破壊神の降臨
(神威さん)
「…神威サン、何をしてんですか?」
私は訊ねた。
目の前の、橙色の三編みはゆらりと揺れて私の顔を覗く。
「何って。 何してる風に見える?」
「いや、解んないから聞いてるんですけどね。」
「なまえは馬鹿だからねぇ」
「酷すぎますよ、ソレ」
何をしているのか、本当にわからない訳ではないのだ。
先程から、彼の差した傘の先が、ざくざくと私の額を攻撃している。それははっきりしているのである。
(痛いとは口には出さない。だって言ったら殺されそうだから)
止めるのも憚られ、私はただ神威サンの攻撃を受け続けた。しかしふと、それが止んだ。
不思議に思い首を傾げると、神威サンは私の事を傘の下へと誘導した。
「な、なんですか」
「反応が薄くなったから、つまんないなーって。 だから、さ」
「へ、え…?」
にっこりと笑った神威サン。
途端視界が暗がりに入り、それから唇に何かが当たった。
当たっ、た…?
「もわっきゃーー!!!」
破壊神の降臨(きききききききき、キス? き、キス?!)
(あはははっ、アンタの反応、面白すぎ!)
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