鳴かぬ蛍が、 09 「ぅあぁ、ん…ふっ…ふぇ…うっく…お、ねが…ひくッ…出さ、せて…ッく、ゥ…ちゃんと、イきたぃ、よぅ…っ」 蔦に躯を絡め取られ、性器にア○ルに触手を挿入され、粘液を体内に充満させられ、めちゃくちゃに感じさせられて、涙ながらに懇願した。 ──出シテ、…ユイト。 じゅぽっ、じゅるるッ 「はぁああん!」 熱い液体が、性器から、ア○ルから、惟人の意思に関係なく、大量に溢れ出た。 それが気持ちいいと感じてしまう自分に絶望しながらも、惟人は躯を震わせ続けた。 惟人から出た液体は、1滴残らず花が受け止めて吸い取る。 ──ユイト。ココニ、イテ、クレルヨ、ネ…? 「倉田、なんかアレと会話してるみたいでしたよね」 「ふむ…」 首を傾げながら、長身の研究員が言う。もしもそうだとしたら、実に面白い。 「駄目です教授。開きません」 温室のドアの前から、青い顔でひとりが叫んだ。 『彼』の蔦がびっしりと温室を覆っているのだ。この蔦は、倉田青年が気を失ってから伸びた。 「倉田を取られないためですかね…」 「だとしたら興味深い」 呟いて、マイクを手にした。 「君。倉田くんはそこでは暮らせない。離れたくないのなら、君を倉田くんの部屋へ移そう。どうだね?」 ──…ウン…! 非科学的なことだが、『彼』の返事が聞こえた気がした。 そして速やかに蔦は引き、扉が開いた。 end. [*前] | [次#] 『幻想世界』目次へ / 品書へ |