何ら変わりない姿だ。 皆の前では優しいし気さくに話してくれる。 そんな時は放課後のあの出来事は夢なんじゃないかと思えてくる。 なのに二人きりになると態度が、変わる。 口が悪くなるとかそういうんじゃない。 口調はそのままなのに笑ってないあの瞳になって静かに問い詰める。 嫉妬を静かにぶつけてくる。 特に今日はいつもより酷いかもしれない。 昼間。 土方先生に具合悪そうだが大丈夫か?と問いかけられた。 多分いつもに増して蒼白い顔をしていたんだろう。 大丈夫ですよ心配しないで下さい、と会話をした。 ただそれだけだ。 土方先生と話しただけなのに……? そんな事をぼんやりと考えていると原田先生が腰を再度添え直した。 「……そんなに考えられる余裕があるならまだ、大丈夫だよな…?」 「え…や、あっ……も、無理で…んぁっ」 ずるりと自分の中に入っていた原田のモノが抜ける。その感覚にさえ沖田はふるっと快感が走って感じてしまう。 壁に向いていた身体を思いっきりぐるっと向かされれば、原田と互いに向かい合う形になる。 「あ……」 後頭部に手を添えられ引寄せられてキスをされる。 「ん、う…ふっう……んっ」 口の中に舌を捻り込まれ口内を舐め回され、自分の舌までもが捉えられ。 気が付けば互いに舌を絡め合っていた。 「ん……」 本当は先生と生徒とがこんな事をしてはいけないのは分かってる。 ましてや男同士でなどあるまじき行為だ。 (……そういえば) 思えば原田先生がおかしくなったのは毎日のように変な夢を見ると本人に告げてからだった。 自分の見るその夢に何か理由があるのだろうか。 ―身体を繋げ合うようになって気付いた事。 毎日のように先生は僕の事を身体を犯して、互いに見つめ合っているのに。 僕に誰かを重ねてるような目で見つめてくる。 漸く互いの唇が離れる頃には息も絶え絶えで、熱が上がり意識が朦朧としながら。 (僕を通して、貴方は一体誰を見ているんですか) 心の中で問いかけたその言葉にチクリ、と心の奥が傷んだ事に僕は知らないふりをした。 熱で意識を失う寸前。 「……さ、のさ…ん」 無意識に呟いた言葉に原田がピクリと反応した事に沖田は当然気付く筈もなく。 **** 其れが儚い〜の続編でした。温い裏とも言い難い温い裏ですね。裏は難しいよ! 自分の中では頑張った方です(笑)濃厚に書ける方は本当凄いなあ…。 その内加筆修正すると思いますが、とりあえず投下しておきます^^ ちょっとした沖田さんの変化、なお話でした。 ちなみにタイトルの身心は"みごころ"でじゃなく、"しんしん"という読み方でお願いします…という一言なんぞを(笑) 次は後編(原田目線)になります。 お読み頂き有り難うございました♪ 2012.6/27 7/8日加筆修正しました。 |