鳴かぬ蛍が、

09



「ぅあぁ、ん…ふっ…ふぇ…うっく…お、ねが…ひくッ…出さ、せて…ッく、ゥ…ちゃんと、イきたぃ、よぅ…っ」

 蔦に躯を絡め取られ、性器にア○ルに触手を挿入され、粘液を体内に充満させられ、めちゃくちゃに感じさせられて、涙ながらに懇願した。

──出シテ、…ユイト。

 じゅぽっ、じゅるるッ
「はぁああん!」

 熱い液体が、性器から、ア○ルから、惟人の意思に関係なく、大量に溢れ出た。
 それが気持ちいいと感じてしまう自分に絶望しながらも、惟人は躯を震わせ続けた。
 惟人から出た液体は、1滴残らず花が受け止めて吸い取る。

──ユイト。ココニ、イテ、クレルヨ、ネ…?


+++


「倉田、なんかアレと会話してるみたいでしたよね」
「ふむ…」

 首を傾げながら、長身の研究員が言う。もしもそうだとしたら、実に面白い。

「駄目です教授。開きません」

 温室のドアの前から、青い顔でひとりが叫んだ。
 『彼』の蔦がびっしりと温室を覆っているのだ。この蔦は、倉田青年が気を失ってから伸びた。

「倉田を取られないためですかね…」
「だとしたら興味深い」

 呟いて、マイクを手にした。

「君。倉田くんはそこでは暮らせない。離れたくないのなら、君を倉田くんの部屋へ移そう。どうだね?」


──…ウン…!


 非科学的なことだが、『彼』の返事が聞こえた気がした。
 そして速やかに蔦は引き、扉が開いた。



end.

- 19 -
[*前] | [次#]

『幻想世界』目次へ / 品書へ




 
 
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -