貴方の為に踊りませう(永倉新八さん)






私は、彼が大好きだ。

私の手を取る時のはにかむ姿も。
刀を振るう為に出来た、マメだらけの固くて暖かい手も。

なまえ、と私を呼ぶ声も、真っ直ぐに私を見る瞳も、全てが大好きだ。


「新ちゃん」

「ン、どうしたノなまえ?」


あと、呼んだ時に振り向く口元。

小首を傾げて、口をすぼませる。
私がそれをよくやるので、いつからか新ちゃんも同じ様に唇をすぼませる癖がうつったみたいなのだ。

それほど私達は共に居る時間が長いというである。なぁに、と再度訊ねた新ちゃんに微笑みを投げ掛けて、私は新ちゃんの暖かい胸に飛び込んだ。



貴方の為に踊りませう


(新ちゃんの為ならなんでもするよ)




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