※原田さんは大学4年で春から新任の教師として勤務。
沖田さんは中学3年/原田&沖田さんは幼なじみ。


**

とある午後の土曜日。

休日だし本来ならば駅まで出向いてゲーセンだったりブラブラとしたり遊びたい所だが、一応中学3年で受験生という身でもある為そうもいかない。

テーブルの上には参考書やら筆記用具、ノートが広げられているが殆ど手付かずのまま。
一応シャープペンを持ってはみるけれどいまいち身が入らない。

ストーブで暖められた室内とは違い、ベランダから見える景色は雪が降っている為か降ってない景色に比べて寒そうに感じた。

そんな寒さの中、あの人は勉強を見てやるよ…と土曜日に来てくれる事を約束してくれた。


まあ、手付かずなのはそのせいでもあるのだが。


……落ち着かない。
多分、自分だけがこんなにそわそわしてるのかもしれない。
ある程度勉強は出来る方なので別にガツガツやる必要もない。


―ただ一緒に居たいだけの口実。


それ以上の感情など抱いては駄目だと思う、ましてや相手は男。
想いを抱く以前に許されてはいけない。

(……ただ一緒に居たいだけ、それだけでいい。)

ベランダの窓から見えるしんしんと降る雪をただぼんやりと見つめていた。



―――

……ピンポーンと遠くで鳴っているのに気付く。

いつの間に肘をついたまま寝てしまったのかと慌てて立ち上がり、玄関まで急いでガチャッと玄関のドアを開ける。

「……っ左之さん、すみません。ちょっとうたた寝しちゃってて」

「いいや、構わねえよ。
クク……ていうかうたた寝って。総司勉強の方、どうしたよ」

痛いところを突かれた上、軽く笑われちょっとムッとしてしまう。
「わ…笑わなくたって…っ
さ…左之さんが来てから勉強しようと思ってたんですよっ」

「…ま、それでもいいけどな」

「………」

……あーあ、何て可愛いくないんだろう。年齢的にもまだ子供だけど、中身なんてまだまだ子供、だよね。
ちょっとした事でムキになっちゃうなんてさ…。

「あー、悪かったって。
ほら、来る前に休憩の合間にでもと思って駅前にあるケーキ屋でデザート買ってきたから。機嫌直せよ。」

と言ってズイとデザートの入った箱を差し出す。


…別に機嫌悪い訳じゃないんだけど。

ていうかわざわざ駅前まで出向いて買ってきてくれたんだ…。
左之さん家は僕の住んでるマンションの向かい側のアパートなのに。

「あ、有り難うございます…。」

「おう」

と、手を上げて受け取ろうとした時に左之さんのゴツゴツした大きな手に自分の手が触れて少しだけ動揺してしまった。

「……あ、部屋ストーブで暖めてるんで、玄関じゃ寒いですから…上がって下さい」

「あ、ああ。すまねえな」

受け取った時。
手と手が触れたときに僕だけじゃなく左之さんも動揺した様に見えたなんて…気のせい、だよ…ね?



***


すみません、途中で切りました(´ω`)
とりあえずここまで書いたのを今仕事の休憩中に上げてしまおうと思いまして。

後編は週末にでも。




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