ウサギのお医者さん
(いち)
!attention!この話は当サイトの混合夢『trip*trap』とのコラボです。
因みに、trip*trapヒロインはデフォルト名『小百合』でお送りしています。
「サユリおねーちゃんは、にぃにのところで なにしてるの?」
わたしがそういうと、サユリおねーちゃんはにこにこわらって、くびをよこにたおした。
「んっとねー、小百合ね、さがるんのお手伝いしてるんだよ」
「にぃに、さがるん? にぃには、やまざきさがるだよ」
「さがるんはさがるんだよ。 そう呼んでも良いって言ってくれたもん」
「んうー…? にぃにがイイならイイかなあ」
「そうだよー。 ところで、涼子ちゃんは私に何か用があったの?」
くびをたおしてきいてきたサユリおねーちゃんに、わたしはあっときがつく。
そうだ、にぃに さがしてたんだった。
あのね、と、もじかきをしていたサユリおねーちゃんのヨコにすわって、わたしはひざにもっていたウサギさんのおにんぎょうをのせた。
くたっとしたおにんぎょう。
サユリおねーちゃんはそれをみてわらう。
「お人形さん、可愛いね」
「あのね、ウサギさんがたいへんなの。」
「大変?」
「うん、うしろがぼろぼろでイタイの」
「んー、見せて」
もってたフデをおいて、おねーちゃんがてをのばす。
わたしはそのてにウサギさんをわたした。
わたしにせなかをみせていたウサギさんは、サユリおねーちゃんのてのなかで、くるっとうしろをむく。
こて、とくびをたおしたままのウサギさんが、すこしさみしそうにみえた。
「糸がほつれてるんだね。 これくらいなら小百合も直せるよ?」
「ほんとう?」
「うん、多分」
「たぶん?」
「…もしかしたら」
「……なおせるの?」
「直せたらいいなー」
「サユリおねーちゃんっ」
むぅっとほっぺをふくらませるわたしに、サユリおねーちゃんがわらう。
だからさがるんを探してたんだね、といったおねーちゃんのことばに、わたしはくびをたてにふった。
「さがるんね、お茶持ってくるって言ってたから、もうそろそろ帰ってくるよ。 だから、此処で待っててね」
「うん、まってるっ」
わたしのうでにウサギさんをもどして、サユリおねーちゃんはウサギさんとわたしのあたまをなでる。
ゆっくりなでられたのがくすぐったくて、わたしはおもわずわらってしまった。
ウサギのおいしゃさん(小百合ちゃん、おまたせ…って、何で涼子が居るの?)
(あっ、にぃに!)
(あのねーさがるん、涼子ちゃんのお人形が壊れちゃったんだって。 だから涼子ちゃんのお人形直してあげて)
(…小百合ちゃんは裁縫出来ないんだね)
(えへー)
(いや、笑い事じゃないし)
(にぃに、ウサギさん!)
(はいはい、ちょっと待っててね)
子供が二人に増えました。(笑)[ 12/16 ][*prev] [next#]
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