治して、先生。

06




「な、なに…?」

 指で触診された時でさえ訳が分からなくて漏らしそうなくらいだったのに、なんだか硬そうな機器なんか使われたら痛みで失禁してしまうのでは。

 修右はその瞬間を想像してしまい、羞恥に絶句する。


 そんな思考を読んだみたいに、霜月はまた「大丈夫」と穏やかに告げた。

「痛くはないから」

 そう言って、そのふたつの器具にまたトロトロと大量のローションを絡み付け、霜月は修右の視界から消えて股間の方へと移動した。


「井之崎君、正直に教えてね。僕が君の前立腺をコリコリしてる時、おしっこは出そうだった?」


「ッ…! な、なんでそんな事ッ…!」

「治療に必要なんだよ。今から前立腺を柔らかくなるまで刺激するから、『なにか出ちゃいそう』って思ったら耐えずに出しちゃってね。それを出すためにしてるから、我慢されちゃうと終わらないよ」

「え…っ、で、でも、」
「いいんだよ。そのために僕だけで来てるんだから」

 平然とそう言われると、そういうものなのか、と思う。
 思うけれど…それと羞恥心は別だ。耐えない、自信がない。


 なにせ、ずっと吸われている乳首からもじんじん熱い感覚が胸に広がっている気がするし、霜月に検査された直腸や前立腺も、まだなにも触られていないのに既にじくじくと疼いている。


 正直、気を抜いたら今にも射精、してしまいそうで。


(先生の言う毒素じゃなくて、精液、出ちゃったら…)

 「こんなものを出して欲しいわけじゃないよ」なんて呆れられたら、今度こそ本気で恥ずかしさで死ねる…。


 もじ、と内股が寄せられるのを霜月は無慈悲に開き、握って温めた嘴──肛門鏡を皮膚や粘膜を傷付けないよう、指で割り拡げた肛門へ、そして直腸へと埋め込んだ。



「んっぁっ…、」



 ローションのぬめりによって細長い嘴は想像以上にスムーズに修右の肉に呑み込まれていき、か細い声で修右は喉を反らして喘ぐ。


「上手だね…井之崎君。じゃあ開くよ…はい、1。2。3」
「んぁ…っ、ぁ、ゃ、な、なに、せんせ…っ」

 嘴に繋がるハンドルを握ると、かち、かち、と音を立てて嘴が開いていく。


「君の直腸の中を見えやすいようにする医療機器だよ」


「っは、みっ見えッ…!?」

「大丈夫かな? 肛門は痛くない?」
「ん…っ、ぃっ、いた、く…は、ない、けどぉ…っ」


 肛門鏡が嘴を開けば肛門が機械的に拡張される。霜月がローション塗れの肛門の表面をすりすり撫でて確認するだけで、きゅんっと修右の睾丸が挙上した。

「大丈夫? じゃあ4、5、6、…7、…8。うん。裂けてないね」

「ぁっあ…っ、ゃ、ぁ…」


 しっかりと嘴の開き具合が固定されるから、修右の直腸はくぱぁ…っと開かされてしまう。


 霜月はペンライトを手に取り、まじまじと肛門鏡を覗き込み、照らした。

 それどころか、ふっ、とナカへと息を吹き込んだ。

「ひぅッ!? っひ、せ、せんせ…っ!?」

 さすがの異常に修右も咄嗟に身を起こし掛けたが、霜月は慌てず右腿を押し上げる事で治療を──性的悪戯を継続する。

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