―もっと、もっと。
触れたくて仕方ないんだと知ったら貴方はどう思うんでしょうか。

「……っ総司」

自分のナカで動く熱に翻弄されて、浮かされぼんやりと涙で霞んだ目で見る貴方はとても不覚にも心がはねて。

「あ、……あっ、う」


もっと、もっと、もっと貴方に翻弄されたくて、背中に脚を絡める。
…でも心はこれ以上は望んではいけない。

全て繋がっているようで繋がってない想いは自分とは交差せずに貴方は違う方向へ向かっていて、自分の気持ちは報われないのだから。

"もっと貴方に触れたい"

言ってしまいたい、言いたくない。

その気持ちの狭間に揺れて、そうして今日も貴方に身を委ねる。

想いは向かずとも身体を重ねられる。
だから代わりでもいい。
それ以上は望まない、……求めない。


「……考え事なんて随分と余裕、だなっ」

「違っ……あああ!」

いきなり自分のナカを目が眩むくらいの強い刺激が駆け巡って、思わず背中を反らしてしまう。
気持ちよくて思考が散漫として、もう何も考えられない。

「あ…っや、やめっ…も」
「何言ってんだよ、まだまだこれからだろ」

「あ、ああっ」

自分のナカの最奥を突かれ。
揺さぶられて、揺さぶられて。

「んん、ふっ……うっ」
深く交わったまま互いの唇を深く重ね合い、熱を交わす。

こんなにも貴方へ想いが溢れて周りが見えないくらい翻弄されてるのに。


どうして心は手に入らないのだろう。
本当は心が欲しかった。


――付け込んだのは、僕。


素直に自分の気持ちを打ち明けてしまえば良かったと思っても後の祭。

もし振られたんだとしても、こんな自己嫌悪な想いを抱かずに済んだのかもしれないけれど。

想いを捨てきれず、諦められなくて。

―それでもまだ好きだから。
深みにはまったまま抜け出せずに。


(……もう何もなかった頃には戻れない)



***

一番のお話がこれ…って暗い!
総司は確かに相手が別な人が失恋したところを付け込んだけど、
実は向こうはちゃんと総司の想いも付け込んだ事も知っていて、承知の上でこうなっているという。

相手は最初は確かにまだ引きずりつつも、今は総司へ想いは向いていて。

総司は相手はまだ好きな人に想いを寄せてると思ってるので、想いをセーブして一定以上の言葉は紡がない。

…という補足的な。

つまりは報われるお話です!(説明下手)


2012.01/14
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