踏み込んだ泥沼

06


 
「や、やめッ…!」
「レオさん、お尻ひくひくしてきましたよ。素質あるんじゃないですか?」

 エガワが言って、すっかり涙目の俺の前に、玩具を突き出した。ひとつはつるんとした普通のローター。もうひとつは、なんだか妙なイボがたくさんついた、見るからに凶悪なローター。

「どっちがいいですか? レオさん」
「じょ、冗談だろ! どっちも要らねぇよ!」

 俺が咄嗟に答えると、くすくすとまたイトウが笑った。

「レオさんは正直者ですね」
「正直者さんには、ふたつともプレゼント、ですね」

 金の斧と銀の斧。違う、莫迦、今はそんな童話――。

「やめ、マジっ…ん、く、ぅ…ッ」
「ほら、力抜いてレオさん」

 丸い普通のローターが、俺のア○ルに容赦なく突っ込まれる。しばらく時を掛けるだけで、くぷん、と思ったよりもすんなり入ってしまったそれに愕然とする俺に構わず、イボイボのローターが更に押し込められた。

「ぅ、ぐ…っあ、ぁ…や、やめ、気持ち悪ィ…」

 腸内を異物に擦り上げられる。ア○ルん中に異物入って気持ちイイなんて、やっぱり俺にネコの気持ちは判るはずがないようだ。

「ヨくなりますよ、大丈夫」

 ウザキさんがそう言って、エガワがスイッチを入れて――途端に、俺の目の前が真っ白にスパークした。


 ヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィ
 ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ


「んんんぅぅう…!」

 涙が浮く。腹の下の方を掻き回される感覚。むずむずしてうずうずして、やっぱり気持ち悪い。熱い。ああ、なんだろう、痒い? 気持ち悪い。熱い、熱い。

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