I want...

10


 昂ぶる熱を性器に滾らせ、ワイズは念じる。誓え。


「ぁッァ…ッ! ゥんっ、はあッ! ァッぁッ、ぁいひ、ッあぃひてぅ…ッ! おれっ…ぁっ、あんッ…! えぃえ、んに…っ! わぃずの、…ッ!」

「…誓いを違える事は許さん…貴様の神であろうと、奪わせん、ッ!」


 どちゅんッ!
 どぷどぷどぷどぷッ!!

「ぁー…ッ! あぁああ…ッ!」


 僅かに腹が膨らむほどに大量の精を注ぎ込んだ。

 クロウの躯はこの誓いによってワイズから離れる事を望む事すら出来なくなる筈だ。

 もはや従属ではない。隷属にも近い、所有物としての支配。精によって増幅された支配は『愛している』と躯を狂わせるはずだ。


「は…っぁん…、ぁっァ…わぃず…、わぃ、ず…」


 肉欲に乱れ切った天使が、ワイズの肉棒を自らの胎内に擦りつけるようにぬちゃぬちゃと腰をくねらせ、弱々しく手を伸ばす。

 ワイズの首筋に絡むと、クロウは吐息を押し込むようにして唇を自ら重ね、ワイズの舌と唾液を貪り始める。


「はっ…んむ、むちゅっ…ん、ふ…っ」
「…」


 何度も角度を変えて口付けするクロウは、おそらく体力と平静さを取り戻せば以前と同じように悪態をつき始めるだろう。

 躯が求めるばかりで、心まで染め切る事は出来ない。
 つまり仮初めの蜜月だという事だ。


「…、…それでもいい」


 クロウの首のロザリオを外し、クロウの手に握らせる。

「私を愛しているか、クロウ」
「は…ん、ん、…ぅん、…」

「なら貴様の神にも誓え。これを使ってな」
「ひゃッ、ぁッ!」

 赤く腫れた鈴口へロザリオを押し当てる。キュゥウッと胎内にずっぷりと咥え込んだワイズの性器を淫肉が切なく吸い上げた。


「ッは…っ、ぁっぁんッぁっぁっ、」

 導かれて、クロウは淫らにロザリオで自らの花芯の鈴口を抉り擦り始める。


「はぁ、ん…っひ、ゥ」

 腰がくねり、ぬちゃぬちゃと蕾が啼く。

「私の牙で擦ってやった事を思い出せ。私の牙が欲しくて…貴様の神の象徴を『使え』」

 くちゅっ、と卑猥な体液が溢れるスリットにロザリオの角が滑った。がくんとクロウの躯が仰け反る。


「ぁっぁっ、ぁっ神さま…ッ、神さまぁ…っ! はぁっ、申し訳、ありませ…っ、ぁっぁっ、ぁんッ、」


 鈴口を自ら嬲り、ぼろぼろと大粒の涙を零す天使が神具を貶め懺悔する姿は、神に嫌われたとされる魔物として、どうしようもない興奮を呼び起こす。


「おれっ…ッ、きゅうけつき…ッ、きゅうけつき、あいひて…ッ、姦淫ひて、ぁっぁんッ神しゃま…っ淫蕩ひちゃ…っ! ぁんッぁんッぁっアッ──!!」

 ビクビクビクっっ!
 ぷちゅちゅッ!


 少量の粘液が花芯から噴き出し、ロザリオを穢した。

 腿から腰を痙攣させ、胎内に埋められた楔を淫肉が蠢き愛撫し続ける。


 その長さに、彼の絶頂の長さを知る。彼の信仰心と、背徳感も。


「よく誓えたな、クロウ…」
「っは…ゃ…ぁん…」

 汗で肌に貼り付く金糸を掬い、ワイズは首筋へと舌を這わす。きゅんきゅんッとまたナカが締まる。


「これで誓い通り、神の前で吸血鬼と姦淫して淫蕩に耽る必要があるな」
「…ん…、ぅ、ん…」


 こくりと頷くクロウへ、ワイズは笑う。


 嘘でもいい。



 今は、まだ。


end.

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