踏み込んだ泥沼

08


 部屋中に満ちる、粘着質な水音と牡の吐息と俺の情けない声、そして玩具の僅かなモーター音。

「んふ、ふむ、む、ん、ん…」

 嫌だ。
 嫌だ。
 嫌なのに。

「あー、やっべ、たまんね、こいつのちんこイイわ」

 アイバさんがひとりごちて、ふと腰を止めた。そのままずるりと下着から彼のペ○スが出ていく感触がして、俺はほっとすると同時に冷たく濡れた布がペ○スに張りついて眉をしかめた。
 右の乳首に吸いついていたイトウも舌を止めて、「どうしました?」とアイバさんに聞く。

 落ち着いたか? 落ち着いたのか、アイバさん? 俺帰ってもいいか?

 俺の期待は、突然下着をずり下ろされてペ○スへ走った痛みで粉々に砕け散った。

「や、ほら、リング。見ろよほら、こいつちんこギンギンになってるしさ、イきまくって体力なくなられても困るし」

 当たり前、というように告げるとアイバさんは俺のペ○スをそのまま下着にしまい、また下着の裾からペ○スを突っ込んできて、素股を始めた。
 さすがのイトウも苦笑して、エガワは俺の乳首を唇に挟んだままにやにや笑った。

「アイバさん、すっごい遅漏なんですよ。その代わり、判ると思いますけど、すっごい名刀ですから、最後にじっくり貫いてもらいましょうね。奥ゴリゴリ突いてもらったら、レオさんもお尻だけでイけるような立派なネコになれると思いますよ」
「ん、むぅ…!」

 冗談じゃねぇ! 叫んだつもりがウザキさんに舌を絡め取られて、くぐもった悲鳴にしかならない。

 しかしさすがに情けない。俺はタチだ。ケツに異物が入ってるのも、確かに気持ち悪い。なのに…なぜ、勃起してしまっているのか。泣きたくなる。

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