in 【音楽室】

秦野 嵐の場合 1


※(拘束/小スカ)

 白峰永斗が、同じくバンドのメンバーである琴羽渉に想いを寄せているのは、公然の秘密だった。
 永斗よりはもう少しうまく隠せているだろうと思う己の気持ちにもう一度ため息をつきつつ、嵐は永斗が渉を連れて戻って来るのを待っていた。
 けれど、待てども彼らが戻ってくる気配がない。

 仕方なく嵐は音楽室へと足を向け──そして、見てしまった。

 音楽室を後にした永斗を隠れてやり過ごし、嵐は軽く癖のある茶髪をくしゃりと掻き上げて、少し思案する。
 嵐は心を決めて、音楽室へと足を踏み入れた。

 ガクガク震える躯で、なんとか処理をしようとしていた渉の目が、絶望に見開かれる。

「あら、し…っ」

 にこりと笑顔を向けて、嵐はしゅるりと自らのタイを解いた。

「遅いので迎えに来たんですが…どうも渉は、お楽しみだったようで」
「ち、ちが」

 高校に入る前、『ヤンチャ』をしていた時分のような、荒々しさが支配する。獣のようになんて、生ぬるい。けだもののように、渉をめちゃくちゃにしてやりたい──。
 普段は抑え隠して『良いひと』ぶっていたが、もう手加減してやれない。

「大丈夫。──忘れさせてやるよ」
「っ、」

 口調も表情も目つきも、全て一変した嵐に、渉の躯が震える。

 ほとんど乗りかかるようにして動きを制限しながら、するりと撫でた太腿。途端、びくッ、と大仰なくらいに渉が反応して、萎えていたはずのペ○スが震えたのを、見逃さない。

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